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遅れても、何をしても、どんな理由があろうと春は律儀に毎年やってくる。ちょっと早めの野営を敢行した翌日、僕はコーヒーを沸かしている間の暇を持て余してたので、その辺りの散策に出ることにした。少し歩いていると強烈な『赤』が目に飛び込んで来た、眩暈がしたのは不意を突かれたからだと思う。全然、準備ができていなかった。春の朝日の陽光の中に、『赤』なんて…。
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「切った後に、水が噴き出してくるからミズキ(水木?)」と、後になって知人が教えてくれたけど、その時は『野蛮な赤』に目を奪われてしまい、水が噴き出していることには、まったく、気付かなかった。
その『赤』に「少しでも、先んじようよする野蛮さ」を感じた。その色に距離感を無くすような違和感を覚えた。
色々な事情から来る赤なんだろうけど、草花や木々が、春が来て、のんびりかどうかは分からないけど、多分、人間で言ったら朝のストレッチをしているくらいだろうに、威勢良く赤い触手を空に向かって…。変な、張り切りを見せられたようで、しっくりこなかったんだ。『ハイテンションで宇宙と交信を試みているうちに、いつの間にか夜が明けてしまった!』ような、…奇妙さ。
そういうのは、実は、余り好きじゃないから、過剰に驚いたんだ。
なんだか、少し具合が悪くなってテントに戻ると、苦く淹れた苦いコーヒーが、待ちくたびれて、更に苦くなっていた。
僕を正気に戻すには、十分な苦さだった。
遅れても、何をしても、どんな理由があろうと春は律儀に毎年やってくる。ちょっと早めの野営を敢行した翌日、僕はコーヒーを沸かしている間の暇を持て余してたので、その辺りの散策に出ることにした。少し歩いていると強烈な『赤』が目に飛び込んで来た、眩暈がしたのは不意を突かれたからだと思う。全然、準備ができていなかった。春の朝日の陽光の中に、『赤』なんて…。
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「切った後に、水が噴き出してくるからミズキ(水木?)」と、後になって知人が教えてくれたけど、その時は『野蛮な赤』に目を奪われてしまい、水が噴き出していることには、まったく、気付かなかった。
その『赤』に「少しでも、先んじようよする野蛮さ」を感じた。その色に距離感を無くすような違和感を覚えた。
色々な事情から来る赤なんだろうけど、草花や木々が、春が来て、のんびりかどうかは分からないけど、多分、人間で言ったら朝のストレッチをしているくらいだろうに、威勢良く赤い触手を空に向かって…。変な、張り切りを見せられたようで、しっくりこなかったんだ。『ハイテンションで宇宙と交信を試みているうちに、いつの間にか夜が明けてしまった!』ような、…奇妙さ。
そういうのは、実は、余り好きじゃないから、過剰に驚いたんだ。
なんだか、少し具合が悪くなってテントに戻ると、苦く淹れた苦いコーヒーが、待ちくたびれて、更に苦くなっていた。
僕を正気に戻すには、十分な苦さだった。
でも、空を目指すのが太陽を捕食する為、だったら…。そんなことなら、応援したくなります。
虫は余り好きではないので、虫が出る前に、焚き火とか、野宿とかしようと思っています。虫が出ても、やるんだろうけど。