透明な石2013 缶ビールと色鉛筆(たたき台)

2013-03-16 13:29:33 | AROUND THE N818

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N2‐STUDIOの紙『透明な石』のお手伝いをしている。できる人が集まって、アートに囚われない文章を自由に書いている。その中で、僕は『缶ビールと色鉛筆』という連載?を任されてから何年か経った。取りかかるまではもたつくが、取りかかればあっという間に終わるはずだ。今年も。僕はこの紙が好きなんだと思う。今回はこう言うのを載せようと思う。擬音語が多くて、何を言っているのか分からなくて、いろんな人に、怒られちゃうかもしれないことを。

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 缶ビールと色鉛筆

 ミンナの話。色んなモノの話。

 とんがったモノを怖がる。自分の生命に危機を及ぼす、そんな形状からか?直線に対する畏怖からか?僕も怖い。とんがってギザギザしたモノは、怖い。逆に、丸みを帯びたモノからは安心感を得る。それが更にフワフワしていたら完璧だ。最たる例は、子猫。

 各々の形状が丸みを帯びて、形状が真円に近いと隙間なく整然と並ぶことができる。ミンナ安心だ、同じ距離感を保ち、少しずつ周りと触れ合っている。沢山のチカラが均等に振り分けられ安定な形状を保つ。平和で金属的な社会。未来永劫ではないけど、     隊列を乱すことなく酸化という劣化に向かえる。ゆっくりと、外側から。

 

 

 劣化して崩れて落ちた引っ掛かりを目指し、ギザギザしたモノは周りをせわしなくうろつく。完璧な秩序に引っ掛かろうと時には懸命だ。しかし、殆どの場合引っ掛かることなどできず転げ落ちたり跳ね返されたりする。ギザギザはその窪みにはまるように自分を丸くすることができない。そういう形状で生まれてきたんだから仕方ない。だから、何度も何度も、引っ掛かろうとその行為を繰り返す。せわしなく場所を変え、向きを変え、タイミングを変え、速度を変え、多少の形状の変化をも受け入れ、時には苦しみながら、鈍く光る金属の球体に引っ掛かろうとする。

 金属の球体の何処からか、突然ニュッと枝みたいなのが伸びる。その理由に関しては分からない。そうすると元々がギザギザしているもんだから簡単にギザギザは引っ掛かる。そしてそこで接点を持つことができる。いくつかのギザギザはそうしてそこに次々と引っ掛かり続け集落みたいなのを築く。ギザギザはギザギザで集合してゴチャゴチャと絡み合い結果、そこそこ質量の高いモノを生み出せる可能性が出てきた。しかし、油断はならない。ニュッと伸びた枝がいつまでもつのか分からない。サッと引かれる時は必ず来る。今まで何度もそうだった。だから、ここからは時間との勝負だ。

 

 そして、そこそこの質量を持ったカタチができる。ギザギザだけで、見事に成り立っている。ずっと、そうあったかのように。金属の球体の質量には遠く及ばないけれども、確かにカタチができた。重さはいいだろう、ここにはカタチがある。ここで止めよう、そして、もう何も引っ掛かってくれるな。

 そして、その矢先か、何時か、ニュッがサッと引かれた。フワッと静止した後、当然ガラガラと崩れ去る他はない。が、しかし一瞬のカタチは、あった。

 さてと、ガチャガチャとそこで絡み合っていてもしょうがない。それは既にカタチではなくなってしましまった。ギザギザは各々に解き、そして、単身でまたダイブするのだ。

 完璧に視える秩序、めがけて。

 

 妄想参考資料:新里陽一『空気の穴 シリーズ』

 

 

 

 


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