2021年8月29日のまにら新聞から
8月29日のまにら新聞から
ボラカイ島をカジノの中心に 一転、新規参入停止を解除 ドゥテルテ大統領
ギャンブルにこれまで厳しい姿勢を見せてきたドゥテルテ大統領が、現政権下で約3年半にわたって停止していた国内カジノ業界への新規参入を解禁した。フィリピン娯楽ゲーム公社(PAGCOR)のアンドレア・ドミンゴ会長が明らかにした。大統領は新型コロナで国庫が尽きつつある事態を強調、特にボラカイ島のカジノハブ化の推進を打ち出した。
大統領は26日夜、事前収録された国民向け演説で「前言と矛盾して申し訳ないが、今私たちは金がない。ギャンブルであろうが何だろうが、金が得られるのであれば、受け取る」と過去のカジノ抑制策の誤りを認めた。「言葉に一貫性がないかもしれないが、政府を機能させるには金がいる。多くの支払いも待っている」とも述べた。
▽上院議員の反対も
28日付英字紙スタンダードなどによると、上院観光委員会のナンシー・ビナイ議員は「(カジノを設ければ)ボラカイ島が求める旅行者とは異なるタイプの人たちが集まるだろう。比旅行業界の要として注いできた努力が水泡に帰しかねず、ギャンブル復活には反対する。歳入を得る別の方法を探るべきだ」と表明した。
2018年4月26日から6カ月間、ドゥテルテ政権は世界的な観光地であるボラカイ島への観光客の渡航を閉鎖し、リゾートホテルなどから垂れ流しとなっていた下水の浄化整備や工事、違法建築物の撤去などを行った。
▽リゾート計画棚上げ
国内企業レジャー・リゾーツ・ワールドとマカオのカジノ運営業者大手ギャラクシー・エンターテイメント・グループが、総事業費5億5千万ドルもの総合カジノリゾート建設を計画していたが、大統領の反対によって18年には棚上げに追いやられていた。
28日の英字紙インクワイアラー電子版によると、PAGCORの新型コロナ前の歳入は年間約800億ペソあったが、昨年は半分以下の300億ペソまで落ちこんでいた。今年の目標は380億ペソ。PAGCORはカジノ事業者の新規受付を開始するとしている。
ビサヤ地方のセブ島では、ドゥテルテ大統領とも近い実業家のデニス・ウイ氏経営のエメラルドカジノ、香港のアジアン・ゲーミング・グループのミレニアムカジノ、ゴコンウェイ財閥のユニバーサル・カジノが、PAGCORの運営免許を取得ないし申請している。(岡田薫)
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