信心が バラバラ古仏 再生す
金剛力士立像
東博創立150周年記念国宝展
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今回の展示会で撮影可なのは、この金剛力士立像と菱川師宣の見返り美人図だけでした。
この金剛力士立像は今から900年前の平安時代に作られて滋賀県栗東市・蓮台寺の仁王門に置かれていましたが、昭和9年の室戸台風で門もろとも倒壊しバラバラになってしまったそうです。この散乱した部材を30年以上保管した地元の方々のお蔭で、美術院(仏像を修理する機関)が今回2年かけて修理し、元の姿に戻ったとのことです。
仏を敬う信心が900年、脈々と今に生きる地元の人々と仏師に受け継がれ、この古仏が蘇った、そう思えてなりません。
立像とその壁へのシルエットを意識したであろう東博のレイアウト&ライトワークにも暫し感心していました。