こねこねっこねこ ＃５４

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

よっとっとっと！

この木がここ最近のぼくのお気に入り～
高い所は多くのものを見渡せるから好き～

ぼくよりあんなに大きい人間や車や家があんなに小さく見える。
ホント、ぼくが作った粘土ぐらいの大きさ
それが、遠くで小さく動いている。
何か面白い。

今日は風が穏やかで気持ち良いや。
ちょっとまだ冷たいけど・・・

高い所は好きだけれどあまり高くに上りすぎると降りられなくなるから注意しないと・・・
無理しないで上るのが一番。

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃５３

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

あれ？
ちょっと出かけて帰ってきたら大きな階段がある。

トットットットットッ！

おお～。高い。高い。
いい眺め～。

「ああ！トコちゃん！そこに乗っちゃダメぇ！」

何だ？何だ？めぐちゃん怒っている。
いつもはタンスに乗っていても何にも言わないのに何で怒られなければならないんだろ？じゃぁ降りようっと・・・

トン

あ・・・人形がぶつかって落ちた。

コテッ！

あ、落ちて首取れた。

「あ・・・うぅぅぅ・・・わぁぁぁぁぁ！！」

めぐちゃん泣き出した！
ぼくが泣かしたのかな？
人形落としたのぼくだもんなぁ・・・
どうしよう・・・

「何でこういう時にママいないのぉ～」

・・・

「ただいま～」
「ママ～。トコちゃんがお内裏様、壊した～！」
「ええ？ちょっと待ってて～」

スタスタ

「あ・・・本当ね。でも、これぐらいなら簡単に直るよ」
「直せる？」
「首が取れただけだからちょっとくっつければ・・・直ると思うよ」
「本当に？」
「本当。あ・・・ちょっと上を見てみたら？」
「あ・・・変な形の粘土が置いてある」
「きっと、トコちゃんが代わりに作ってくれたんじゃないかな？」
「ふふふ！似てないけど」

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃５２

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

そういえば粘土が柔らかくなってきたな～
ちょっと前までは同じ時間でこねていたらカッチカチだったのに・・・
春ももうすぐそこに来ているんだろうな～

春はいいよね～
気温も丁度良くなるし、花もいっぱい咲くし、特に桜がいいな～
でも、夏も捨てがたい。
暑いけど、日も長いし、草むらの中に入るのは楽しいし、虫とじゃれあうのも楽しい。
と言っても、秋もいいんだよな～
気温もまた丁度良くなってきて、紅葉は綺麗だし、お魚美味しいし
そう考えると冬は～
寒いけど、コタツの中にいるのは極楽～。
あの気持ち良さは他の季節では味わえない～

全部、良い所があってどれもいいな～
一緒にはやってこないけど、それを楽しみに１日１日過ごしていこ～

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃５１

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

外は寒いけど、日向ぼっこしてると温か～い。
座布団に寝転がったら、眠くなってきた～。

Ｚｚｚ・・・

パシャッ

Ｚｚｚ

「これもカワイイね～」
「私はさっきの方がすきね」

パシャッ

ん？何だろう？

「トコちゃん起きちゃったよ」
「起きた所も撮っておこうか？」
「うん」

パシャパシャ

うるさいな～。
ぼくに変な道具を向けて～
ぼくは眠いんだから眠らせてよ～

パシャパシャ

うう～。
やめてって！！

「トコちゃん怒ったみたいだよ」
「でも、怒った所もカワイイね」
「うんうん。カワイイ。カワイイ」

怒ったのに、何か喜んでる・・・
もう目を覚めちゃったよ。
散歩行って来ようっと・・・

「待って～トコちゃん！色んな写真撮らせて～」

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃５０

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

ご飯～ご飯～♪
今日のご飯は何だろうな～♪

ん？何だ？
お皿に乗っているこの黒っぽい板は？

クンクン・・・
う～ん。甘い匂いがする。
けど、こんなの食べたくない。

・・・

「トコちゃん！チョコ食べてない！」

お腹減ったから、ご飯頂戴～。

「せっかく、作ったのに・・・ううぅぅ・・・」

めぐちゃん。どうしてそんな顔をするんだろ？
これを食べなかったからかな？
でも、こんなの食べ物じゃないよ。

じ～

そんな顔されたって食べられないものは食べられないって！

「めぐちゃん！トコちゃんは猫なんだからチョコは食べないと思うよ」
「でも、作ったからあげたのに・・・」
「トコちゃんには分からないんだよ。ホラ、お魚あげると喜ぶよ」
「は～い」

やったぁ！お魚美味しいな～。

「・・・。チョコをお魚の形にしたら食べてくれるかなぁ？」

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃４９

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

ぼくは「こねこねっこねこ」

パラパラ！

ん？何だろ？何か部屋中に撒いているけど・・・

パラパラ！

マメみたいだな。それと何か言っている。

「鬼は外！福は内！」

今度はこっちに来た。

パラパラ！

「鬼は外！福は内！」

な、何か怖いぞ。嫌な気がする・・・逃げよっと！

「トコちゃんは外行かなくていいんだよ！内に入ってきて～！」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃４８

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

ぼくは「こねこねっこねこ」

狭い部屋。
部屋いっぱいに広がる薬の匂い。
得体の知れない道具の数々。

そこにいるだけで嫌な気がしてならない。
あ、人間の女が出てきた。
白い。嫌な白だ。

「猫ちゃんはどうしたんですか？」
「くしゃみばかりするので風邪を引いたのかなと思いまして～」
「風邪ですか・・・ちょっと見てみましょう」
「はい」

な、何をするんだ？

お腹触ったり、耳の中に機械突っ込んだり・・・
怖い～。

「引き始めという所ですね。念のため注射を打っておきますか？」
「注射ダメ！トコちゃん。可哀想！」
「でも、めぐちゃん？風邪で辛い思いするのトコちゃんかもしれないんだよ」
「でもぉ～注射はすごく痛いから・・・」
「注射はすぐ終わるけど、風邪を引くと長いからね～。先生」
「ずっと外に出られないのは猫にとっては凄く辛いことね」
「ね。トコちゃんの事考えて・・・ね？」
「う、うん・・・」
「先生も上手くやってくれると思うよ。きっと」

何を話しているんだろう？

「では・・・トコちゃん。すぐ終わるからね～」

こういう甘い声を出すときが一番信用ならない
って体を抑えられた！

「ううぅぅ～・・・頑張って～トコちゃん」

うわぁぁぁぁ！

「ハイこれでおしまい。後はお薬も出して起きますからそれで元気になりますよ」
「痛いのに良く頑張ったね～。トコちゃん」

本当に病院、嫌だ。注射痛い。怖い。
帰った後のご飯は何か混ぜてあるみたいでいつもよりまずいし・・・

でも、何かくしゃみが出なくなったな～
それだけが良かったのかなぁ？

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃４７

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

車が止まった。

あ！ここは病院じゃないか！

前も来たんだよな～

きっと注射されるんだろうな～

やだ！やだ！やだ！帰る！痛いのやだ！出してここから！

ガリガリガリ！

「ダメだよ！風邪気味なんだから～」

ガリガリ！クシュン！

「ほ～らやっぱり」

うう～・・・どうにかして逃げられないかな～

あれ？

「誰か助けて～！こんな所にいたくないんだぁ！」

猫だ。ぼくより小さい猫だな。ぼくと同じように籠に入れられてる。

あんなに騒いでみっともないな～

「あれ？トコちゃんが大人しくなったよ」
「もう諦めたんじゃない？」
「トコちゃん。偉い。偉い。トコちゃん。呼ばれたよ」

あ・・・

あっちの部屋は・・・

やだ！やだ！やっぱりぼくは帰るんだぁぁぁ！痛いの嫌だぁぁぁ！

「あんな猫にはなりたくな～い」

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃４６

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

クシュン！クシュン！

じ～っ・・・

ん？見られてる

「トコちゃん、風邪引いたかしら？」
「さっきもくしゃみしていたよ」
「病院に連れて行こうか？」

何か嫌な予感・・・
ちょっと離れよう・・・

「トコちゃ～ん。トコちゃ～ん」

甘い声で誘う時って大体、嫌な事ばかりなんだよな～

「トコちゃ～ん。ここに美味しいご飯があるよ～」

ご飯で釣ってもそんなハウスには入らないよ～だ。

「トコちゃん。これ大好きなおもちゃだよね～」

おもちゃで釣ってもダメだよ～だ。

「トコちゃん。粘土だよ～」

粘土でも、ダメだよ！ダメだったらダメ！

こねこねこねこね・・・

「・・・」

こねこねこねこね・・・

「・・・」

こね・・・

「もうダメだ！」

バッ！

ジィィィ

後ろの方で何か音が・・・
あ！後ろが閉まっている！
うわぁぁぁぁ！行きたくないよ～

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

こねこねっこねこ ＃４５

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる

掃除の後はみんなゆっくりしている。
何日か前の忙しさが嘘みたいだ。

そうしたら今度はいっぱい知らない人が来るな～
おじいさん。おばあさんも来た。

それにしてもあの白い伸びる四角いのはなんだろう？
ちょっと触ったけど何にもならないのにあの機械に入れると伸びるんだよな。
粘土みたいに楽しいのかな？

チーン

「餅をトースターから出して・・・きなこ餅を作るからきなこと砂糖を・・・」

お！ちょうど機械から出したのがあるぞ。

プニュ・・・

粘土より柔らかい・・・
両足でと・・・

ミニョーン

あつあつつつつつ！！
伸びた部分が熱い熱い！熱い！！

「あ！トコちゃん何やっているの！」

わ！見つかった！
逃げろ！

スタタタタタタ！！

逃げ切れたけれど・・・
ふぅふぅ！
あんなに熱いなんて思わなかった・・・
あの四角い白いの・・・

きっと帰ったらまた怒られるなぁ・・・
はぁ・・・

ぼくは「こねこねっこねこ」

こねこね
こねこね
今日も粘土をこねこねしてる