花地蔵つれづれ日記

古美術、芸術全般、日々気になること。

紙の本

2019-12-08 17:49:32 | アート 文化 古美術


この頃の自分の遊びのひとつに、「ブックオフで背表紙を眺める。」というのがあります。
背表紙を見ながら、「昔、読んだ本だよな。もう一度読み返してみたいな。」「読みたいと思ってはいたけど、なかなか読む機会のなかった本だな。」「少し前にベストセラーになっていた本だな。」とか、眺めていると結構、時間が潰れてしまいます。
たまに、装丁が美しくて手にとってしまう本があります。
この本も興味があり、読んでみようと、文庫本は買ってあったのですが、装丁が気に入り単行本も買ってしまいました。
本はやはり紙の本が良いですね。目にも優しいし、紙の手触りを楽しみながら読むことができます。
多くなってくると、かさばり、置き場所に困るのが難点ですが。

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塼 (セン)・飛天

2019-11-28 05:53:40 | アート 文化 古美術


朝鮮半島、三国時代から統一新羅時代の塼(セン)・飛天です。
塼の表面には、浄土の空中を飛びながら、天の花を散らし、天の音楽を奏で、あるいは香りを薫じて仏を讃える天女とされる飛天が、優美に表現されています。
新羅時代の人々の浄土への憧れが、仏教美術として表現されているようです。
眺めていると、新羅の時代を生きる人々の生活の情景が目の前に立ちあがり、そこを吹き抜ける風の香りさえ感じられます。

■塼(セン)とは、中国で焼成されたことに始まる立方体あるいは直方体の煉瓦(れんが)で、黒色か灰色を呈し、城壁・家屋・寺院・墓室の構築に用いられました。秦(しん)・漢代以降は表面に文字や文様を刻んで壁面に用いたものがあり、唐代には浮彫りによる蓮華(れんげ)文や宝相華(ほっそうげ)文などの装飾が施された画像が出現します。わが国へは朝鮮から導入され、仏教建築の建立に伴い、基壇側面の化粧積みや床面に瓦(かわら)とともに利用されました。

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土偶

2019-11-18 06:16:44 | アート 文化 古美術


縄文時代晩期の土偶です。
構造的には、内部に空洞の無い、中まで詰まっている、「中実土偶」(ちゅうじつどぐう)と呼ばれている土偶です。
また、参考資料として掲載しました「土偶・コスモス」 編者MIHO MUSEUM 羽鳥書店 P114 の土偶に類似し、遮光器土偶に似た表現がされています。
形状から、東北地方出土のものと推定されます。
■土偶は 縄文人たちの「まつり」に供された後、そのほとんどが、故意に壊され、捨てられたようです。この捨てるという行為自体に、実は、私たちの意識を超えた、ある特別の意味が込められていたと考えられています。
これは、病気などで異常のあるところの治癒を願って、あえて破壊したとする説もあります。また、ひとつの遺跡から数多く見つかることから、呪術的に使われたものともいわれています。土偶は、縄文世界の祈りの形「ひとがた」に託した呪術具として、縄文人たちの「まつり」において、祈りを受けとめる精霊の「よりしろ」として機能したと考えられています。
背には流麗な線刻の「雲形文」が配されています。祈りの形の象徴を示す土偶です。力強いフォルムを持ち、その愛らしい表情は、傍で、眺めていると思わず笑みを浮かべてしまいます。

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秦秀雄氏旧蔵の志野輪花呼継小皿

2019-11-01 06:07:45 | アート 文化 古美術


秦秀雄氏旧蔵の志野輪花呼継小皿です。
大胆に呼継と金繕いが施されている小皿ですが、志野の味わいが満喫できます。
存在感のある見応えのある皿です。
傍に置いて、眺めるのも良いですが、つまみでも載せて、桃山の気分を味わいながらお酒を呑まれるのも楽しいかと思います。

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李朝黄伊羅保菓子鉢

2019-10-31 05:46:31 | アート 文化 古美術


李朝時代中期の黄伊羅保菓子鉢です。
気品のある黄色の発色、使い込まれた味わい深い表情、景色抜群の器です。
轆轤目が筋立ち、スピード感が感じられる力強い造形となっています。
口辺が描き出す曲線も美しく、見込みの砂目が景色に奥行きを与えています。
荒々しい表情と、引き締まった端正な形を合わせ持ち、魅力的です。
菓子鉢となっていますが、濃茶の茶碗としても楽しめると思います。
眺めているだけでも、十分満足頂ける、鑑賞に耐える器です。

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興福寺絵馬残欠

2019-10-29 06:14:39 | アート 文化 古美術


室町時代後期の興福寺絵馬残欠です。
唐獅子・牡丹などが、生命感に溢れ生き生きと、描かれています。
エネルギーが伝わって来る力強い絵です。
力量のある絵師によるものでしょう。
制作当時は色彩豊かに描かれていたようですが、時を経て、時代の残り香のように色彩が残っています。
木の味わいとともに、風情のある景色となっています。
残欠ながら、その時代の祈りが、形となって見えて来るようです。

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志野向付(梅花文四方抱鉢)

2019-10-23 05:45:45 | アート 文化 古美術


桃山時代の 志野向付(梅花文四方抱鉢)です。
淡雪が降り積もったような、ふんわりとした温かみのある白い釉薬の上に、たっぷりと余白をとりながら、鉄絵で可憐な梅花文が描かれています。
余白にも余韻が感じられ、詩情溢れる絵画を見るようです。
ところどころに現われている赤褐色の焦げ(火色)と、柚子の皮のような肌の表情(柚子肌)とが対比、かつ、調和し、生き生きとした様相を呈しています。
志野ならではの趣きがあります。
内に秘めた力が、うねるように器の端々に表出し、力強い造形となっています。
志野の魅力が満喫出来る、気品漂う、味わい深い器です。

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常滑山茶碗

2019-10-19 06:32:02 | アート 文化 古美術


平安時代末期から鎌倉時代の常滑山茶碗です。
焼き締まり、少し赤味がかった土と、自然釉が織り成す景色が魅力的です。
使い込まれて出来た味わいも、過ぎ去った時代を感じさせます。
見込みが滑らかなので、茶を点てても茶筅を痛めないところもありがたいです。
眺めていても、楽しめる山茶碗です。

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