「第8回豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」傍聴

本日開催された「第8回豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」を傍聴しました。東京都は、事前に、来る7月26日(土)開催予定の第9回専門家会議を、専門家会議の最終回と一方的に決めました。議論を待たぬまま、事実上今日の会議を、専門家会議が提出する最終報告書の原案の確認会議と位置づけたのです。

最終報告書の原案には、驚くべき文言が並んでいます。例えばシアン化合物については、『飲料水の水質基準の1/10未満と非常にわずかであり、食の安全・安心の観点から見ても悪影響が及ぼされる可能性は少ないと考えられる』とあります。どうです、皆さん、こんなこと平気で報告書に書ける「識者」の方々が、この専門家会議のメンバーなのですよ!報告書には、「有毒物質は検出される。でも微量だから安全だ。」と明言されているに等しいのですから、開いた口がふさがりません。

専門家の皆さんが、時代の趨勢をまったく理解していないことに、私は驚くばかりです。ご存知のように、どんなに安全だと言い張っても、料理の使い回しや産地偽装が発覚した業者は、次々と廃業に追い込まれています。実際、安全という言葉の意味だけで言うと、使いまわしの料理の中には確かにそういうものもあるかもしれません。ブラジル産の鶏肉は、脂肪が少なくヘルシーな上に、味も抜群だそうです。しかし、消費者は、そんな業者の嘘を許してはいません。もし仮に、万が一、豊洲新市場でシアン化合物が検出されたら・・・・・・・。たとえ環境基準値以下の値だったとしても、検出されたという事実だけで市場は機能不全に陥ることは間違いないでしょう。いったい、その時、誰が責任をとるのでしょうか???

食の安心・安全という観点では、有毒物質であるベンゼンやシアン化合物は、絶対に検出されてはならないのです。検出されたというだけで、消費者は市場で扱われる水産物にそっぽを向いてしまいます。わかりきったことなのに、何故、こじつけの理由を並べ立て、東京都は豊洲予定地の安全性を強調しなければならないのでしょうか。明らかに、移転ありきの議論を東京都は進めています。しかも、急いで。東京オリンピックに間に合わせようとして・・・・・・・・・・。

本日公開された最終報告書原案のクライマックスには、次のような文章が書かれています。『万が一、液状化により土壌や地下水が噴出した場合には、噴出した土壌や水を速やかに回収し、念のため環境の状況を把握した上で適切に処理する』。これが、科学者が書く文章でしょうか!?「万が一=(1/10,000)」とは、0.01%のことなのでしょうか!?科学的エビデンスによらないどころか、「速やかに回収」「適切に処理する」などは、あまりにも抽象的で稚拙な表現です。第一、ベンゼンもシアンも揮発性物質です。

最終報告書原案は、今週半ばに東京都のホームページにアップされるそうです。会議中、傍聴者からクレームがついたため締め切りは確定していませんが、本日7月13日から、この報告書原案に対するパブリックコメントが募集されます。是非皆さん、理不尽な東京都の横暴に、一言もの申してください。詳細は東京都のホームページに掲載されています。

石原都知事は言いました。「膨大に膨れ上がった新銀行東京の累積赤字は、当時の経営者の責任だ。」石原都知事とはそういう人です。豊洲に市場を移し、築地の跡地を我が物同然に扱いながら、万が一、豊洲新市場で有害物質が検出されたら、彼は必ず責任を、誰かになすりつけるに違いありません。それでも皆さん、伝統の築地市場、世界のブランド「TSUKIJI」を、このままぶっつぶしても良いのですか???
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