自由という目的地へ

それはどこにあるのだろう
多くの血を流したどり着く地か
それとも
悟りの果ての 神の胸の中か

丹沢湖 ソロ カヤック キャンプ

2012年02月23日 | Outdoor カヤック キャンプ 



















厳寒の冬の合間 暖かな日

横浜の家から 一般道で約2時間の
丹沢湖に カヤックとキャンプに出かける


丹沢湖も キャンプ場も 人の気配も無く
一人 自由な時間を過ごした




誰もいない

静かな湖面 
上陸したポイントで

僕は ただただ
自然の霊気に 圧倒されていた 












 
キャンプ場は
「奥箒沢(オクホウキサワ)山の家キャンプ場」を利用した

昔ながらの 小さなキャンプ場で
周囲に点在する 人気のキャンプ場とはちがい
登山者用のキャンプ場の様だ
一人と車1台で 1500円で泊ることができる

予約もなく急に行ったため
管理人不在 トイレも照明も無い状態の野宿状態での泊まりとなった
(お金は払いました 笑)















照明もない 闇夜の中 
あまりテントの外に出る気もなかった (やはり怖い・・)

しかし
ふと見上げた夜空には ふだん見ることのできない
無数の星が 細かく きらきらと輝いていた

その美しさ 完成度に しばし圧倒される

恐怖より 夜空の美しさが上回る 


久しぶりの 夜空の撮影に しばらく没頭しはじめたが
撮り終えた画像は どれも使い物にならないものだった(笑)

自然をそのまま伝えるということは 難しいものだ



山間のキャンプ場の横には清流が流れており
さすがに朝方の気温はマイナス8℃となった。
(人がいないわけだ・・)

マイナス7℃まで対応可能とうたうシュラフも役にたたず 
だんだん足元が 冷たくなってくる

耐えきれずに 朝方は早く起きて
ストーブにあたりながら コーヒーをコンロで沸かした



夜が明けるころ 辺りの散歩すると

そこは 自分が以前 写真撮影のため
丹沢に入った 登山道入り口があった

あれから10数年が経っている

振り返れば
まるで 夢の様だ・・



山の頂から朝日が差し込みはじめ
清流に日があたりはじめると
風景は 美しく変化する

夜をここで越さなければ 
出会えない風景だ









登山道の近くに 山神を祀った石がある

古の民にとって
この先からは 山神の領域であった


丹沢や秩父には 
絶滅した日本オオカミの信仰が
未だに残っているという

自然の見えない力が 強い土地だと感じる



自然の霊気に 畏敬の念を抱きつつ
その霊気の中に 包まれる時間を過ごした















丹沢湖 カヤック キャンプ (1)



 

丹沢湖 カヤック キャンプ (2)




  
  

自由という 目的地へ(本栖湖 ソロ カヤックと雪中キャンプ)

2012年02月11日 | Outdoor カヤック キャンプ 







静かに 湖面で過ごす

そのイメージは
やがて カヤックで 移動しながらの旅や
冒険への夢へと 繋がっていった

カヤック雑誌にあった フレーズがこころに残る

「自由という 目的地へ」

そのひとつの切符 カヤックという道具・・


限られた予算で
Sevylor QuikPak K5 Kayak というカヤックを購入し

ジムニーに 古いテントと共に 詰め込み
一人 富士五湖の一つ 本栖湖へ向かうこととした









キャンプ場への入り口は 
凍結した 狭い カーブのある急坂で

ノーマルタイヤの車では 転落の危険もあったが
慎重に降りていき なんとかキャンプ地に到着


ジムニーという車は 特に 日本の狭い林道等 
大型の四駆では行けない場所にも
踏み込むことが出来る 優秀な道具で

僕は 旧JA11型のころから 
この道具を愛し使い続けている 



富士山と残雪の美しいロケーションだったが
キャンプ場も 湖も 貸し切り状態だった

天気予報が いつの間にか
曇りから 大雪の予報に変わっていたからだ

残された晴間の時間を 大切に使う様に
壊れかけたキャンプの設営に入る

もう生産されていない
オカモトの ファインフィールドという名の安テント

一人でのテントの時に 古くから使ってきたが
グラスファイバーのポールの部分が壊れかけていて
テープで補強して使っていた

あと 何回使えるだろうか・・










設営が終わると さっそく カヤックの用意に取り掛かる

寒さの中で「沈」した時のための 最低限度(と思われる)の装備
ライフジャケット ブルーエースのロングバドルシューズ
ロングジョンを着込む


慣れない手つきで インフレータブルカヤックを膨らまし
いよいよ出発

こんな寒さの中
大丈夫なのか? ・・・ 俺 一人だし ・・・

不安の中 ぎこちなく乗り込む




この日 本栖湖は風が強く 波があった
そしてカヤックは 思ったより 小さな波にも大きく揺れる

最初のうちは 何度かひやりとしたが
「沈」することは避けられた



慣れてくると 波に向かい 湖沖合まで行くことにした

快調に湖のほぼ中央まで来て しばらく波に揺れていた












このまま 反対側の岸に上陸しようと 再度漕ぎだしたが
だんだん 風と波が強くなり
波に白波が入りはじめていた

カヤックの先端が 波を裂き
波しぶきが かかってくる

そして・・いくら漕いでも 進まない

このカヤックの軽いという特性は
風、波に弱いのではと思われる



途中で対岸上陸を断念し キャンプ地まで戻る

その間 
俺は ここでひっくり返って 遭難しないだろうか・・

そんな不安は 離れず 
とても 「自由という目的地へ」という状態ではなかった(笑)

また 波の静かな日 静かな場所で
近いうちに また乗りたいと 思っている



いい年なのに 少し無理をしたので
テントに入り込み しばらく寝転がっていた

そうするうちに 外は日が暮れ 
予報通り 雪が降りだしていた










しばらくのつもりが 暗くなるまで 動かずに
テントの中で 泥のように横たわっていた

ラジオからの情報で 20センチは雪が積もるとのことなので 
ジムニーを 受付の駐車場に移し
サイトには テントのみを残すこととした

近場の商店は 17時で全て閉まってしまい
夕食の買い出しの機会を すっかり失った

手元に残っていた シリアル等で夕食を済まし
夜を超すための防寒対策の用意が済むと
後は ラジオからの情報や音楽に耳を傾けて過ごした




深夜 目を覚ますと テント内はマイナス3℃
テントの内側には 大量の水滴が発生していた

テントの外側には 雪がへばりつき
その重さのため 異様にテント内が狭くなっていた

かまくらの様に どうも雪は断熱材の働きもする様だ
外気の寒さを 遮断しているのを感じた



朝方まで何度か テントに分厚く積もった雪を 
内側からたたき落としながらも 十分に睡眠はとれていた

マイナス7℃まで使用可能なシュラフ
(軍用でも使われるSnugpakスナグパック)を今回用意していたが
水滴に対して防水であることも含め 良い働きをしてくれていた









目が覚め 外に出ると 
そこは 雪と湖の世界だった

精霊や 幽霊の出てもおかしくない 
風と雪の音だけの 静寂な地


それは 自分のこころの反映なのかもしれない・・

恐怖は 感じなかった


しばらく 

一眼レフを手に
その世界を さまよった










自分の中の 

遊牧民(ノマド NOMAD)という部分

自然と共に在り 自由を愛する
そんな自分を 生きたいと思う


そう・・

「自由という目的地へ」

それは 

仏陀を含め
誰もが 最後にたどりつく 最終地点なのだろう


あせらずに 今を 大切にしながら
少しずつ 自由になっていこう