最終日。
朝から畑に出て、収穫しなかったシュナン・ブランの中から良い葡萄だけを選んで収穫。
これは今まで作っていなかった新しいワインのテストのために。
つまり、未来のために。
そしてお昼はANGERSの街の人気レストラン「GRIBICHE」へ。
この日が最後になるので、送別会的な食事会を開いていただきました。
メインはこの日の為にシェフがスペシャルな料理を用意してくれているというので、
前菜だけを選びました。
仔牛の頭のグリビッシュソースにしました。
そしてこちらがスペシャルな一皿、ジビエのパイ包み焼。
写真では伝わり切れないボリューム感と、一口ごとに変わる味わいの奥行に感動。
最初はカットしない状態で持ってきて見せてくれたのですが、3つくらいのテーブルでシェアするのかなーと思ってました。
そしたら、まさかの4人分・・・
一目見て、絶対食べきれないと思ったのですがあまりに美味しくてお腹に入っちゃいました。
domaine le Clos des Plantesのシュナン・ブラン Wakapiripiri Mai。
以前飲んでおいしかった生産者で、白をみんな飲んだことが無かったので。
かなりミネラリーで酸もしっかり立っているシュナンらしいワイン。
MarulaのLes Gruches. 以前LUDOが働いていたところのワインで、メインの料理に合わせて。
食後にはお店でもこだわって品揃えしているシャルトリューズをくいっと。
舌もお腹も大満足になったところで、大きく移動してTROGLOBALトグロバルへ。
ここは今年来てくれた収穫人の多くが住んでいるコミュニティで、一言で言うと洞窟ハウス。
石灰質土壌を活かして昔から洞窟が良く掘られていたらしいこの土地で、
ヒッピー的な考えを持つ人々が棲みついて共生しているコミュニティだ。
実はLUDOもここに住んでいたことがあり、自由を尊重する彼らと価値観を共有しているからこそ
収穫作業が一緒にできたという側面があるため、ぜひ訪れてみたいと思っていた。
これはトグロバル20周年の時のイベントポスターで、当時住んでいたアーティストが描いたもの。
内部には30人ほどが住んでおり、図書館だって有る。
至る所にアートワークがあって楽しい。
日本人ならば犬神家の一族を思い出さずにはいられない場所。
電球マン的な人も気になった。
入り口には管理人的な役割を果たしているステンドグラス職人のアトリエが有ったり、
誰かが音楽を奏でてたり、とにかく自由な雰囲気。
最初は周囲の住人からも怪しまれていたようですが、時間をかけてここの価値観を理解してもらうよう
努めてきたおかげで地域との共生も今ではうまくいっているようです。
なんと、醸造所まであります。
これがその入り口。
内部にはプレス機やワイン用のタンクが並んでいますが、下は砂。
決して作業がやりやすそうとは言えない環境ながら、数人がここで醸造をしているとのこと。
先日畑に行ったカロリーヌさんや収穫人のニコもここでワインを造っています。
そして樽からいくつかのワインを試飲させてもらう。
フランスでは自宅用のワインなんかはこのガラス瓶で作るらしい。
そして、10月19日、フランスを去る週の土曜日にここトグロバルを会場にワインの試飲会があるらしい!!
有名な生産者やマルティニエールも参加するということで、すごく楽しそうだけど行けないのが残念。
ここ、トグロバルに暮らす収穫人の仲間とはブドウを摘みながら結構話ができたけど、
違いがあるからこそもっと深いところまでゆっくりと人生観について聞いてみたかった。
この経験が今後の出会いにも必ず生きてくる気がします。
そして最後、戻ってからお別れの1杯は日本のワインで。
まさしく感覚が揺さぶられるレベルのすごいワイン。
ボーペイサージュの「a hum」は多分「ア ウン」。
この1か月で出会ったすべての出会いに感謝。
さあ、明日は日本へ。
30の文字に寂しさもありますが、最後に洞窟の面白い話が盛り上げてくれました。
(NHK のテレビ討論で、地方創生のモデルに海士町が取り上げられましたよ)