Justice! 社会正義の実現!所得充実政策!ワクチンより検査を積極的に推奨! / 薬剤師・元参議院議員・消防団
ひらがな5文字の「はたともこ」ブログ
築地市場:矛盾が曝露されたシナリオ通りの茶番劇~専門家会議最終報告
予想通り、会議は儀式そのものだったが、2時間割かれた傍聴者との質疑応答は、結果的に、東京都と専門家会議の「最初に移転ありき」のシナリオを、見事に明確にあらわすものだった。最悪だったのは、今後東京都が行う土壌汚染対策を監視する責任があると一度は認めた専門家会議が、座長自ら最後の最後の答弁で「今後のことは関係ない」と主張したことだ。文書化されたパブコメに対する専門家会議の考え方に「専門家会議は、食の安全・安心を確保する観点から、東京都の土壌汚染対策の妥当性等について検討し、評価・提言を行うことを目的としています。」と明記されていることが指摘されると、一瞬たじろぎ、まともに答弁できない座長。所詮は、東京都のまわし者、報告書が提出された7月26日をもって、専門家会議のメンバーはこの問題からは逃げるのだ。
揮発性物質であるベンゼンやシアン化合物についても、現在の日本では土壌からの気化曝露は考えられていないと斬り捨てた。そんな専門家会議の意義とは、いったい何なのか。十二分に想定され、内閣府も既にシミュレーションしている「東京湾北部地震」への東京都の対応は、皆無。東京都としてのシミュレーションを行っていないことを白状し、「東京都は橋や地下鉄など過去に工事の実績はあり、土壌汚染対策や液状化に対する技術には自信がある」と答弁するまぬけな職員の存在には驚くばかり。小学生でも「そんなの食の安全・安心とは関係ないっ!」と大合唱するだろう。
お魚好きの消費者は、今日はどんなネタが築地から入っているだろうかと、ワクワクしながら魚屋さんに行く。特に釣りものの旬の魚が並んでいた日には、考えていたメニューなど一瞬にして吹き飛び、そのお魚中心の献立が頭の中をかけめぐる。そんな消費者がいるからこその築地市場なのに、土壌汚染された豊洲(東京ガス工場跡地)に市場を移転してしまえば、間違いなく消費者の食指は遠のいてしまう。だって、猛毒のシアンが青酸カリに変化して付着しているかもしれないお魚を、環境基準値の1/10以下ですから安心ですよと言われて買う消費者が、どこの世界にいるだろうか。専門家会議が科学的に太鼓判をおしたことが、結果的には伝統の食文化を衰退させることになる。
何故、築地のままでの再整備をしないのか。消費者が賢く東京都の魂胆を見抜かなければ、日本の食文化は破壊されていく。築地市場を売りはらい、食文化の財産をぶち壊す権利は、東京都にも石原都知事にもありはしない。この問題の本質は、木を見て森を見ない戦後日本の行政の在り方によるところが大きい。食文化の本拠地たる築地市場が、東京都の横暴によって一瞬にしてぶち壊されても良いのかどうか、思慮深い判断を、今こそ消費者が下さなければならないのだ。
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