ハレノクニでワイン

11年間の島暮らしから、ワイン農家を目指して山暮らしへ。
グッドライフを探す旅と美味しいものを綴ります。

人に会うことの喜び

2023-05-18 | 暮らしの日記

5月初旬、友人が遊びに来てくれた。

彼らと飲もうと思っていたワインと、彼らが飲もうと思って持ってきてくれたワイン。

今年で25年のつきあいになると、飲みながら気がついた。

 

私を岡山に導いてくれた方から教わった、イタリアのシェフがやってるピザのお店に行った。

友人夫妻は昨年イタリアに行ってきたばかりだと言う。

現地の空気を思い出し、良い時間が過ごせた。

 

近所の温泉に浸かった。

「最近、なに聴いてる?」

共通の友人である、温泉が好きな友人の顔を思い浮かべ、彼が遊びに来たらここに来ようと思った。

 

一日の差で間に合わなかった、これまた別の、共通の友人が焙煎したコーヒー豆が届いた。

ロースタリーを始めると言って、ずいぶんと時間は経ったけれど、ついに彼はやった。

毎日の朝が楽しみになった。

 

友人が関心を寄せている作庭家の手によるお庭が近くにあると知り、一緒に見せてもらえることになった。

近くで暮らされている方のお宅に、これほどの庭があろうとは。

見せていただくのみならず、大変なお心遣いをいただき、素敵な話を伺うことができた。

おかげで新しい関心ごとが自分の中に芽生えた。

 

こんな風にそれぞれの人が日々積み上げていることが、人と出会うときに混じりあう瞬間が好きだ。

 

だから、日々を納得のいくように過ごそう。

次に会うときまで。

 


youtubeで字の練習 書道家 東宮たくみさんの書道教室

2023-03-13 | 暮らしの日記

息子の字が汚いのを思い悩んでいたところ、youtubeで解決できた話。

最初の文章に書いたことが今日の話のすべてなんですが、息子の字が汚いんです。

かくいう私も字が上手だとは決して言えず、綺麗な字を書く友人をうらやましく思って

何で子供の時に習字に行かなかったのかと後悔していました。

だから、息子には習字に行ったらいいよーと勧めるのですが、全然のってこないんです。

いや、それどころかあんまりしつこく言うとポロポロと涙をこぼして拒絶するんです。

 

これまで字の練習帳的なやつを買ってみたり、お母さん自作の漢字練習に励んできましたが、

思うような成果にはつながらず。

 

 

今までの方法がダメだったらなんか方法を変えてみなくちゃ結果は変わらない、というわけで

ググって見ると、「子供はなぞり書きが大嫌いで、いくらやっても絶対に字が綺麗にはなりません。」という文章に出会い、

「きれいな字を書くためのポイントを知ることが大切」で、「そのうえで人が書く動作をみてまねる」のが近道だという。

ならば、とyoutubeで検索してみると結構動画が出てきます。

なかでも平仮名から小学生の漢字まで広く動画を作られている書道家「東宮たくみ」(とうぐうたくみ)さんのチャンネルが良さそうだと辺りを付けました。

 

そしたらなんと!

開始5分できれいな字が書けちゃいました。

課題を抱えていた息子だけでなく、私も、次男も、果ては妻までみんな字が綺麗になっちゃいました。

もうこれ、全国の小学校で必修にしたらいいんじゃないかと思うくらい素晴らしい動画です。

同じようにお子様の字に悩んでいる方や、どうも平仮名に自信が無いという方はぜひ試してみてください。

 

我が家では初日に「あ行」、2日目に「か行」という感じで進めていて、最初に前日の復習を入れています。

目に見えて上手に書けるようになるので、楽しくどんどんやりたくなります。

 

ちなみに、最初の画像の右側が長男で、左側が私です。

なぞらなくても書けるんですね~。

 

いやー、便利な時代になったもんです。

やる気があれば、何でもできますね、ほんと。

 

 

 

 

 


吉兆と寒九の雨

2023-01-20 | 暮らしの日記

先日家でお気に入りの生産者「ドメーヌ・グラムノン」のワインを飲んでいると、

ボトルから何かがグラスに転がり込んできた。

(↑フランス ローヌ地方で「シラー」という品種の葡萄から作られたワイン)

昔ながらの醸造方法でワインを造っている場合、醸造の過程でできる澱とよばれる沈殿物は

除去しない場合が多い。

なので、澱には慣れているが固形物は初めての体験だ。

グラスを飲み干した後よく見てみると、どうみてもブドウだ。

口に含んでみると、ホロっと崩れてしまった。

澱が固まっていたようにも思えるし、4年間の時を経たブドウのようにも思える。

 

ワインを瓶詰したあと、樽には澱や葡萄が残っていることはままあるので、

どのような瓶詰機を使うかによるが瓶に入る可能性がゼロではない。

その確率を考えると、なんだか吉兆のように思えてくる。

酒の神「バッカス」からいただいたお年玉のようなものだろうか。

 

それから、吉事がもう一つ。

寒九の雨といって、二十四節気の「小寒」から9か目に雨が降る年は豊作になるという。

この言われ自体を初めて知ったのだが、数えてみると1月13日に降った雨はそれにあたりそうだ。

先人たちが寒さの中に明るい兆しを見出していたように感じられ、

その心に少し共感してしまった。

 

ともあれ、今年もいい年になりそうだ。

人事を尽くして天命を待つ、ようにしたい。

 

 


小便器の存在意義

2022-12-24 | 暮らしの日記

齢43にしてようやくわかった小便器の存在意義、の話。

 

新しい家にはトイレがたくさんある。

大便器×3,小便器×1。

4人家族なので、全員が同時にもよおしても大丈夫だ。

引っ越してきたときにはこの小便器が故障していたので、

前オーナーの手による木製ケースによって覆われて使用禁止となっていた。

引越して3か月目、水道屋さんに見てもらってただの詰まりであることがわかり、使えるようにしてもらった。

というのも、これまでの暮らしの紆余曲折を経て

小便器の存在意義について深く理解することができたからだ。

 

私は小さいころから「マンション暮らし」しかしたことが無かった。

福岡→綾瀬→鶴見→保土ヶ谷→西宮→保土ヶ谷までが家族での生活、

一人暮らしをした目黒、家族をもってからの不動前、綱島、すべてが集合住宅だった。

そして30歳の時に移住した島根県の離島、海士町で初めて戸建て生活を経験することになった。

しかし、海士町では「下水道」が施設されている町営住宅に住んでいたので、排水について特に意識することなかった。

 

今年の4月から約半年間生活させてもらった吉備中央町の「お試し暮らし住宅」は、戸建ての「汲み取り」だった。

トイレはいわゆる「ボットン」ではなく、簡易水洗なので普通の洋式トイレとそう変わらないが、

人生で初めての汲み取り。

いろいろ、衝撃的だった。

まずは、何がしかのトラブルで500ℓの便槽がすぐにいっぱいになった。

この時は海士町で汲み取りに携わっている友人のアドバイスでなんとか乗り越えることができ、

「汲み取り」世帯別平均使用量や注意点などについて学ぶことができた。

その後はざっくり4人家族で月に3~4千円が処理費用としてかかった。

流したものがすべて費用に変わるので、無駄に流さないことを学んだ。

便槽から空に向かって伸びているパイプが「臭突」と呼ばれるもので、先端のファンが壊れていると

匂いがなかなか悩ましいということも学んだ。

 

そして、現在の我が家は「単独浄化槽」式である。

(ほんとは「合併処理浄化槽」だと聞いていたので、「あれっ?」という感じだったのだが、それはまた別の話。)

汚物を浄化槽が処理してくれるのでランニングコストは年に一度の点検費用くらいと思っていたのだが、

業者から聞いてみると、日常の点検とメンテナンスに結構コストがかかるのである。

ここでもこれまでの方式とは理論も設備も費用も異なり、海士町の友人に助けを求めて一から学んだ。

 

生活していくうえで必ず出る排水をどのように処理するべきかは、

住んでいる地域の条件によって規定される部分が大きいと思う。

都市に生活していれば、排水について意識することもほとんどなかった。

しかし、いろんな条件で生活してみた現在では、排水を「減らす」ことと「汚さない」ことが

もっともコストが低い暮らしにつながるという当たり前の考えに至った。

 

その上で、我が家は男子3人である。

一日にするおしっこの回数たるや、かなりの数に上る。

大便器で流す水量は、節水タイプでも5ℓ以上。

小便器では1ℓ程度。

 

なるほど、だから田舎の家や民宿に行くと小便器が必ずあったのね、と合点がいった。

ゆくゆくはバイオマストイレなどの選択肢も視野に入れつつ、

今は小便器の存在意義を噛みしめながら湯気の立ち上る冬の寒さを噛みしめています。

そして、家の中に有るのに凍結防止ヒーターを設置しました!

この投資もきっといつか回収できるはず。。。

  

 

 

 

 

 

 

 

 


2022年の初雪

2022-12-22 | 暮らしの日記

岡山に引っ越してきてから初めての雪が降った。

12月17日の夜から翌朝にかけてのことだ。

朝起きると、庭は白くなっていた。

私たちが暮らす吉備中央町では積雪は年に数回程度と聞いていたので、

少し早い本格的な冬の到来に一日も早いリフォーム工事の完成を祈るばかりだ。

日中でも寒い日は-6℃にもなった。

とはいえ、以前暮らしていた隠岐と比べると風がきつくなく、日差しもあるため体感では

そこまで寒さを感じない。

しかし、夜は別。

皮膚を刺すような鋭い空気の冷たさがある。

家の北側に当たる裏庭あたりは、なかなか雪が解けない。

職場でもらってきたワインの古樽も寒そうだ。

家の近所にある道の駅では、水車からつららが下がっていた。

寒さばかりに気をとられてしまいがちな冬の一日だが、澄んだ空が見せる夕暮れの美しさもこの季節だけの味わいだ。

これまた近くにある古刹「妙本寺」の鐘楼。

朝晩と打ち鳴らされる鐘の音も、生活の中に馴染んできた。

 

否が応でも季節を感じられる暮らし。

自身の葡萄畑で暮らす時間が長くなれば、より一層見えてくるものが多いだろう。

芽吹く春を楽しみにしながら、いまは冬を味わっていきたい。