京民家豪勢紅葉のはみいづる
真如堂近くの民家のらしき煉瓦造りの高い塀から紅葉(こうよう)見事なもみじが道に食み出ていました。渡月橋のところの民家の紅葉も見事でしたが、他所ではなかなか見られない京都ならでの光景かなと思いました。
真如堂は永観2年(984年)に建立され、正式名称は鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざん しんしょうごくらくじ)。「極楽寺と名乗る寺は多いが、ここが正真正銘の極楽の霊地」という意味を込めて名づけられたとのことですが、この開祖・戒算上人はかなりの自信家だったのかもしれません。その本堂を表す「真如堂」が通称として定着したとのことです。
真如堂は2回目で、いずれもバス停から東参道経由で本堂に行きました。これは裏道かも知れませんが、そのせいか、真如堂が塀で囲まれているという感じはありません。ある意味、開けっ広げなお寺さんのように思います。
京都のお寺の「もみじ」は、私には寺々で色や紅葉・黄葉振りが微妙に異なるように見えます。真如堂の「もみじ」は、一本一本の木が大きくたくさんの葉を付け、それが見事に色づいています。楓の大木の深紅は強烈です。他のお寺の「もみじ」よりも重量感があるというか、野性的というか、たくさんのもみじが低く垂れこめ、山の中で雲に出会い包まれるように感じます。
お日様ともみじ織りなす炎かな
天空にもみじ鮮やかグラデーション
流れゆく雲のごときのもみじかな
天空のもみじ降りくる雲のごと
境内の小径に紅葉暖簾かな
径おほふ朝日に映ゆるもみじかな
一本のもみじ視界一面に
真如堂 色澄みきりし紅葉かな