自由という目的地へ

それはどこにあるのだろう
多くの血を流したどり着く地か
それとも
悟りの果ての 神の胸の中か

隠れキリシタンと赦し

2015年05月10日 | Poem 詩
Gabriel's Oboe

映画「ミッション」より  「ガブリエルのオーボエ」 作曲:エンニオ モリコーネ








   隠れキリシタンと赦し


踏み絵を 踏め

おまえが 傷つくことを
神は 望んでいない




そうして

殉教者の 長い列は
しずかに 空へと 消えていく





つつましく
清らかな者たちを 守るための
 
絶望的な ろう城戦へ 向かう足



海と崖に 守られた
自然の要塞に たてこもり

最後の兵糧は
底をついていく




絶望しか 持ち得ない
この凄惨な 現状にも

神という 希望の光は
足もとを 照らし出し

地上での 
ユートピアの創造を
僕たちは 夢見た





そうして

僧侶は 剣を取り
最後の 総攻撃にそなえる




天草四郎は 討ち取られた




指に 力が 入らない

僕の手から
剣が しずかに 落ち

瞳孔が 開いていく





また 

守れなかった




やがて 大量殺戮は始まり

あの つつましい花は
全て 刈り取られ 燃やされていく




そうして

殉教者の 長い列は
しずかに 空へと 消えていく







長い 長い 

時間軸の果て


人も 近づかない
深い森を 歩いていくと

もう 存在しないはずの花が

そっと 咲いていた




絶滅しかけている 花が
風にゆられて 微笑む


僕は ひざまずき

さめざめと 涙を 流す






幾度となく 繰り返す

自我が 見せる物語

その深みから
這い上がってきても

まだ 涙は 止まらない





そろそろ

この 悲しい物語を 

終わらせる頃だ





そうして 僕は

この物語を

少しずつ
赦しはじめる


          ノマド












こういった 

心に 留まってしまうことは
そういうことだったのだと 理解します



自由という目的地へ/深層意識に咲く花


自由という目的地へ/三浦半島 西岸 カヤック野営キャンプ






映画 「ミッション」


そして

昔から
この映画を観ると
涙が止まらなくなってしまいますが

今になって思うと
そんな物語を 幾度となく
自分も 繰り返してきたのではないかと 
思ってしまいます
 






 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (雨の日)
2015-05-22 13:11:45
はじめまして、
ネットの世界をさまよっていたら、こちら様にたどり着きました。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いします。
素敵な言葉に出逢えると嬉しくなります。
ゆっくりと拝見させていただきます。

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ありがとう (NOMAD)
2015-06-10 00:11:10
雨の日様
コメントしていただいたのに
気づくのが遅くなって
ほんとにすいません
たった今気づきました

雨の日様の素敵なブログも
拝見させていただきました

また時々 遊びに行きます

ありがとうございます
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