盧舎那仏 聖武しのばるる秋の夕暮
聖武:ひと
聖武天皇は724年に即位されました。
天平9(737)年に大流行した天然痘では人口の約3割が命を落とし、当時政権を握っていた藤原武智麻呂・房前・宇合・麻呂の藤原四兄弟もこの病によって全員死亡しました。天平時代は旱魃・飢饉が続き、大地震もあるなどして社会が不安にさらされた時代であったようです。おそらく、社会不安は今日のコロナ禍の比ではなかったと思われます。
このような社会状況の中、聖武天皇は社会不安の除去と鎮護国家を念じて大仏の建立を発願したものと伝えられています。制作開始は745年、完成752年。
仏像は、私には人の形を仮にしている精神性を秘めた「あるもの」のように思えます。
今回、コロナ禍で奈良の大仏さんを拝観しがら、今から千三百年前、天然痘を始めとする自然災害に対応、苦悩されている聖武天皇をも想いました。
そして、国家指導者としての聖武天皇を勝手に想像しながら、今回のコロナ禍での安倍元首相、菅前首相を思い比べていました。
10月31日は衆議院議員選挙の投票日です。国政選挙は毎回大事ですが、このコロナ禍で露呈した日本の国力の著しい衰えを思いますと、今回の選挙は特に大切のように思えます。
若者が主役となってこの国の形を作ってくれることを願って、このコロナ禍での2年間、更にはここ10年間、議員、国の指導者、政党の言ってきたこと、行ってきたことを今一度思い起こしながら、貴重な一票を投じたいと思います。