夜の帳が降りてからは、速度の遅い長いストライドで砂浜を歩く。
月明かりに照らされた、幾億もの細波の音を耳にしながら寄り添って腰を下ろす。
ただそうして、南半球の小さな光で散りばめられた天空を仰ぐ。
見慣れない星座たちの間を、いくつもの流星が縫っていく。
一生の内に、人はどのくらいの流星を見るのだろう。
それはきっと、とても極端な差が生じる経験なのだろう。
一度も見ることがない人もいれば、生きた日数ほど目にする人もいるのかもしれない。
そして、流星を目にした人には、忘れ得ぬ思い出の引き出しを
一夜分は増やしてくれる気がする。
そんな悠久の星空の下で、時間も支配できそうなほどの永遠の口づけを交わす。
一秒が一瞬にも、無限にも感じられる。
自分がそこにそうしていることが、不確かに思えてしまうくらいに、
遠くに運ばれてしまう感覚。
それはきっと、人間が本来持ち得た感覚。
いつからか、厚い扉の向こうに封印されてしまった感情。
決して失ってはいけない尊いもの。
言葉は遊びでしかない。
この気持ちには追いつけない。
彼は、わたしのすべてになっている。
休みの日には、珊瑚の林をふたりで魚になる。
「声も音もないそこでは、人は裸になる。」
そう言った彼の言葉の意味が心で理解できた。
きっと、彼は呼吸さえできれば、迷わず海の中で暮らすことだろう。
それが、彼の求めている自然体なのだろう。
そんな心を潤ませることのできる毎日を、
まるで何かを取り戻すかのように、ふたりで織り込んだ。
月明かりに照らされた、幾億もの細波の音を耳にしながら寄り添って腰を下ろす。
ただそうして、南半球の小さな光で散りばめられた天空を仰ぐ。
見慣れない星座たちの間を、いくつもの流星が縫っていく。
一生の内に、人はどのくらいの流星を見るのだろう。
それはきっと、とても極端な差が生じる経験なのだろう。
一度も見ることがない人もいれば、生きた日数ほど目にする人もいるのかもしれない。
そして、流星を目にした人には、忘れ得ぬ思い出の引き出しを
一夜分は増やしてくれる気がする。
そんな悠久の星空の下で、時間も支配できそうなほどの永遠の口づけを交わす。
一秒が一瞬にも、無限にも感じられる。
自分がそこにそうしていることが、不確かに思えてしまうくらいに、
遠くに運ばれてしまう感覚。
それはきっと、人間が本来持ち得た感覚。
いつからか、厚い扉の向こうに封印されてしまった感情。
決して失ってはいけない尊いもの。
言葉は遊びでしかない。
この気持ちには追いつけない。
彼は、わたしのすべてになっている。
休みの日には、珊瑚の林をふたりで魚になる。
「声も音もないそこでは、人は裸になる。」
そう言った彼の言葉の意味が心で理解できた。
きっと、彼は呼吸さえできれば、迷わず海の中で暮らすことだろう。
それが、彼の求めている自然体なのだろう。
そんな心を潤ませることのできる毎日を、
まるで何かを取り戻すかのように、ふたりで織り込んだ。