はな to つき

花鳥風月

Gravity Blue 59

2012-06-26 06:57:05 | 【Gravity Blue】
訃報を知らせてくれた牧師さんの妹キャリーに、呆然としながらも辛うじて挨拶をすると、
わたしはひとりで教会の中へ入っていった。

冷静になれない頭で、しきりに考えていた。
彼は、そんなわたしをとても気にかけながら、
「すぐに、もどるから。」
と言い、訪問者のもてなしの準備のためにと、キャリーから車を借り買い物へ出かけて行った。

わたしは、どうすればいいのだろう?
彼には、どうすればいいのだろう?
父たちには、会わないほうがいいのだろうか?
会ったほうがいいのだろうか?
何を言えばいいのだろうか?
誰に、何を言えばいいのだろうか?
彼とわたしは、これからどうなるのだろうか?
どうするべきなのだろうか?

わからない。

でも、ここで、3人に会ってしまったら、すべてが逃れようのない事実となってしまう。
それだけは、はっきりしている。
いいえ、すべてなどどうでもいい。
たった一つのことだけが、守れればそれでいい。

彼との時間。

兄と妹という関係ではない、昨日までの関係で続く時間。
それが、永遠に続きさえすれば、他のことは何も問題ではない。

それを守るには、どうしたらいいの?
それは、無理なの?
3人に、会わなければいい?

そう、3人に、わたしの家族に、ここで会わなければいい。
そうすればいい。
会わないためには、ここにいてはだめ。
ここから出て行かないと。
すぐに、発たないと。

でも、彼には、何か伝えないと。