Gravity Blue ４３

そして、わずかなお預け感を残して、皆がほろ酔いの頃、お開きになる。

それも、このパーティーの素晴らしいところ。
後始末も皆で協力して早々に終え、清々しく星空を仰ぎながら家路につく。
どのような不満もない、天晴れな時間。
そんな気持ちで、いつも帰り道をゆっくりと歩いた。

しんとした家の中に入り、遅いシャワーを順に浴びる。
ポッサムが訪れる夜の庭。
冷えたワインで二度目の乾杯をする。
夜風と会話を楽しみながら、互いに１グラス分のワインを飲み干す。
庭の来訪者たちも、おみやげのご馳走に満足しきり。

心も、お腹も、八分目のタイミング。
星空の下、ポッサムたちにお別れを告げて、ふたりでグラスを仕舞う。

心地よい気だるさのまま、月明かりが降り注ぐベッド。
引き締まった長い腕を枕に、瞬く間に眠りに落ちる。
呪文のような疑問とともに。

世の常とは、こういうものなのだろうか。
これほどに、満たされるものなのだろうか。
すべてを、このままにしておけないだろうか。
無理なのだろうか。