疫祓祈願かはらぬ今むかし
みなのこと願ひし春の成田山
疫祓(えきはらい)、成田山新勝寺にて


今から約1300年前、帰還した遣新羅使人たちから平城京に天然痘が蔓延し、政権の中枢にいた藤原四兄弟も罹患して死亡した、と中学か高校の歴史の時間に習いました。時の権力者も恐怖におののいたことと思われます。この国家的危機を乗り切るため、聖武天皇は奈良の大仏造立を決断したと言われています。
成田山新勝寺のご本尊は、「お不動さん」の呼び名で親しまれている不動明王で、大日如来の成り代わりとのこと。日本にワクチンがまだ入ってこなかった本年3月、自他衛の他には祈ることしかなす術(すべ)もなく、成田山にお詣りしてきました。お山の護摩は迫力があり、とりわけ、巨大な大太鼓の響きには堂内と私の体内が共鳴しました。
1枚の写真の中央に大きな剣が佇立しています。これはお不動さんが右手に持っている剣と同じで、「倶利伽羅剣、倶利迦羅剣(くりからけん)」と言われるものだそうです。人間の煩悩108つの中でも代表格の貪瞋痴(とん・じん・ち)の三毒を破る智恵の利剣で、貪は「むさぼり」、瞋は「怒り」、痴は「おろかさ」とのことです。