中川自民党幹事長、民主党年金政策を批判 10月1日

中川秀直自民党幹事長が、「小沢民主党の年金政策には、財源の裏付がない。」とNHKの「日曜討論」で主張した。「1人月額6万円の基礎年金となると、1万円につき3兆円かかるので合計18兆円必要であり、その財源をどうするつもりなのか?現在、消費税の半分は、地方などで使い道が決まっているので、全額消費税でまかなうことになると、消費税率が15%~20%にも及んでしまう。」と中川自民党幹事長は述べたのだ。しかし、中川氏のこの解説は、まったくのでたらめだ。

小沢ビジョンでは、消費税を現行の5%のままで、月額6万円の基礎年金を実現すると掲げている。現在の基礎年金は、月額約6万7千円。これを2年後には、現在の税負担1/3を1/2に引き上げることが法律で既に決まっている。引き上げられる1/6分は、2兆5,000億円だと言われている。小沢ビジョンで掲げられた月額6万円は、現在の基礎年金額額の約90%に相当するので、単純計算すると、基礎年金6万円に必要な税総額は、2兆5,000億円×0.9×6=13兆5,000億円ということになる。消費税1%は、約2兆5,000億円と言われているので、現行の5%での消費税による税収入の合計は、12兆5,000億円。従って、差し引きあと1兆円。十分に歳出削減により生み出すことが可能な数字だ。

更に小沢ビジョンでは、地方交付税を一括交付金制度に改める際に、重複分などの無駄を省くことで、現在の補助金20兆円を一括交付金18兆円に縮減することを掲げている。従って、消費税のうち地方にまわる1.5%約4兆円については、補助金廃止により、少なくとも約2兆円の財源は確保することができるのだ。いずれにしても、中川自民党幹事長が述べたような、民主党案では消費税を15%~20%にする必要があるなどは、真っ赤な嘘なのだ。こんなでたらめを平気で言う人物が、自民党の幹事長なのだから、いかに安倍新政権が軽薄・上滑りのハリボテ内閣であるかがわかる。

まずは、基礎年金の本来の趣旨に則って、国民全員に公平に配分できるよう、現行の5%の税率のままで消費税をその財源としてあてた上で、月額6万円の基礎年金を確保・実行することが重要なのだ。公共事業費や国家公務員・地方公務員の人件費を見直すことで、歳出は十分に削減できるはずだ。特に、団塊の世代の大量退職によって、人件費を約2割以上縮減することが可能だ。何より、一歩踏み出してみることが必要だ。意志あるところに道は開ける。勇気を持って踏み出した先にこそ、まさに、「筋肉質の財政」が実現するのだ。 

年金の2階建て部分ついては、国民年金基金を踏襲した形で、支払い額に応じて受給できるように積み立て方式にすれば、公平性は保たれ、一定程度の年金は保障される。その上で更に、基礎年金額を上げたり高齢者医療・介護の費用を捻出するために、5年後10年後に、消費税を10%にするという議論にもなるのだ。本人が全く希望していなかった柳沢伯夫氏を厚生労働大臣にすえ、大臣自らに「今から勉強します」と言わせるような安倍内閣に、民主党の年金改革案を批判する権利も能力もない。そもそも総裁選で安倍氏は、一度も年金制度改革に言及していないのだ。

安倍内閣は、教育基本法や集団的自衛権や大企業中心の経済政策はアピールするが、国民の生活を良くするための政策は何にもないのが実態だ。それどころか、安倍内閣がまず提出してくる国民生活関連法案は、「貸金業規制法改正案」という名の、サラ金業界のための国民生活改悪法案(金利引き上げ法案)なのだ。既に最高裁判決で無効となったグレーゾーン金利を5年間温存する上に、金利区分を変更することで2~3%金利を引き上げるという、とんでもない法案だ。安倍内閣が、国民のためでなく、サラ金で金儲けをするサラ金業者・銀行・暴力団・アメリカ資本などのための政権であることが、はっきりと証明されている法案なのだ。 

「政治は生活である」という小沢民主党が、現行金利区分のまま利息制限法の水準に金利を引き下げる真の「貸金業規制法案」と、5%の消費税のままで月6万円の基礎年金を国民全員に保障し、年金控除額も引き上げる法案を提出すれば、10月の衆議院補欠選挙以降の全ての選挙に、間違いなく勝利することができると、私は確信する。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )