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日々の移ろい

施設へ面会

介護限度額認定書が市役所から届いた、

母の入所する施設へ提出する為に
車を走らせた。

母の着替えも持って。

ガラス戸越しの面会。

いつものように、私を見て
「あんた そんな格好で 寒むないんか?」

はあ、、

今日の母の服装は、
先月会いに行った時と同じ服を着ている。

しかも、その羽織っているのは、冬用。

何枚着てるの?と、めくったら、

3枚も着ている。

この暑い日々でも、

姑と同様 気温には鈍感なのだろう。

サッカー地と、レース地のブラウスを2枚届けたけれど、、着るかな?

「昨日は、ダウンジャケットを着ておられました」と、職員さんの話。

「あー、姑も昨日冬物のカーディガンを着ていましたから 驚きません」

と、頷いた。


もう、私の顔や名前を忘れているか?と、出掛けていくけれど、

ちゃんと 姑の名前を言いながら
「つねさんは、元気?」と質問する。


施設に入所直後は、
(母を捨てた)と、

心が傷んだ。

しかし、こんな穏やかな笑顔を 行く度に見せてくれる。

暴言を吐きっぱなしだった頃のことが嘘のよう。


認知症だから、

どんなきっかけで、ここにお世話になっている とも、忘れてしまっているでしょう。

また、面会に行くたびに、
病院のお見舞いと勘違いしているよう、

「あんた 忙しいのに、遠いところをおおきに」

……………………………………………



庭で産まれた蝉の合唱が 続く午後。

夫に 肩揉みをしてもらったあと、

自室へ戻る後ろ姿の姑。
腰をついて いざっていく。




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