幸せ音色+ ~reach a last Home~

小さな命たちの灯火を繋ぐお手伝い。 捨てうさぎ、保護うさぎたちの里親さんを探しています。終の棲家を求めています。

想定外のことからペットを守るために~熊本地震の体験からvol.4~

2016-06-20 20:25:45 | 熊本地震に伴う…
先日から熊本地震での経験を書き綴っています。

vol.1は【りぼん】編でした。

vol.2は【ラル】編でした。

vol.3は【マリーと琥珀】編でした。




想定外のことからペットを守るために
 ~熊本地震の体験からvol.4~



【聞いた話】

近所の方に聞いたのですが。
膝もお悪いその方は70歳近いおばあさん。
ご家族に先立たれてからは1歳くらいのキャピキャピの柴犬(外飼い)と2人暮らしです。

前震の時、外へワンコと逃げて来られました。
その境遇を知っているのでまた別の近所の方が、おばあさんとワンコを軽乗用車に乗せ一晩そこで
過ごされました。

その次の晩、本震が起こりました。
この日は私は避難所(の駐車場)に行っていたのでどうされていたのかよくわかりませんが、
その翌日、車中泊して寝ているときに車の窓をノックされました。
おばあさんがワンコを抱いて立っていて「車に乗せてもらえないでしょうか」と言われました。

うちには車が4台ありましたが、この地震で1台の車のキーが見つからなくて実質3台を使ってました。
しかし1台には人+うさぎ2匹、別の1台には人+猫、もう1台には人+ラル、それからどの車にも
沢山の荷物が乗っていました。
でも、人1名だけならどうにかなると思い
「うちが1台キーを失くして開けられないので、車が余ってるように見えても使えません。
おばあさんだけなら乗れますので、わんちゃんはどこか近くに繋いでおけませんか?」
と言いました。
するとちょっと考えて
「じゃあいいです、避難所へ行くことにします」
そう言われ、歩いて行かれました。

夜が明け、おばあさんが帰宅され、もう一度「昨夜はすみませんでした」と伝えました。
この時聞いたのですが、本震の晩もおばあさんとワンコは避難所へ行ったそうです。
でも避難所には前震の時からずっと避難してる人もいて、そこへ夜にやってきたおばあさんは
侵入者的な感じなのでしょうか、敵意を持たれるようで
おばあさんのワンコは暴れもせず、大人しく抱っこされていましたがヒンヒンとは鳴いてしまって
「うるさい」とその場を追われたそう。
仕方なくまた場所を移動し座っていたら同じく先に来ていた人から
「うちは赤ちゃんがいるのでちょっと…(困ります)」と言われ、仕方なくロビーの外で過ごされたそうです。

「動物の同行避難は推奨されていても同伴避難とは違う」と話題になっていましたが
「動物はダメ」って言うのは職員や行政側の人ではなく、周りの一般の人たちであるのも現実です。

そんな話を聞いたこともあり、不憫に思ってその日のうちに鍵のレスキューを呼び
運よく夕方には来てもらえそうだったので依頼をしました。
(本当は代車だったので、この状況でなければディーラーにスペアを頼めたんだけど)
なのでその日から何晩かはおばあさんとワンコは車中で寝られました。

この話の核心がどこにあるのか、書いていて自分でもわからなくなるんですが

・ペットがいる家庭での避難は大変、車があった方が便利はいい
・一度「人しか乗せられない」と断ったが、その言葉は正しかったのか、荷物を降ろしてでもワンコも乗せるべきだったろうか
・避難所での居場所について(先着順的に、また1日中そこに居る人が強者となる)ヒトのテリトリー意識
・大人しく抱っこされている犬でも嫌がられるのであれば(犬だけでなく)、吠える子、鳴く子
汚い子、くさい子、粗相しちゃう子はもっとNGと言われる
・(前震の時は)良くしてくれた近所の人だって、時間や状況と共に余裕がなくなってしまうと
その後の対応は違ってくる場合もあるようだ。

自分がその立場になった時、どうしますか?
よかったら一度、考えてみてくださいね。

加えて脱線すると、
支援物資が行き届いてない状況の時に水を巡って
「人の飲み物もないときに動物にやるなんてもってのほか」と言われるそうです。
確かにそうも思います。
なので、人間は物資が届けばある程度はどうにかなりますが、
動物用の水などは(文句言われず与える為には)やはりちゃんと備えが必要なのだと思います。

うちは実は井戸水なので、水道が止まることはなく、電気が止まっても動力は動き水が出ていたので水に困りませんでした。
ただそれもいつ止まるのかという不安はありましたけど…


それから地震の件も落ち着いてきた1ヶ月後ごろ、ラルの定期受診に獣医さんに行き聞いた話があります。
「ラルちゃんは大丈夫でしたか?(震災前と寸分の違いない体重でしたw)
日ごろは元気な子もご飯食べれないとか下痢したとかってことも割とあってたので…
大丈夫ならよかったです。
この震災で日ごろ持病があった子が結構多く亡くなったんですよ。
そして、地震で自分の暮らしも立ち行かなくなった人が『安楽死させて下さい』って健康な子を連れてくる方も
想像以上にいらっしゃって…
重篤な子とかでも安楽死なんて基本的にはやりたくないですからお断りして
『センターへ相談したり里親探しをしてください』って言うと
『もうあんたには頼まん!』って怒って帰っちゃうんですけどね…」
と言われていました。

そういう人が捨てたりするのかもしれないですよね、だからセンターにはあふれている。
でも自分がその立場だったら、どうしたらいいのか本当にわからないですよねって
お話していたんですけど

家も失い、借金しながらこの後の生活を立て直していかなきゃいけない中で
動物を飼うというのは、やはりなかなか大変だろうと思います。
健康なうちはいいけれど、病気したときや老後にかかるお金は「微々たるもの」とは言えないでしょうし。
また、家が全・半壊してしまい自分達がどこかを頼りにしなければいけないとき
「動物まで」とは言えないだろうとも思います。

大きな震災の時は、物件もありません。
安全で動物もOKとなったらほとんど無いかもしれません。
動物と生きていくことはある意味では枷になることもある。
避難生活されているペットのいるお宅のことを思うと苦しくなります。

でも安楽死は―
「飼い主の責任を全う」という意味では間違っていないのかもしれません。
野に放す―
責任は感じられないけど、可能性を信じたいとも思うのでしょうね。

私は運良く周りの誰も、そしてボロボロにはなったとは言え住むところも失ってはいません。
なのでそういう決断は免れましたがその立場になっていたら…
どういう決断をするかなぁ…


後は動物と関係ない話で言えば、

最初の話に近いですが、とある被害の大きかった地区の方が
自分の家は比較的大丈夫だったとのことですが、ご近所は全壊・半壊のお宅もあり
地震直後には閉じ込められている救出を手伝ったり、身を寄せてもらうのに家を使ってもらったり、食料だって分けて食べたりしていたそうです。
でもしばらくして近くの避難所が機能し始めたので移っていかれた隣人達…
避難所で食べ物や日用品を貰って帰ってきても、そこのお家に分けてくれることはなかったそう。

この話も、その隣人が性悪ということではないのだとは思います。
みんなが自分(とその家族)のことで精一杯。
避難所での配給品だって一人1個とか決められてもいるのでしょうから、他のお家の人の分まではもらってこら来れなかったというのもあるのでしょうし…

でも、みんな傷ついてるし疲れてるから、そういったことでも
「もうあの家の人のことは知らない!恩知らず!!」みたいに思っちゃうんですよね、きっと
地震はそうったおかしな軋轢も生むのだなと思いました。


他にはー
野口健さんが益城の運動公園でテント村を作ったことは有名ですが、
そういう場所でなく、一般的な家の庭でテントを張ってた知人が言っていたのは
とにかく気持ちが悪い、と。
旦那さんの会社から割と立派な大き目のテントを2つ支給されたそうで
1週間ほどの車中泊生活からやっと足を伸ばして寝られるー!
と思ってテントの中に布団を敷いて寝たそう。

でも、たびたびドーンと突き上げるように来る余震の揺れを背面全面で直に感じるのが
怖くて気持ち悪くて結局2晩しかテント泊は出来なくて、また車中泊に戻ったとの事でした。

それに…
真夜中(丑三つ時?笑)になるとテントの布1枚隔てた外で、カサコソカソコソ、物音や足音が聞こえるんですって。
それが野良猫なのか狸なのか、また別の何なのかわからないけど気味悪くて確認もしてないっていう話でした。


あとはー

割とリアルな話で言うと、お金のこと。
地震保険は被災状況により支払額が変わるのは当然ではありますが、
聞いた話では支払い時期も(保険会社によっては?)来年の秋になると言われたそうで…
4月に起こった地震の保険金が1年以上、しかもその間に台風の季節も2回来るっていうのは余りにも…
まぁうちは地震保険に加入していないし、直接関係ないのですけど…


それと、これは真偽は明らかではなく、あくまでも人から聞いた話の私の中での統計ですが。
「最近耐震補強した」というお宅や施設の方が激しく損傷している感があります。
古いものに新しいものを加えることで余計にバランスが崩れるのでしょうか…はっきりはわかりませんが、
半壊と聞いたお家や施設が耐震補強していた事も同時に聞くことが多かった印象です。

強さで言うなら波板で作ってある倉庫などが潰れているのは殆ど見かけていません。
ただシャッターが閉まっているとそのシャッターが壊れているところは多かったです。

また1階部分を車庫にしてその上が住居というタイプのお家もやっぱり弱いらしく…
どうしても高さがあると、より振られるので平屋よりも2階建てとかの方が被害があったようですが
その中でも1階部分が空洞だと弱いようで…
(↑上記の住宅のことに関してはあくまで私が知り得た話の中でのことであって、最新の耐震基準を満たしているお宅などはまた違うと思われますけれど…)


あと、避難所ではやっぱり眠れないという話も聞きました。
他人のイビキや、咳をしている人もいるので眠れないそう。
耳栓なども配布されるそうですが、それでも聞こえるそうです。

こんなところかなー


今日は写真が無いので、申し訳程度に…
ある日のラルとリボンの光景など



次回は動物達の総括を





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想定外のことからペットを守るために~熊本地震の体験からvol.3~

2016-06-15 19:40:11 | 熊本地震に伴う…
先日から熊本地震での経験を書き綴っています。

vol.1は【りぼん】編でした。
vol.2は【ラル】編でした。


想定外のことからペットを守るために
~熊本地震の体験からvol.3~




【マリーと琥珀】

前震の時、私でさえ生まれて初めて体験するあまりに大きな揺れにそれこそ動揺を隠せず
ずっとテーブルの下にいました。

前震と本震。
夜に起こったあの大きな揺れは、「揺れている」というような生やさしいものではなく、
悪意を持った何者かに「揺さぶられ続けている」というのが最中に感じていたことでした。
或いは、ドッキリとかの企画でもあるかのような。
なので、「もう、お願いします、ごめんなさい、堪忍してください」
誰へともなくそんな風に思っていたのでした。

自分達の中ではそれが一体どれくらいの時間だったのかも定かではありません。
揺らされているときは永遠に止まないんじゃないか、このまま家が崩れて死んでしまうかもしれない
とも思いました。
それでも落ち着いて今振り返ると、体感的には1分以上あったような気がします。
けど、実際はもっと短かったのかもしれません。

まぁそんな中、うさぎ達はと言いますと…
時計やカレンダー、温・湿度計、計量器、色んなものが落ちてきたり落ちていったりするわけです。

でも、そこはケージがちゃんと守ってくれます。

色んなものが倒れたり落ちてきたりする物音に最初はビックリして固まっていたうさずですが、
余震はガンガンに続くので途中から琥珀はもう慣れて普通に牧草食べてゴロゴロ出来るようになってきました。
マリーはやっぱり怖いんでしょう、足もダンダンやるし、何も食べないし。
でも朝方には余震の頻度と強さがおさまってきたので、マリーもその頃には牧草を少しずつ食べられるようになっていました。

なので私は中でうさぎ達といたり、外で家族や犬達といたりしていました。前震の時は、ね。


本震は真夜中。1時過ぎてでした。

その瞬間の私は、前震の影響もあり、夕方認知症の祖母が徘徊して行方不明になり探し回っていたことなどもあり、お風呂も入らずくたびれてソファでうたた寝していました。
でもこれがね、のちのち考えれば不幸中の幸いだったのです。

電気もつけっぱで寝ているところへまたしても突然の大きな揺れ。
耳元で鳴り響き始める携帯の地震アラーム(揺れより地震アラームの方が遅い)
うるさいのもあって、とりあえずその携帯を握り締め揺れがおさまるのを待つ。
昼間せっかく片付けた棚も家電も再び倒れたり落下してくる。
同じくつけっぱなしのテレビが地震を報じ、さらに今回は「津波警報」とも言っている。

「逃げないと!」本能的にそう思いました。
とは言ってもうちは高台で、避難所に指定されている場所は近くで高さも変わらない。
でも、そういう場所にいないと何かあっても救護や支援がされないだろう。そう思いました。
地震だけならうさぎは置いておく、でも津波がきたらケージの中では助からない。

うさぎは環境変化に弱いから連れて行っても逆に弱らせる可能性だってある。
そういうことだって、十分知ってるわかってる。でも…

「マリー達も連れて行く」家族にそう言いました。
「そう判断したならそれがいいと思う」家族はそう言いました。
私はパニくってわけがわからない状態だったけれど、とりあえずうさぎの避難の用意を
家族は犬や身の回りの物を用意をして車に積み込み、避難場所へ出かけました。

でも父母は行かないと言います。
祖母(認知症)がいるから行っても大変になるだけ。
幸い家はどうにか入れるし家の近くにいればトイレにだけ帰ることができるから、と。
確かに、その時避難場所で一度だけ仮設トイレに行きましたが行列で。
自分の番がいつ回ってくるかも読めないし(並んだ個室次第、人の大小の都合次第)
しかも真夜中、トイレの明かりは点いている秒数が決まっているようで途中で切れたりもします。
また使い方次第で詰まりやすいので、せっかく並んで「そろそろだ」という時に詰まってしまったり
紙切れだったりすると入れず並びなおしすることにもなります。
そんなところへ祖母を連れて行っても、確かにトイレに苦労したでしょう。

後からテレビやラジオで盛んに
「熱中症やエコノミークラス症候群予防のために、水分はしっかり取りましょう!
トイレが遠いからって飲まなかったりするとだめですよ」とかって聞くんですけど
トイレが遠いからというだけの話じゃなかったのですよね。
行列に並んでもいつ入れるかわからないという恐怖ってありますよね…

話が逸れましたが、そんな感じでラルとうさぎ達と妹と避難所の駐車場で一晩過ごしました。
避難所内に入るという選択肢は全くなかったです。
もしかしたらラルはギリギリOKかもしれなかったですが、うさぎ達をああいう空間に置くという考えはどうしても出来なくて…
なので朝を待って家へ帰りました。

この時うさぎたちは2匹まとめてキャリーに入れていました。
狭いけどキャリー2コ分を連れまわす大変さも、慣れない環境で別々に居させることもプラスではないという判断でそうしていました。
でも、少し落ち着いてくると「やっぱり狭いよねぇ」と思い始め、
部屋にもう1つのキャリーを取りに行きました。
そしてマリーと琥珀を分けて入れました。
その日、結局キャリーの中で過ごしていたけど琥珀はほぼ飲まない食べない。マリーはペレットを少し食べました。
キャリーを取って来たときに、うっ滞の時の薬やお灸も取ってきていましたが、今回は精神的なものだし
いつまでこういう生活が続くかわからないのだから慣れてもらうしかないもんなぁと考え、使ってはいませんでした。
(本当のうっ滞の時のために大事に残しておかないと、という意)

でも、また翌日になっても2匹は積極的に何も食べようとはしません。
水分も取れていないので、冷蔵庫を物色。
そしたらちょっとしなびて元気がないけど白菜が見つかったのでそれを入れました。
これにはマリーが喜び完食。でも琥珀は少し齧っただけ。
食欲はないものの、キャリーを開ければすり寄ってくるし、元気はあります。
でもやっぱり環境についていけてない。

考えた結果、やっぱり1つだけ琥珀の方のケージを運び出そうと思いました。
そして2匹入れてこうと。
実際それを実行し、一緒に入れたことでおそらく少しは安心したんだと思います。
いつものケージ(マリーは元々よく琥珀のケージに入っていたし)に2匹で居られて。
お互いに頭を舐めあっていつものように寄り添って。
それでも食欲はやっぱりあまりなくて、ちょっとずつ牧草を食べるくらい。水は減らない。
でも外で生活してますと、時期的に野草が沢山生えていることに気づきました。

ハコベ・オオバコ・タンポポ・ノゲシ・カラスノテッポウ、名前はわからないけどイネ科の色々。
それらを摘んであげると、これは大ヒット!
元々春にはそういうものをよく食べさせていたのもあって、大喜びで平らげました。
そこで少しだけ安心。全然食べらない状況は脱した。

朝方の肌寒い間は車中に置き、気温が上がり始めたら玄関のポーチへ。
午後からは日が当たるので玄関の内部に動かし…
夜になったらケージごと車に入れて…

そんなことをしていましたそんな中で
「熊本は今夜は冷え込みます、7℃まで下がる予想です」と天気予報が。
その日の日中も気温が上がらす13℃でした。
車のエンジンをかけたりしながら調整はしてましたが、うさぎのケージ内は13℃から上がらず…
どうしたものかと悩みました。
1匹じゃない分くっついて暖めあうことは出来ていると思うけど、寒いとマリーがお腹痛くなりやすい…

今夜を乗り切れば暖かい季節に向かう一方かもしれないけど、そうじゃないかもしれない。
でも今夜終わったとしても、いつまでこんな生活が続くかわからない中では
雨だってとっても暑いだって日だって出てくるだろう、そういう時どうするの、私

いや、でもだからといってどうすることも出来ないじゃない
自問自答・葛藤、そんな気持ちでいた私に1通のLINEが。
前出の福岡のYちゃんたちの2回目の来熊を知らせる内容で、ラルのフードのサンプル持って行きます!
他に必要なものは?

これで踏ん切りがつきました。
もう私にはどうもしてあげられないのだから、避難先を探して預かってもらうことがこの子達に今してあげられる最良の事だと。
環境が変わって可哀想?今だって十分いつもと環境が違うじゃない。
飼い主(私)いなくて可哀想?
イヤイヤ大丈夫!うさぎだって犬だって慣れたら環境に順応できる、他の人にだってちゃんと慣れる!!
そんなの今まで譲渡してきた子達が一番示してくれたじゃない。
別に捨てるわけではない、見限ったわけではない、安定して過ごして欲しいからの決断。
そう自分に言い聞かせて、ある方に連絡をしました。

どんなに思っても、離れて自分の目の届かないところへお願いするこの状況。
そんな中でも、出来れば何度かマリー達に会ったことがあって、うさぎの扱いにも生態にも精通していて、
連絡もきちんと取れて、3匹までは多頭の飼育経験もあって、
かつ「もし万一が起きたとしても、預けたことを後悔しない」相手。
そんな人に1人だけ心当たりがあったんです。

それが過去に叶子(かのこ)ちゃんの里親になっていただいた福岡のKさんファミリー

一家揃ってうさぎにベタ惚れで、物凄く愛して可愛がって下さるし、昔一時期、福岡遺棄うさぎだった結ちゃんも預かっていただいてた実績もあるお宅。

奥様と娘さんは動物愛護にも熱心で、娘さんは将来獣医さんになってうさぎさんを治したいと言ってたほど。
残念ながらかのちゃんはもう亡くなってしまいましたが、その後もかのちゃん愛から他のうさぎさんを迎えられないでいますと聞いていました。

電話で事情をお伝えし、今日か明日からでも預かって頂く事は可能でしょうか?
しかも期間もいつまでとも言えないのですが…と言いました。
そのお答えが
「いいんですか?大事な2人(匹)をうちで?」と言ってくださり(笑)即決。
Yちゃんたちに「うさぎ達を福岡に運んでもれえないか」と相談したらこちらも快諾。
ホッとして力が抜けました。
これでもう大丈夫。

夕方遅くに無事受け渡し完了との連絡をもらいました。
Yちゃんたちの車には犬がいたはずで、そのワンたちと相乗りになってしまうので怯えてしまうかな?
というのが最大の心配ではありましたが、夜に届いた写真では
着いてすぐだったというのに部屋んぽ(この日は探検的な感じかな)を楽しむ2匹の姿が。



4日ぶりのお散歩だもんね、嬉しかったよね…
安堵と寂しさで胸が熱くなりましたが、これでようやく私も作業や仕事に集中できるようになりました。

今でも時々メールをいただきますが、快適な環境とご家族みんなからの愛情をかけてもらえて
落ち着いた顔で仲良く過ごせているようです。
Kさまご家族にもまた足を向けて寝られません。本当にありがとうございます。



これは提言ですが

【うさぎを愛しているならば、ケージで飼いましょう】

「うさぎをケージに閉じ込めるのは可哀想だから部屋で放し飼いをしてます」
そんなことを言う方がいます。

でもね、突然のこういった災害(特に起こる予測がつかない地震)の場合、
人間、自分のことで精一杯です。
瞬間的にうさぎをーとは思えないし、立っていられないくらいなのにうさぎを捕まえるどころじゃない。
うさぎだってそういう時は平静じゃないわけだし。
しかも同時に停電だってするんです。暗闇で探して捕まえられますか?
聞いた話では猫たちも一斉にどこかへ隠れるそう。
会社の方の猫はソファの下へ、妹の猫は下駄箱下に逃げ込んだらしい。
うさぎだってそう。
逃げたらなかなか捕まらないしその間に物が落ちてくる倒れてくる。
その状態を解決してくれるのがケージです。

それに場合によっては窓も割れます。そしたら外へ逃げ出す可能性だってあるはずです。
ケージであれば無事かどうかも一目瞭然だし、万一私のように誰かに預けることになった時、
(もしくは預け先もなくて避難所に避難したり動物預かり所に預ける時)普段ケージ飼いでなければ
うさぎにかかるストレスは計り知れないです。

地震後手元に置いている間、マリー達に部屋んぽさせてあげられないことでストレスだろうなと思っていましたが、
もし普段が放し飼いだったらその比ではないでしょう。

人生本当に「まさか」が起こります。
その時どうするか、どうできるか、想定を超えてきます。
なので、まさかの時にも少しでもうさぎ達が安心できるよう、
飼い方というものの本質を見つめなおしてみてください。

まぁでも、ぶっちゃけ言いますとね。

「うさぎは避難生活中は飼えない」

そう思っていただいて間違いないです。

どんなにエサをたらふく用意していても食べないし、エアコンの設定や(うさぎの)ヒーター設置が出来ない状況では
かなり厳しいです。
そして、そういう時は基本動物病院だって被災していてすぐ診てもらえるわけでもないかもしれない。
犬猫だったら他の病院でも何とかなる場合はあるけど、うさぎは診れる病院の絶対数が少ないわけですから。

なので1,2日くらいで戻れそうな状況でなければ、誰かに預けるということも念頭に置いて下さい。
そして日ごろからそういう信頼関係をどこかで構築できるようにSNSなどで人と接することも必要なのだと思います。
ただ、預ける時にはやっぱり最悪の場合もありえることを覚悟はしなければいけない。
預かった方を責めることはできないから、それだけ信頼できる先があると良いのですが…

そして、本来は。
私は、自分が「預かれます」という立場でいるつもりだったんです。
預かりボラや移送ボラをしようと日ごろから考えてはいたんですが、まさか逆の立場になるとは
正直思ってもみませんでいた。

これを読んでる方だってきっとそうでしょう?
今回熊本で地震があって、動物を「助けたい、手伝えることは?」って。
私もそう思っていたのに今回人を頼りにすることになって色々考えました。
自分が情けなかったし、何も出来ない無力感も相当ありました。
なので頼らねばならない時、非常事態の時に備えてどうあるべきかを日頃から考えておく必要があります。


6/12先日マリーと琥珀をお迎えに行き、一緒に暮らせています(6/15現在)

一緒に暮らせるというのは幸せなこと♡


次は地震の時に知ったこと。

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想定外のことからペットを守るために ~熊本地震の体験からvol.2~

2016-06-13 18:47:03 | 熊本地震に伴う…
先日から熊本地震での経験を書き綴っています。
vol.1は【りぼん】編でした。




想定外のことからペットを守るために
 ~熊本地震の体験からvol.2~



【ラル】


ラルはご存知、シェルレス(シェルティ・レスキュー)の元保護犬。


私が3年前に保健所に引き出しに行って丸3年が経とうかという時期に今回の地震に遭遇しました。

保護当時から皮膚の状態が悪かったり、足の裏を痒がったり、お腹を下す事も多かったのですが
正式にアレルギーの検査をしてみたところ、実に色々と避けるべき食べ物が多い子なのだと判明。

それが判明してからは、その食品を避けることで皮膚や足やお腹、どれも非常に調子よく過ごせてきました。

ラルが食べられないものは
トウモロコシ・米・玄米・じゃがいも・にんじん…

これがねー
意外とドッグフード選びに試行錯誤させられる理由。
まぁ糸目をつけないならば、沢山選択の余地はあるのかも知れないけど…
私の懐事情に(他にもラルには薬代、サプリが数種、ウェットの缶詰代etc.と割とお金がかかってるので)
見合うのはカリフォルニアナチュラルというものだったんですよね。

それの「カリフォルニアナチュラル グレインフリー(穀物不使用)」というものを
鹿肉だったり、ラムだったり、カンガルーだったりとローテーションで食べさせていたんですが
(同じものを食べ続けると、それもまたアレルゲンとなることが起こりやすくなるので)
輸入中止となり、もう手に入らない。

それで探して探してようやく見つけたのが「プリンシプル グレインフリー」
基本楽天で買いますけど、それでも取扱い店はそう多くない。
熊本でなんてきっと売ってない。(というか私は知らない)
そのプリンシプルにちょうど切り替えたところで、りぼんにも同じものをあげていたので
そろそろ注文しておかないといけないなーと思っていた矢先、今回の地震。

全く残りがないわけではないけど、今回の地震で道路が寸断されたり陥没・隆起・地割れでボコボコしてる被災地に注文して届けられるのはいつになることやら…

困ったなぁと思っているところで、前回の2人から「熊本行きます」連絡があり、
「フード大丈夫ですか?」とも聞かれたんだけど
これも悩みました。

大丈夫じゃないけど、なんでもいいわけではないし…

一応、アレルゲンのこととプリンシンプルをあげてることを伝え、福岡で探してくれることになったのだけど
やっぱりないとのことで…
「うちのアカナ持って行きます!」と言ってくれました。
アカナ…高級フード…申し訳ない、でもありがとう。
お礼を伝え、リボンの引渡しと同時にアカナを頂きました、届いてびっくり13Kgも!!
申し訳なさMAXすぎる…

こういう時はどうすればいいのか、本当にわからない。
緊急時で人間だってカップ麺食べて過ごしてるときに犬のアレルギー気にしてる場合かって。
アレルギーと言っても発作起こすタイプのものではないわけけだし…
でも、これでやたらのものを食べさせて具合悪くなったら可哀想だし…
本来なら、もっと沢山ストックをしておけばよかっただけの話ではあるけど

しかし、これで当面の危機は脱せました。

その矢先、本震が起こりました。
これで、ダメ押しとばかりに家や道路の損傷は一層激しくなり、建物の崩壊などで通れない道も出てきました。

YちゃんとMさんが来てくれていたことに本当に感謝です。

その2日後。
またもや2人から「明日熊本行きます!」という連絡が…その上
「(北九州であった)ドッグフェスでいっぱいプリンシプルのサンプル貰ってきたので持って行きます!」
とのこと!!
すごいー!
買って持ってきてもらったら、助かるけど気も遣う。
けど、サンプルだったら♪
小分けなので鮮度も保てて、家に車に分け置くにも便利がいい、すごい。

しかしなんでしょうね、こういうのって。
シェルレスと関わっていなかったら知り合うこともなかった2人。
しかも今回の案件がなかったらそう仲良くもなっていなかったであろう2人が熊本まで来てくれる。
それも私のためにわざわざだったら申し訳ないばかりだけど、(私と)同じ町にお友達がいるからっていう
ありがたさ。
そして手に入りにくいにもかかわらず、ドッグフェスがたまたまあり、それに参加していてくれてたから
GETして届けてもらえたドッグフ-ド
奇跡と言うのかご縁というのか…もう「ありがたい」以上の言葉はないです。

さらに、ラルの為にとヤギミルク(粉)も支援してくれました!
いつもはウェットとドライのMIXフード食べているラルが、地震後はドライだけあげていたので
きっと物足りない思いをしていたでしょうが、この日から栄養満点のヤギミルクごはんになりました☆


他にもバナナやキウイ、栄養ドリンクやペットボトルのお茶、青汁、焼き菓子や唐揚げ(笑)
ボディシートやウェットティッシュ、拭くだけコットン、ラルのおやつやオモチャまでいろいろと!!
言葉に尽くせないけど、本当に本当に涙が出るほど2人に助けてもらいました。



時々リードを外してあげると喜んで家の周りをビュンビュン走り回って超ご機嫌さんのラル
(逸走と安全面の対策をして家の敷地に放しています)




ラル、りぼん、シェルティレスキューに関わったことで生まれたご縁に感謝です。
シェルレスの代表には「ラルの恩返し」と言われましたけど、
これからこのご恩をまた少しずつ、どこかでどんな形かで返していけたらと思います。
まずは、身辺の立て直しですけど。

そしてね、ご縁を感謝することはこれだけでは終わらないんですよね。
今度はうさぎ達のことについて、です。



本震から10日後のラル。
車庫暮らし(昼間は)のせいで随分と薄汚れてきました


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想定外のことからペットを守るために ~熊本地震の体験からvol.1~

2016-06-10 21:18:43 | 熊本地震に伴う…
今回の熊本地震を受けて、初めて「被災者」となって思ったことをつらつらと書いてみようと思いたったのですが、
これがまぁ結構な長文になりましたので8回とかに分けてUPしますね。



想定外のことからペットを守るために

 ~熊本地震の体験からvol.1~


まず前もって大まかに説明しますと、

前震(4/14)の時は家の外に避難しました。
本震(4/16)の後は、一旦は避難所の駐車場まで行き夜明けと共に家に戻りました。
戻っても基本は昼間は家の片付けをし、夜になったら車中泊。そんな生活を10日ほど続けました。
それ以降も家の中でも靴を履いたまま、布団に寝ることもなく枕元に懐中電灯と500mlの水
スニーカーを置き、畳の上に雑魚寝していました。
4週間目に入ったあたりから布団に寝るようになりましたが、それでも今でも普段着で
靴と懐中電灯は相変わらず頭上に置いています。



このブログなので、まずは動物達のことを…


【りぼん】

前震と呼ばれるものからも本震と呼ばれるものからも、もうふた月ほど経ちました。
最初の地震の日、私のところにはうさぎのマリーと琥珀、シェルティのラル、
それから崩壊ブリーダーから保護してきたばかりの「りぼん」というシェルティがいました。

しかし、6/10の現在、いま私のそばにいるのはラルだけです。
と、言っても地震でその身に何かあったというわけではないです。

今回はまず、りぼんのことから…


この子はシェルレス案件で前震の2日前に福岡のブリーダーのところへ引き取りに行きました。




その時にMさんという福岡在住の女性と行き保護した子です。
りぼんは頭は悪くないんだけど、若いので元気いっぱい!
お散歩も下手くそなんだけど嬉しくてしょうがないのでピョンピョン大はしゃぎする子でした。



前震に見舞われた後、うさぎ達は部屋に残しましたが
犬達と人間は外へ避難しました。
前震の後は、それはそれは何度も何度も大きな余震がしょっちゅう起こっていました。
前震の後から本震の間で一番大きかった余震は震度6強。
それが4/15になったばかりくらいの時間に起こりました。
ドーンっという音と共に屋外でも立っていられないほどの大きな揺れ、一斉に鳴るみんなの地震のアラーム音
隣家の瓦がわらわらと落ち、電柱が傾き…
その時りぼんのリードを握っていた妹が腰を抜かしてしゃがみこみ、
その一瞬リードを緩めてしまったので、反射的に私はリードを掴みました。

その後は朝まで犬達も含め車中で夜明けを待ちました。

そんな状態を心配して県内だけでなく、全国のたくさんの友人、知人から心配の声を
いただきました。
その中でも、シェルレスを通じて知り合った北九州のYちゃんと先日一緒にブリーダーの所へ行ったMさんが
なんと熊本、しかも私の住む町へ緊急に来てくれるとの連絡が!

この2人とは(Yちゃんとは以前から知り合いではあったけど)福岡の崩壊ブリーダー案件から
最近急速に仲良くしてもらっていたところで。
(本震のあった翌日に)北九州で行われるワンコのフェスでゆっくり会えるのを楽しみにしていたところでした。
そんなやり取りの中で判明していたのが、2人の知り合いの犬の訓練士さんが私と同じ町に住んでいるという偶然。
その訓練士さんも避難所生活になるとの事でその方のワンコを保護しに行く、
なので必要なら声をかけてね、と…


そうは言われたんですけど…
うちはみんな避難所に行くほどの状況ではない、なのでそんな中で保護してもらうべき?
今後他の家のワンコにもそんな話が出てくるかもしれないのに
そんな葛藤がありました。

色々考えました。

本当は翌週末関東に送る予定のりぼん。
でも、この時点では熊本空港は閉鎖中。翌週までに復旧しなかったら?
今りぼんは管理できているけど、万一逸走させてしまったら?
ここが家なわけじゃないりぼんはおそらく自力で戻っては来ない。
しかも一人で外をふらつくと散歩にも慣れていないこの子は車に轢かれる可能性も高い
(道だって人間だって正常な状態ではないし)
かつ迷子札もつけてない、マイクロチップも未装着、ワクチンは打ったけど狂犬病はまだ、
もちろん避妊手術も未実施。

この状態で逃げたらもう、りぼんを無事に取り戻せる自信がありませんでした。

「りぼんをお願いします」
そう連絡しました。快諾のお返事が来ました。
その日中に2人が保護に来てくれ、福岡から関東へ送り、預かりさん宅へ。

肩の荷が下りました。

そしたらその夜中、本震に見舞われたんですよね…

りぼんを預けて正解だったと心から思いました。
りぼんはいい子で、地震を怖がって鼻鳴きしてはいましたが人に抱っこされるとそれも止み、
車に乗せるとウザがるラルにお構いなしに甘えてもたれて爆睡…
神経質さはなく、環境にも柔軟に対応できていました。
でも、できるだけ怖い思いなんてさせたくはないですし、本震の時に関東に行けていて
本当に良かったです。

りぼんの仮名の由来は「re-born」
保護され、新しい犬生を生きるシェルにつけたとっておきの名前です。
今はまだ医療措置などを受けながら家庭犬修行中の身でしょうが
新しい犬生をめいっぱい幸せに生きてね。
明るくていい性格なので、ある程度どんなところでも上手くやっていけそうな子でした。
りぼん預かり先→ (。・_・。)ノ{晴れるやチャンス 2






次回はラルのお話です

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