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彼岸と僕の間にある大きな河
僕の前に、河が流れている。
大きな河ではあるが、これといった魅力は感じられない。それ以上の、記述も要らない。
遠く向こうに浮かぶ水平線、の少し先だろう。対岸がうっすらと、見えている。そこに誰かが立っているような気がする。誰か、多分関係のない人、それか関係のある人。多分、関係のない人。
僕は岸に立っている。そういう感触が足の下のゴムを通して伝わってくる。
けど、今までに、岸を意識して河の岸に立ったことはあったか。河の岸、それは陸ということだ。此方の岸には、賑やかな往来がある。誰が誰だかはしらないけど。
まぁ、いいや。
魅力のない大河は、澱み、流れを意識させない粘性を持っている。まるで寒天のようだ。微量の電気で辛うじて、流れているのかもしれない。何らかの意味を持って。
しかし、寒天でないとしたら。だって、寒天ではないから。
この淀みは、この流れは、何からもたらされたんだろう。水と水以外の何か、細菌とか埃とか糞尿とか、削られた何か、動いていたものが動きを失ったもの。飽きられたもの。捨てられたもの。そういうもの。そんな、よくある取るに足らないものだろう。溝に流れ込むものなんて、そういうものに決まっている。
過去に溝があって、そこに水が流れ込んだ。溝は深まり、やがて大河になった。けど、過去に溝がなかったということにしよう。溝らしきもの…。最初の一撃は何だったのだろう。水が先か。溝が先か。多少、洒落が効いているだけで、くだらない。そんなのはどちらでもいいんだった。
僕は、いま河の前でたたずんでいる。何故。
しかし、話を返すようだけど、最初に溝を作ったのは、やはり水だったのかもしれない。綺麗か、奇麗じゃないかは別として。
でも、水?水じゃなくてもいいんだ。例えば、ガスだっていい。空気より重ければいい。十分に流れ込む資格を持っている。大抵のものは空気より重い。例えば、流れ込むものがネジだっていいんだ。別にネジでも、そういう状況があって、転がり落ちればいいんだ。ザラザラと。モラルとか、ナットを失ったボルトとか、生き物の死骸とか、開けられなかった缶詰とか、秋のカエルの色とか、ふやけたピンポン玉とか、安売りを謳う文句とか、すべてを吸い込んだ糸くずとか、そして、流れていく、ゆっくりと、河口へ向かって。河口。
…忘れていた。
僕自身を対岸に向かわせる意思を、置いてけぼりしていた。
この前に広がる、淀んだ水を泳ぎ、対岸に渡ろうと試みる意思。多分、そろそろふてくされている頃だろう。ギリギリだった、危なかった。そのことに、意味などないだろうけど、その意思は好奇心が支えている。でも、なかなか良い組み合わせだと思う。そして、僕は、好奇心が水溶性でないことを祈っている。水溶性であったなら、僕の意思は捨てられて沈んでしまうだろうから。それは、少し困る。意思は水に浮くだろうか。
生温い風を横切る、風上から風下へ流れる、河に溶けきらなかった風に目を細めた。河に足を踏み入れる。躊躇わず、ズカズカと、バシャバシャと、まるで意を決しないで。やはりと言っては失礼だけど、特に実感はなかった。好奇心に支えられた意思は、既に遠くを見ているのかもしれない。見えないくせに。
それに、良いか悪いかは分らないけど、僕の体温に近い水温だったから。
好奇心が溶け出す感じもない。水に溶けた取るに足らないものが、足にまとわりつくけど、所詮それはとるに足らないものだし。残念だけど、不快感にまでは届かない。少し、可哀そう。じゃあ、流れてろ。
そんなには、何も変わらない。何が。僕も、河に溶け込んでいるものも。だから、溶け込んでいるものに主観があるとしたら、僕と対等になる。嗚呼、何て驚異だ。でも、主観、意思に似た何かは持っているかもしれない。折角、流れているんだから。
肩まで河に浸かったけど、不確かな対岸は、彼岸として、未だ遠くに見えている。表情も変わらない。あれっ、太陽はちゃんと傾いたか。
よくある取るに足らないものが僕を避けて流れて行く。溝に流れ込んだものが流れて行き、似たような僕が、逆らって横切り始めている。でも、別に逆らっているつもりはない。結果的に構図がそうなっているだけだ。
向こうの岸の、あそこに立っているのは誰だろう。いや、始めから遠過ぎるんだった。実際、見えてない。当然、立っていないのかもしれない。当然、誰も居ないかも。当然、居たとして、ずっと向こうを向いているかも。当然、座っているかも。誰かがいる気がするだけなのかもしれない。居たとしても、僕のことを考えている筈がない。誰かが、何かを、何故か。
でも、確かめなくては。向こうには何があるのか。暇だし。河に流される、流されないは別として。まだ、好奇心は溶け出していないし。
信じてもよさそうだ。 …何を。
彼岸と僕の間にある大きな河
僕の前に、河が流れている。
大きな河ではあるが、これといった魅力は感じられない。それ以上の、記述も要らない。
遠く向こうに浮かぶ水平線、の少し先だろう。対岸がうっすらと、見えている。そこに誰かが立っているような気がする。誰か、多分関係のない人、それか関係のある人。多分、関係のない人。
僕は岸に立っている。そういう感触が足の下のゴムを通して伝わってくる。
けど、今までに、岸を意識して河の岸に立ったことはあったか。河の岸、それは陸ということだ。此方の岸には、賑やかな往来がある。誰が誰だかはしらないけど。
まぁ、いいや。
魅力のない大河は、澱み、流れを意識させない粘性を持っている。まるで寒天のようだ。微量の電気で辛うじて、流れているのかもしれない。何らかの意味を持って。
しかし、寒天でないとしたら。だって、寒天ではないから。
この淀みは、この流れは、何からもたらされたんだろう。水と水以外の何か、細菌とか埃とか糞尿とか、削られた何か、動いていたものが動きを失ったもの。飽きられたもの。捨てられたもの。そういうもの。そんな、よくある取るに足らないものだろう。溝に流れ込むものなんて、そういうものに決まっている。
過去に溝があって、そこに水が流れ込んだ。溝は深まり、やがて大河になった。けど、過去に溝がなかったということにしよう。溝らしきもの…。最初の一撃は何だったのだろう。水が先か。溝が先か。多少、洒落が効いているだけで、くだらない。そんなのはどちらでもいいんだった。
僕は、いま河の前でたたずんでいる。何故。
しかし、話を返すようだけど、最初に溝を作ったのは、やはり水だったのかもしれない。綺麗か、奇麗じゃないかは別として。
でも、水?水じゃなくてもいいんだ。例えば、ガスだっていい。空気より重ければいい。十分に流れ込む資格を持っている。大抵のものは空気より重い。例えば、流れ込むものがネジだっていいんだ。別にネジでも、そういう状況があって、転がり落ちればいいんだ。ザラザラと。モラルとか、ナットを失ったボルトとか、生き物の死骸とか、開けられなかった缶詰とか、秋のカエルの色とか、ふやけたピンポン玉とか、安売りを謳う文句とか、すべてを吸い込んだ糸くずとか、そして、流れていく、ゆっくりと、河口へ向かって。河口。
…忘れていた。
僕自身を対岸に向かわせる意思を、置いてけぼりしていた。
この前に広がる、淀んだ水を泳ぎ、対岸に渡ろうと試みる意思。多分、そろそろふてくされている頃だろう。ギリギリだった、危なかった。そのことに、意味などないだろうけど、その意思は好奇心が支えている。でも、なかなか良い組み合わせだと思う。そして、僕は、好奇心が水溶性でないことを祈っている。水溶性であったなら、僕の意思は捨てられて沈んでしまうだろうから。それは、少し困る。意思は水に浮くだろうか。
生温い風を横切る、風上から風下へ流れる、河に溶けきらなかった風に目を細めた。河に足を踏み入れる。躊躇わず、ズカズカと、バシャバシャと、まるで意を決しないで。やはりと言っては失礼だけど、特に実感はなかった。好奇心に支えられた意思は、既に遠くを見ているのかもしれない。見えないくせに。
それに、良いか悪いかは分らないけど、僕の体温に近い水温だったから。
好奇心が溶け出す感じもない。水に溶けた取るに足らないものが、足にまとわりつくけど、所詮それはとるに足らないものだし。残念だけど、不快感にまでは届かない。少し、可哀そう。じゃあ、流れてろ。
そんなには、何も変わらない。何が。僕も、河に溶け込んでいるものも。だから、溶け込んでいるものに主観があるとしたら、僕と対等になる。嗚呼、何て驚異だ。でも、主観、意思に似た何かは持っているかもしれない。折角、流れているんだから。
肩まで河に浸かったけど、不確かな対岸は、彼岸として、未だ遠くに見えている。表情も変わらない。あれっ、太陽はちゃんと傾いたか。
よくある取るに足らないものが僕を避けて流れて行く。溝に流れ込んだものが流れて行き、似たような僕が、逆らって横切り始めている。でも、別に逆らっているつもりはない。結果的に構図がそうなっているだけだ。
向こうの岸の、あそこに立っているのは誰だろう。いや、始めから遠過ぎるんだった。実際、見えてない。当然、立っていないのかもしれない。当然、誰も居ないかも。当然、居たとして、ずっと向こうを向いているかも。当然、座っているかも。誰かがいる気がするだけなのかもしれない。居たとしても、僕のことを考えている筈がない。誰かが、何かを、何故か。
でも、確かめなくては。向こうには何があるのか。暇だし。河に流される、流されないは別として。まだ、好奇心は溶け出していないし。
信じてもよさそうだ。 …何を。
くっだらな過ぎて、もはや…、デカダンス。生産性のない話を私が、代表しましょう。
…この際。って、何の際?
いや、ほんと、楽しかった。
そんな秋祭りの夜でしたねえ・・・・。
NTTの回線が悪かったようでお盆中から通じなかったインターは電話一本であっさり解決
悩みに悩んだ1ヶ月といないウイルス撲滅費用7350円はかなりITの世界が嫌になりました。
もっと初心者でも分かりやすくしておくれ
あれ、水溶性ってこんな気分?
報告がてら、僕らがCCと呼んでいるそれは…確かに、凄かった。いや、正確に言うと、凄いには凄かった。
人間の欲は尽きることないのね。考え方次第だけど。
携帯に頂いたメールの返信をここでします。
アベベ心臓は、今入院中だから。
僕らは鍛えておこう。
体と言わず、脳と言わず、心臓といわず。
目指せ、「指先1つでダウンさ~♪」まで
あと、タイトルを変えてsince2005を入れてみました。…もう、2年もやっているのねぇ。
彼岸って、とっても素敵な表現だな、と内容を読みながら感じました。