病院から電話があり、血圧が下がってきているので今夜が山です。
付き添われるなら付き添ってください。と。
急いで、お会計をして、タクシーを拾おうとしていると、また入電
急いでください。と。
タクシーの中から弟に連絡して、向かってもらう。
病院に着くと救急の入口から、急患の間を走り抜けて病室に急ぐ。
「あぁ、テレビや映画でよく見かけるシーンだけどこうやって本当に走るもんなんだなぁ、、、、」とぼんやり思った。
走っても走ってもなかなか病室に辿り着かない。
真っ暗な病院が怖いとか、不気味だとかは全く思わず、ただ全力で走った。
早く着きたいような、着きたくないような。
到着すると、すでに波形は心停止を指していた。死亡宣告には弟の到着を待つ。
その間、父に電話をかけ、スピーカーホンにして母に言葉をかけてくれと頼んだ(生きてる設定で)
わたしは、驚いた。涙がひっこむほど驚いた。
「お母さん、おい、聞いてるのかこのやろう!許さねーぞ。おい、行くんじゃないよ
てめえこのやろう。しぬんじゃねぇ!
おい、このやろう。ふざけんじゃねーぞ。ばかやろう」
臨終の際に、混乱からだとしてもこんな言葉をかけられて終わる人生ってなんなんだろう。
わたしは、たとえどんなに愛されてても絶対に嫌だ。不愉快だった。
看護師も本気で怯えていた。
リリーフランキー原作の『東京タワー』のおとんみたいな人だったら、
これも愛情の裏返しみたいな気持ちになれたかもわからないが、父のその言葉は身勝手で、自分のことしか考えていないわがままなモラハラ男そのものだった。
わたしは絶対に母に聞かせたくなくて、スピーカーをオフにして母にお疲れ様を。
本当にお疲れ様。
綺麗に旅立とうね。
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