住職に 魅せらる外(と)つの 国の人
寺再興に 喜捨年々
新緑に 墨染め幹の 美しく
以前に、大悲閣千光寺のご住職・道忠さんは、「話せば話すほどこのお坊さんの人間的魅力に惹かれてゆきます。・・・お寺に通われながら、長年、寺の再興にご尽力されおられるそうです」とご紹介しました。今に後悔しているのですが、ご住職さんと京都の絶景が見られる崖造り本堂内の写真をどういうわけか撮っていませんでした。少なくとももう一回は訪れたいと思っています。
ところで、写真に撮りました石段と石の手すりのある参道は、以前は往来に危険な状態でしたが、お金が不足していたために手を付けられていなかったそうです。お住職さんのお人柄と法話に魅せられて再三参拝に来られる訪日アメリカ人の方々が見かねて毎年寄附をされ、これを元手にして今のように整備できたとのことでした。
崖造り本堂内はそんなに広くはないのですが、法話会の時に使われる長机がたくさん配置されています。そして、その全ての机の上には、仏教の教えや格言が印刷されているA4,ないしB4サイズの用紙が参拝者用に所狭しと置かれています。これらのほとんど全てに日本語版とご住職さんが翻訳した英語版があります。外国の方が法話会に来られる時、住職さんは一生懸命英語で話されますが、その場にはたいがい日英両語に通じる人が一人は居て、助けてくれるそうです。あけっぴろげに大声で話されるご住職の法話は次回是非聞きたいと思いました。このご住職さんに魅せられて日本に再三来られるアメリカ人のお気持ちが、よく分かるような気がします。
新緑に深くおおわれる嵐山のこの参道、緑の逆光で墨染めのような幹や枝振りに静けさと奥行き、力強い生命力を感じます。