髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 4日目昼間(最終回)~

2014-09-15 21:00:20 | 自転車旅行日記
前回までのあらすじ~
コンビニで休んでいると話しかけられることが多かった。
中には

「息子に(髭人の)爪の垢の煎じて飲ませたい」

と、言われるほど(殺したいの?)
幕張辺りを越えたあたりでビジネスホテルに泊まった。
丁度その日に近くで花火大会が行われて、方向感覚を失い迷ったものの
宿に戻って休みました。




ピーピーピーと腕時計のアラームに起こされた。
昨日や一昨日の朝のように、深夜起きる事も無かった。
恐らく、相当疲れていたからこそ起きなかったのだろう。
それともこの環境に慣れたから安心を感じていたからなのか?
その理由は定かではないが朝起きてみるが体が何かだるく朝からサッパリ!って感じではない。
一応、頭を起こす為にテレビを付けてボーっと見つめる。時刻は「4:30」ぐらい。
風呂場で軽く石鹸をつけてバシャバシャと洗って干していた下着などをバッグに仕舞う。乾いては無い。
湿っていた。だから、バッグの重量は増す事だろう。重くはなるが下着は使い捨てではないので、しょうがないと仕舞った。
1日目や2日目の宿はベッドに対してその日の宿は布団なので、ちゃんと敷布団や掛け布団を畳んで置いておく。
(当たり前だからわざわざ書くほどの事ではないのだが…)
持ってきたもので散らかっていた部屋をサッパリと片づけて部屋を何度か見て、忘れ物が無いか最終確認をする。
「5:00」ちょい前だったか、バッグを背負う。

痛い…

何日も長時間、リュックを背負いつづけているので肩に跡が付いていた。
初日の夜に風呂に入る時に気付いていたんだけど、真っ赤にまるで日に焼けたような感じで

「ここだけ日焼け?」

などと思ったが、それがリュックから来ている物だと後で知った。(今頃?)
極力、肩が擦れないようにして、歩き出す。今日の目標は決まっている。

家に帰る事、それだけである。

鍵を昨日、爺さんに言われたブロックの穴に置き、自転車に跨る。
お尻は痛いが幸い足の痛みは深刻な物ではなかった。

「行けそうだ」」

走り出して、コンビニで朝食を取る。
眠かった頭も少しはスッキリして注意力は悪くはないようだ。
食べてから休んでいても帰れないので走る。走っている時は何を考えていただろうか?
行きは景色を楽しんだり、周りの事を気にしたり、今日は何処まで行けるのだろうか?と考えたり余裕があった。
その時は、もう自分の事以外に考えるのはない。

「体が痛い」「何か車や自転車が飛び出してこないか?(周辺確認)」「今日中に帰る」

という事である。
コンビニで休み、休み、どうにか千葉を越えて東京に入った。時間は「8:00」前…
次第にビルなどが建ち並んでスーツ姿のビジネスマンの数も増えてきた。

歩道は危険だなと、車道を走る。車道は2~3車線あって、狭く1車線だった時と比べてマシのように思えたが、時折ある駐車車両が邪魔だった。
そのせいで道路の内側に入らなければならなくなる。しかも駐車車両が急発進する事だって考えられる。
歩道に入れば人、人、人、かと言って車道は危険と隣り合わせ。
だから車道と歩道を行き来しながら、走る。それを判断するのは自分しかない。
だがこういう駆け引きみたいのがあるのは俺的には好きだ。(何、浸ってんねん)
スリルの感覚が好きなのか危険な感覚かも知れない。
前に方向感覚を失って右往左往していた日本橋を越えて、すぐに東京駅が見えてきて後は知っている道まで走り続けるだけである。
新宿まで5kmという標識が見えてそこで休憩しようと思ったけど、無理だった…
なだらかで長い傾斜が俺の行く手を阻む。それなら傾斜はきつくても短い方が良かった。
低くて長いのよりも高くて短い方が時間の節約になるからだ。低いのなら走れって思うだろうけど、俺の体がそれを拒否する。
体が勝手に

「降りろ。無理!歩け」

と命令する。疲れもあってその命令に反抗したいという気持ちは起きなかった。
コンビニでも無いようなちょっとした出っ張りに腰を下ろしてコールドスプレーを吹きかける。
路上の脇なのでズボンを脱ぐわけにも行かないのでズボンの上に吹きかける。
素肌に掛ける冷たさはないが結構冷たかった。と、コールドスプレーの出が悪くなってきた。
結構、大きめのを持ってきたんだが、それでもかなり減っているという事は、相当使っているって事である事は言わなくてもわかるだろう。
使っているという事はつまり、俺の疲労もかなりのレベルまで来ているという事であろう。(回りくどいな)

新宿駅を通過する。通りが逆だったという事で人の数はそれ程多くなかった。
新宿を越えてからはちょっとアップする道を走る。「9:00」か「10:00」
力を付ける為におにぎりを食べる。
定例って思えた。パンでも良かったんだけどどうもパンってスカスカしてそうで、力が増えないような気がしたので買わなかった。

「やはり俺って日本人だな…」

と実感する。まぁ米を食べる民族は日本人だけじゃないけどね…
その日は道の日って事もあってか警官が道路に出ている事が多かった。
その内の一人のおじさんが信号待ちの時に

おじさん「何処に行くんだい?」
髭人「もう○○のうちに帰るだけです」
おじさん「どこに行ったんだい?」

行った所とか、何日で周ったとか話して

おじさん「気をつけて帰れよ…」

と励まされて走りつづける。標識で「地元まで後20km」と走れば走るほど「18km」「17km」と減ってくる。
その減ってくる感じが妙にうれしい。
地元につくまでの辛抱である。って地元についたってそれから家に帰るまでがある。
標識に20kmと書かれていても実際の所、家に着くまで+4~5kmと見て走る。
走っているうちにその時、俺は何を思ったのか、帰るルートを少々変更する事にした。
川沿いに行く事にしたのだ。気分を変えるためという所だ。車道は狭くて危ないし、歩道も狭くて人や自転車がいると邪魔である事この上ない。
その川は行きに渡ったのでいくら川沿いの道を見たことが無くても走る方向さえ間違えなければ走っていれば家に帰れることは可能である。
まぁ地図もあるし
川沿いに着くと見た事があるようなないような道だった。恐らくそれは昔、父と遠くに行ったときにに通った道だったからかもしれない。
小5,6の時、オッサンに連れられてやっぱり自転車でうちから羽田空港まで行った事があったのだ。
ガキの頃を思い出して、日差しが強くなる中走る。日焼け止めは塗ってある。
向かい風が吹いて、疲れたら大きな橋の下で一休みし、相棒に乗る。単調なそんな繰り返しである。

昼になって昼食を食べる。コンビニの昼食である。サラッと食べて、走る。
走りつづけていると見覚えのある地に着いた。家まではまだあるが、何度も来た事がある所だ。
そこでプールがあった。沢山の人が泳いでいた。俺も泳ぎたいと思った。水着は持っているのだ。
あそこに入ればどれほど気持ちいい事か…でも水に入るのはちょっと危ないかと思った。ただでさえ疲労しているのにこれ以上疲れたら帰るのに更に問題になるだろう。
気持ち良さそうに泳ぐ子供達を見送り、木陰で休憩を取る事にする。

「これが最後の休憩だ…」

ペットボトルに入れた温くなったお茶を飲み干して、立ち上がる。重いリュックを背負う。
肩は痛くてもう痺れている感じだった。ハンドルを握ってサドルに座る。スタンドを蹴ってペダルを踏む。
1つ1つの動作を確認する。

家まで後もう一息である。目の前の橋を渡る。それは地元との境と言える橋である。
そこを渡って、大きな坂が立ち塞がる。気力を振り絞って立ち漕ぎで越えたい所だったけどそんな元気は残っていなかった…
歩いて越える。相棒に声を掛けた。「やっと帰れる」って事を…
傍から見たら異常者だな…
坂を上りきって下り道、風を全身に受ける。テンションは知らず知らずの間に高ぶった。そしてやっと学校の登校する道に来た。しかし何故か不思議な気持ちに捕らわれた。
何時も通る道なのに

髭人「ここは俺の地元なのか?」

と…記憶はあるのに確信を持てないという半信半疑。ずっと知らないような道を行ってきたからか疑問があった。(よくわからない感覚)
知っている道、家までの道、当然ちゃんと知っていてその道を確かめるように走る。
我が家が見えてきた。そろそろ長い間住んでいる家だ。家の前に着いて、実感は持てなかった物の、やっと帰って来たと思う事にした。
でなければ俺の帰り着くべき場所がわからないから…
長かった…長い道を行き、やっと家のドアに手を掛けて中に入った。
15:00ぐらい。無事に家にたどり着くことが出来ました。



短くあとがき

特に語る事もないかな。
全7回のこれらの文章がすべてだから。
髭人の中の人生の財産のうちの1つという所かね。
若いころに何かやるってのはいいこと。いいこと。
今、やりたいという気はない。
というか行きたい場所がないからな。
じゃ、再び房総一周をしてみてはどうかって?
そんな振り返りながら行くような旅でもなかったからな。
髭人の思い出の中にしまっておくとしますよ。

そんなところでここまで読んでいただいた全ての方に

ありがとうございました!


来年夏には、ブログ上で「自転車旅行日記 ~新潟編~」をアップするはずなのでその時までお待ちください(笑)

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 3日目夜間~

2014-09-08 21:00:50 | 自転車旅行日記
前回のあらすじ
クソな主人がいる宿を後にして
前に九十九里に来た場所を経て、コンビニで休んでいると通行人のオバちゃんが声をかけて来たのでした。


その通行人のオバさんは、俺を見るとやはり

オバちゃん「どこから来たの?」

と聞いてきた。もう慣れたというか、普通に受け答える。
聞かれた事と言えば何時、どこから、どこへ、そんな所である。
しかしこのオバちゃんは前例がなかった。どんな所が前に無かったかと言うと…めっちゃべた褒めなんだよね。

オバちゃん「すごいねぇ…最近の若者は家の中でインターネットとかやって何事もやる気なくて…」
髭人「は、はぁ…」

と照れるしか有るまい、俺的に言わせれば

髭人『誉められるような事はやっちゃいない』

って気持ちでいる。ただ遠くに目的地を決めて自転車をこいでいる二しか過ぎないのだから…
オバちゃんのべた褒めは続く。

オバちゃん「うちにも息子がいるんだけど、あなたの爪の垢煎じて飲ませたいよ」と…
髭人『おいおい、オバちゃん…俺の爪の垢なんか煎じて飲んだらどうなるかわからんよ…』

腹を壊すとかって訳ではないというのは分かるだろうけど、
俺の爪の垢を飲んで俺みたいな人が出来たらどうなるんだろう?きっと死にたくなるな…(苦笑)
と、数分間のべた褒めに

髭人『ハハハ』

と、内心は乾いた笑いをしつつ聞いていて、おばちゃんは去っていった。

髭人「よし…行くか?」

と、立ち上がって相棒に跨る。それだけ誉められたから気力は出た。
その時通っている道は今回で3度目となる帰りである。大きな道、ちゃんと自転車が走行するには十分な道がある。
歩行者にもそれ程気にする必要はない。気楽に走った。すると、一昨年、二日目に野宿した大きな公園が姿を現す。

髭人「懐かしい…やっぱりここなら野宿は可能だな」

と思った…
かなり広く、目に付きにくい所は沢山ある。変な輩に襲われる事も相当運が悪くなければ無いと思った。
その代わり、襲われた場合、助けられる可能性も殆ど無くなるって事だけどね…
時間はあるのでもちっと進んでみようと思った。そうすれば次の日の帰りも多少は楽になるからだ。
しかし、幕張って所に着いたんだが、そこが俺をかなり不愉快にさせた。
何でか?横断歩道が無いのだ。だから道路交通法上ではここは歩行者並びに自転車は渡ってはいけませんというのだ。
じゃぁ反対側に渡る場合はどうするのかと言うと、自転車も行ける。歩道橋があるのでそこを渡れと…
そんな道路交通法を律儀に守っている奴もあまりない気がするけど…
って俺は何でか知らんけど守ったけど…(疲れていたのかもしれない)
そういう所ってのは車の運転手は大丈夫だろうと奢るからな。

「ここは横断歩道が無い。だから飛ばして大丈夫だ」

髭人「幕張は歩行者を蔑ろにしている!!」

とかって罵声を言いながら、進んだ。(やっぱり疲れているんだろうな)
そして、幕張の次にある大き目の町、船橋に着いた。その時時間は17:00ぐらい。

髭人「そろそろ宿探しかな」

と、船橋での寝床探しを決定する。
と、通りを走っていると「本日、花火大会あり」の看板立っていた。

髭人「へぇ…タイミングいいな行って見るか?」

一応今回の旅で花火を見るチャンスは有ったのだ。
2日目、白浜のひとつ前の町、館山って所でやはり「花火大会あり」の看板があって、屋台なども沢山出ていたから。
でも先を急がなければならないと思って断念せざるを得なかった。その時点で昼過ぎだからな。
夕方までの時間が勿体ないし、1人で花火を見るのにそこまでする必要があるのかと…

だが今回は「今日はここにするか」って所で花火大会である、見る機会はあるって事だ。
じゃぁサッサと寝床を交番に行って聞かなければと思った所、

髭人「あ、もしかしたらヤバイ!」

と思った。
その理由は花火大会となれば、警官は花火会場での警備に追われるんじゃないかと…
その時間はまだやってないにせよ、警備の打ち合わせを綿密にやっているはずだと思った。
ある花火会場の帰りの道の歩道橋で将棋倒しが起きて、子供や老人、十人弱が死亡したって事件があったから
普段より増して警備の打ち合わせなどはしっかりやっているだろうと…
そうなると交番は使えないだろうと思ったわけだ…

髭人『ここら辺の地元の人に聞いてみるか?』

と、思うが、俺は地元のホテルなどあまり知らない。

髭人「俺が知らんのだから、期待出来ないかなぁ?そうなると、次の町に行かないといけないのか?」

花火はいいと思ったが花火が俺が泊まる事の足を引っ張る事になろうとは…花火見ようかと心を躍らせていた時には想像も付かない事だった。
それでどうにか泊まれる場所を警官や人に聞いて探し出すか、先の町に行くか迷う。
ちょっと止まって考えていたらふと、目の前に「ビジネスホテル」の看板があってその受付に入ってみた。
自動ドアが開くが誰もいない。

髭人「おいおい…やっているのか?」

と、思っているとドアが入った時に人が来たら感知するようなセンサーがあるのか、ピンポンと奥の方で音がしてそこから老人が現れた。

爺さん「はい?」
髭人「ここって素泊まりできますか?」
爺さん「出来ますよ」

そして一番聞きたいことを聞いた。

髭人「一晩いくらでしょう?」
爺さん「4000円」
髭人『安い!!』

3日間で最も安いではないか!俺は即OKを出した。手続き中に

爺さん「あんたどこから来たんだい?」
髭人「○○って所からです」

と返して何でそうするのかとあまり聞かれた事が無い事を聞かれ

髭人「こういう事って若いうちにしか出来ませんからね…」
爺さん「ワシが若いときは戦争で7年もいた…」

と、しみじみと呟いた。
想像を絶する事なので俺は特に何とも返せなかった。まぁ、返して良い事もないしな。
ただ生きる時代ってのもあるもんだなって痛感させられた。
それで4000円+消費税を支払って部屋に案内される。
とてもいい部屋であった。エアコンも良く効いてたし、結構広め、文句無しである。

爺さん「ええ、盗難が多発しているからちょっと出る時も鍵は閉めてください」

と言って、老人は出て行った。
『ドアにも施錠してください』って張り紙があったし、恐らく最低1度は盗難に遭っているのだろうと思った。
老人が去ってから寛ぐ。テレビもあってちゃんと映る。2日目の宿、料金で敗北しているのだからもう完敗である。
ちょっとテレビを見て明日の天気予報を確認して風呂に入った。風呂場に鍵は持ち込んだ。(神経質になり過ぎな気もするが)

髭人「お風呂に入るんで鍵を預けた方がいいですかね?」
爺さん「風呂場に持っていけばいい」

と言われたからね。しかし、足も痛かったけどお尻が異様に痛い。
シャワーをちょっと掛けたらそれだけでかなり来たからね…
にしてもシャンプー、リンスの種類が沢山あった。老人が買ったとするなきっとどんな物かわからないから適当に買っておこう。と思ったに違いないだろう。
お風呂を出て、足を揉む。暫くしてから夕食を食べに出発である。爺さんに鍵を預け、道を歩く。

ペダルを漕ぐ筋肉と歩く筋肉は違うようでそれほど痛くはならなかった。
花火大会開始は7:30、現在時間は7:20、通行人は花火大会に行くような人が多かった。
俺は佳境に入ってから見ればいいと思ったので適当に歩いて夕食を食べられる店を探してそこに入った。
そこはラーメン屋で、ギョーザとのセットを食べました。
結構美味しかったけど、昼のけんちん汁と比べればやはり劣る…食べていたら20:00…
花火の音がして食うのにあまり集中できなかった。
外に出て、音は聞こえるのだが花火が見えない。
『遠いのか?』と思って通行人に声を掛けた。

髭人「花火大会は何処でやっているんです?」
通行人A「私は花火大会には行かないからね~」
髭人『やべぇな…ここまで来て見れないのは痛い…』

また通行人が来てその人に聞くと

通行人B「花火大会?前の通りの信号を左に曲がって直進だよ」

と、教えてくれたので行って見る事にした。少しすると花火が見えて思わず

観覧客「おおお!」

と言うんだけど、前の大きいマンションが邪魔で全体が見えない。

髭人「もっと前に行くか」

前に進む。花火も大きくなって、人も多くなってくる。するとやっと花火の全体を見渡せる所まで来る事が出来た。

ヒュー!バッバーン!

と大きな大音響と共に空に咲く色とりどりの花…
暫く、その光の舞台に魅せられた。暫し疲れを忘れた。
と、チリチリとちょっと散るのを見ていると何かいいようのない寂しさにとらわれた。

髭人「だが、一人で花火大会か…」

と、自嘲気味に思った。
花火大会を一人で見に来る奴なんてよほどの花火好きじゃなければ来ないだろう。
それが、何か空しかった。誰か隣にいて欲しかった。この感動を共有、出来る仲間がね…
でも花火は自体は楽しかった。今まで色々と苦労してきた甲斐があったように思えたから…
きっと神様がその苦労を見て善処してくれたのだろう。ありがたい事である。

心の中で『たまや~』とか『かぎや~』って叫んだ。
誰も言ってないのに一人、そういう行動に走ると奇異の目で見られるから、それに静かにしろとか言われそうだし。(気合で言ってやれッッ!)
花火大会も終盤、小さい子を連れて家族連れもいた。やはり将棋倒し事故を考慮してだろう。
俺は最後まで見た。客も帰り始めて、俺も帰り始める。すると俺は沢山の人の間を歩いていると、ある物を失った。
ある物?物じゃねーな。ってここでクイズをしていても仕方ないので明かしてしまうと

髭人が失ったのは方向感覚です。

髭人「あれ?俺、こっちから来たんだよな?いや、違ったっけ?」

と、焦る。周囲の人に

髭人「国道○○号ってどこにあります?」
通行人C「すみません…私、地元じゃないんで…」

と返される。2~3人に聞くが反応は同じであった。

髭人「やべぇ…こんな所で迷うのかよ…」

で、近くの居酒屋の人に聞いてみることにした。

髭人「駅ってどこにあります?」
店員「人が歩いている方」

と、言うので歩いていくと見つけました。(すげーわかりやすい)
駅…一安心して宿の方に向かう。いくら方向感覚を失っているとはいえ1本の道であれば左右の違いしか間違いはない。
駅の前の道が国道だからそこを歩いていけば着けるという物である。
宿に着いて、うちに電話したりして老人に聞く。

髭人「明日5時に出たいんですが…」
爺さん「そうだね…じゃぁ、ここに鍵を置いてって下さい」

と、古くなって使えなくなったあアーケードゲーム台の下に指定されて

髭人「わかりました」

と答えた。
部屋に戻って歯磨きしたり、コールドスプレーを吹きかけたり、足を揉んだり、テレビ見て眠った。

時間は23:00。




今だから感想~

もう少し社交的であればね~。
折角声をかけてくれたのに簡単な受け答えしかしていないもんな。
戦場に出たという宿の店主には

「本当に感謝の言葉もありません!
昔の若かった皆さんが勇敢に戦ってくださってくれたおかげで
私がこうして自転車旅行を出来る訳です」

ぐらいの事が言えれば…
まぁ、それは今も言えるか?
多少マシになったという程度で本質はあまり変わらない。

人見知り悲し~~~~!!


次回、最終回!!

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 3日目昼間~

2014-09-01 21:00:35 | 自転車旅行日記
前回のあらすじ
房総半島最南端、白浜に着いた髭人。
それから一周すべくそのまま進み、鴨川へとやってくる。
案内所で宿を紹介してもらい行くと
高い癖に、ドアが安っぽい、テレビ故障、部屋内の風呂使用不可という酷い部屋に入れられ
夕食を取れる場所を主人に聞くと休みという始末。
内心怒りが溜まるなか髭人は寝ました…



2時間おきに目が覚めた。0時、2時…そして4時に起きた。
一応テレビをつけてみる。映りが悪いので声を聞くぐらいしか出来ない。お茶を飲んで体を温める。
荷物を入れて、5時ちょい前に出る事した。
それで俺は思った。

髭人「あ、もしかしてあの主人、俺の言った事忘れて、手動にしてなかったらどうしよ」

と…
前日、早めに部屋を出たいから自動ドアを開けといてくれと頼んだのだ。
今回のクソ対応があって、俺は主人の事を全く信じてなかった。

髭人「まぁ…開いてなかったら叩き起こせばいいか?」

とかと、酷い事を思いついていた。(別に酷い事じゃない。正当である)
だが、客が言った事を忘れたら、相当問題がある事になるだろう。

フロントにキーを置く。そして自動ドアに手を掛ける。

「開くか?」

と力を入れるとズズズと開いた。

髭人「開いた。って開いて当然何だがな…」

出てから勿論、閉めて相棒の下へ…タイヤの空気は減少していない。(当たり前、心配しすぎ)
サドルに跨る。臀部と足が微かに痛い。

髭人「気合だ!」

と、ペダルを踏み込んだ。
近くのコンビニでコンビニ弁当を食べる。食べてから北上する。
道は広い。流石、「鴨川シーワールド」があるだけある。(それぐらいしか鴨川について知らない)
と、5時にその脇を通過した。
そこからもやはり山道である。上り、降り、上り、降りの繰り返しである。
しかも日が差してきて、日焼け止めを腕と首、顔にしっかりと塗りこんだ。
それにしても日焼け止めを塗って汗をかくと、毛穴の点々に浮き出てくるんだよね。
それをまた塗って、走る。鴨川では道は大きかったが、それから次第に道が狭まってきた。
その上、やはりトンネルである。行きの時のように狭い。暗い。危ない。
一番勘弁して欲しかったのは坂道にトンネルである。行きの時は平らな道にトンネルだったのでまだ良かった。
コンビニがある毎に休み、痛みを堪えて走る。
疲れは明らかに蓄積されていてそれが痛みとなって現れていた。
サドルという小さい部分に長時間に腰を掛けペダルを漕ぐという行為を続けるというのはかなり消耗するものだ。
しかも夏の暑い時期だからな。疲労するのは当然と言える。

痛みが酷くなってきたと感じたら、コンビニのトイレを借りて、ズボンを脱いだ状態でコールドスプレーを吹きかける。路上とかでパンツ姿はマズイからね…(意外に気にします)
そうそう。ペットボトルに飲み残したジュースを入れる訳なんだけど、だいたいお茶系だと残す。
甘いジュースは体にす~っと吸収されちゃうんだよね…
紅茶も飲んじゃうし。良くお酒は体に吸い込まれていくっていうけどそれと同じ感覚なんだろうか?
(甘い系を残すと後で飲むのがしんどい)

走り出して、既に時間は9時ぐらいになった。と、その場所は一昨年来た町。

髭人「ここからは知っている道か…」

と、前来た事を懐かしんだ。

髭人「そろそろ力を入れるか?」

と、コンビニに寄って、おにぎりを買う。(一昨年を)
駐車場でそのおにぎりを頬張っていると

男「どこから来たんすか?」

と若い男性が声を掛けて来た。
若いといっても俺から見て年上である。他人が俺とその人を比べたら過半数の人が俺の方が年上というだろうが…別に変わったことは無く受け答える。

髭人「今日は鴨川から」
男「鴨川?今日そこから来たんすか?ここから70kmぐらいありますよ」


髭人『珍しい人だって目で見ているのか?』なんて思っていたりすると

男「俺も高校生の時に伊豆半島を一周したんですよ」
髭人「伊豆?何日間でですか?」
男「5日ぐらいかな?最終日なんて帰るんだぁ!って200kmは走りましたよ」

つまりこの人は俺を見て、同類意識を感じたんだろう。あの時の自分もこんな感じだったと…(そりゃそうだろう)

髭人『1日200km…俺よりレベル高いな…』

と何となく敗北感のような物を感じた。別にその人と争っている訳ではないんだけどね…
敗北感?上には上がいるって所かねぇ?(つまらない対抗意識)
少しばかり同類同士で話して、その人とわかれて、また出発した。
一応、地図は見るものの、前来た道なのでそれほど気にせず走っている。
だいたい標識を気にするんだけど、だが、何か看板が置いてあるんだよね…
一応、自分の行くべき町があるので気にせず進む。
だが、渡った事のない陸橋がある。

髭人「ここはどこだぁ?」

と、地図を見るが見当もつかない。
しかも道が書いてある筈の案内標識がない。こりゃ、あんまり進むべきじゃないな。と、ちょっと戻ってコンビニの店員にでも聞こうと思ったら。そこに子供連れの主婦がいて、

髭人「ここはどこですか?」
主婦「え?ここはどこか?えっとねぇ…」

と、地図を覗き込んで今の場所を見つけようとしてくれるのだが。すぐには見つからない…

髭人『地元の人間なら今の場所ぐらい早めに見つけて欲しい物だけどねぇ…やっぱ店員に聞くべきか?』

と思うが、見守っている。折角、俺の為に調べてくれているのに、

髭人「もういいです」

などとは言えない。それに女性は一般的には地図に弱いと聞いた事があるから、待つ事にした。

主婦「ここがあそこだから…えっとここは…」
子供「ママぁ…」
主婦「ちょっと待っててね」

と良いお母さんって印象を受けた。(子供ちゃん、なんかごめん)

主婦「この道路、最近出来たからね~」

と、どうやらその地図には載ってない道路らしい。そりゃ探すのに手間取ってしまうのは仕方ないだろう。
で、

主婦「ここの辺りなんだけどねぇ~」

と、だいたいの場所が特定できた。

髭人「じゃぁこっちの方向に行けばこの国道に着きますね」
主婦「あ、そうね!それで、あなた何処から来たの?」
髭人「○○って所から、房総を周って…」
主婦「ええ?房総を?凄い…」

あまり無理をしている訳ではないが、その主婦にとってはすごいのだろうと思った。
それで深くお礼を言って、再出発
それから裏道に入るがだいたいの方向さえあっていれば大きい道に辿り付ける。それを確信していると見た事がある道に出た。「ここは!一昨年野宿しようかと迷った場所じゃないか…」と、その後、野宿場所などに行ってみてあまりの変わりなさに何だか面白かった。
国道に入ってずっと北上である。迷ったりして、もう昼頃になったので昼食を取る事にした。
場所は吉野家。そこでけんちん定食を食べた。
始めにけんちん汁を飲むのだが、これが旨すぎる…思わず風呂上りにビールを飲む人の如く

髭人「くぅ…」

とかって風に唸りそうになった。
俺は、今まで生きてきた旅行の中で、一番旨い物だと思った。
490円を支払う。たった490円で得られた至福の時、実に安上がりで庶民的な幸せである。(ただ一昨年感じた涙が出そうになるほどの旨さはなかった)

昼食も取って、再び出発、そう言えば追い風だったので進むのが楽で助かった。
房総半島もだいたい周ったので、千葉を横断するように進み始める。
するとすぐに山が現れる。この山が結構大きい物で、上るのも一苦労だった。
山を上がってからも辛い事は多かった。段差が多いのである。
段差と言っても階段があったりすると言う訳ではない。民家から車が出られるように、歩道がへっこんでいるのである。
他の場所でもそういうのは当然ある。(補修が行き届いていないというわけだ。まぁ歩行者もそんなにいない場所だしな)
だが、そこほど顕著に段差があるところは無かった。恐らく、相当昔に道路が作られてそのままなのだろう。
なら、車道の端を走れば良いという意見もあるのかもしれないが車道は狭い。その上トラックも通る。
これなら下手に歩道を作ってない行きの道のほうが遥かにいいと思った。
その時、今日の朝から臀部はかなり痛かったからその時の痛みは更に高まっていた。
段差は走る上でとても重要な要素だった。
どうにかこうにか山道を越えて、コンビニで休んだ。
すると歩行者に…


つづく

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 2日目夜間~

2014-08-26 21:00:45 | 自転車旅行日記
前回のあらすじ
前日、チューブを新品に取り換えたがバーストタイヤで走り続け、またパンク。
もうボロボロでタイヤを変えるしか方法はない。
車屋を見つけて自転車屋の事を聞いたら親切にも
自転車のタイヤとチューブを買ってきてもらい
内心しぶしぶ5000円を払いつつ、調子が良くなった自転車で快走する。
そして、千葉の最南端に「白浜」に着こうとしていた…

タイトルは夜間だがまだ、昼過ぎ(苦笑)




しかし着いてみると目的地とは名ばかりの地だった…
岩がゴツゴツしているだけなのだ。

髭人「おいおい…どこが白い浜だよ…白浜なんて名前なんて返上して黒岩ってした方がいいんじゃないか?」

などと思った(全部が白い浜でおおわれていてたまるかいな)。
一応、俺はその岩場に立って

髭人「ここが房総半島最南端か…」

と海を見ると波は結構荒れていた。
それから俺は

髭人「浜って着く地名なのに浜辺に行かないでどうする!」

と是が非でも浜辺に行く決心をして動き出した。
海沿いを走り続ける。近くのホテルがあってそこに宿泊客らしい人がいるので

髭人「浜辺ってありますかねぇ?」
人「浜?海岸の事?前にせよ反対方向にせよ3kmぐらいはあるよ」

と言われてお礼を言って出発した。
灯台があってその脇を通って浜辺を目指す。10~20分くらいして漸く浜辺を発見した!!

髭人「着いた~!」

と海の家の脇に相棒を置く。周りを見ると、結構多くの客がいる。客は若い男女というよりは家族連れのほうが多かった。
一応泳ぐかもしれないと水着は持ってきていたのだが、これからまだ走らなければならないので泳ぐのは中止になった。

髭人「昨日今日のアクシデントが無ければ泳ぐ時間も合ったろうに…」

と悔しがる。(全部テメーのせいだろ)
だけど浜辺まで来て見るだけというのもアホらしいので靴と靴下だけ抜いで足だけちょっと波打ち際に行き海の気分だけ味わった。
海は温く濁っていた…
その後、帰りはどうしようかと悩んだ。前来た3ルートのいずれかのうちで帰るか?
それとも房総半島をほぼ一周するような道を通って、一昨年来た道にいくか?(帰り道をまるで考えてない出たとこ勝負っぷり。さすが俺!)
時間は14:00過ぎだった。まだ時間は結構ある。俺は決断した。

髭人「3泊4日なんだ!今日ちょい走って、明日はずっと走りつづければ何とか明後日で帰れる所まで行けるだろう」

と…
それで汚れた足を拭いて、靴下を履き、靴も履いて、一応何かオリジナルっぽいものを残したくてペットボトルに砂を入れた。(高校球児かお前は!)
そんで海の家に入って

髭人「この辺でお土産屋ってありますかね?」
店員「お土産屋?灯台の方に行かないとないねぇ~」

灯台…さっき走ったところである。出来れば戻りたくなかった。進むついでに立ち寄るって形にしたかった。
だが、

髭人「お土産は(思い出づくりとして)買った方がいいかなぁ?」

と思って戻る事にした。

髭人「ああ~、この走る分だけ前に使いたい…」

と、ねちねちと決めた事にガックリ気ながら走った。
灯台の横についてお土産を購入する。絵葉書とかちょっとした小さい置物みたいのを買った。
置物つっても大した事は無い。ガラスの中に何か入っているというだけのありきたりな代物だ。
俺からお土産を貰っている人なら「またそういうのかい…」と言うだろう。
名産品とか買えば良いんだけどね…でもかさばるんだよね。その土地の物って…

既にバッグはパンパンだった…
おばちゃん「どこから来たんだい?」

と聞かれる。どうしてそう聞くのだろうかとちょい思う。(当時は俺が絡まなきゃ放っておいてくれっていうタイプだったからなぁ…)
俺の雰囲気が「遠出してます」って言っているのかなぁ?(そりゃ見える)
そんでどこから来たか話しつつ

髭人「今日は鴨川か勝浦に行くつもりです」
おばちゃん「へぇ~車なら1時間ぐらいだけどね…自転車だと2時間ぐらいかね?」

車の半分の速度なんてとんでもないと思った。自転車なんてスピードを出している方でせいぜい20km/h行けばとても速い方だ。車が40km/hなんて考えにくいし、第一俺は疲れている。15km/h行けば立派だと思える状態である。

おばちゃん「頑張ってよ~」
髭人「ハイ!」

と元気よく答えて、一人自販機で買った缶コーラを思いっきり振って開けて祝杯としていた。(ショボ~)
コーラを半分ぐらい飲んで

髭人「いざ!鴨川or勝浦!」

力強くペダルを漕ぎ出した。
だが、海沿い…風があって、しかも向かい風

髭人「負けるかぁ…」

ペダルを強く踏み込んでいった。
にしても海周辺って花畑が多く、花摘みが出来るらしい、花が好きな人は是非…とか宣伝したりして、進む。
途中で食べたアイスが旨いこと旨いこと…コンビニがあれば休んで進み、コンビニがあればまた休む。
こう書いているのを見ると俺って何かやる気がないように見える。
一応、あまり疲れないようにって所なんだけど…
でも実際めっちゃ疲れていたんだよな~…
でもそんな発言する奴がいたら「ならお前やってみろ!」と言っている事だろう。(そうカッカしなさんな。)

海沿いを只管、進む。北東だったかな?だいたい…
と、ちょっとした住宅街(?)で、警察が集まって車をとめて現場検証みたいな事をしていた。野次馬っぽい人も多い。「なんだろ?」と思って、その野次馬の一人の主婦に

髭人「何があったんですか?」
主婦「事故よ~」
そりゃ見りゃ大体察しは付きますよ。(そりゃ、当然の答え方だ。不思議ではない)

髭人「どんな事故だったんです?」
主婦「ええ?幼い子とそのお姉ちゃんがいてね。ずっと手を繋いでいたんだけど幼い子が急に走り出すもんだから手が離れて…」

恐らく、その子は死んだだろうと思った。そこは国道である。裏道だからのろのろ走るというのとは訳が違う。
だけどすっごく見通しが悪い…飛び出されて気付いてブレーキをかけて止まるなんて不可能だろうと思った。
しかし、その事件…頭の中をぐるぐる回った…(辛い話。聞かなきゃ良かったかもしれない…)

坂道が有って相棒から降りて歩いていたんだけど、その事が頭から離れない。
しかも朝聞いた二人乗りで引っ掛けられて死んだ高校の事もダブって、意気消沈…
普通の道でも踏み込むペダルの力が自然に緩む…

髭人「こりゃ…勝浦までいけない…鴨川までだな…」

因みにその時の時間は16:30ぐらい…
因みに勝浦は鴨川から15kmぐらい離れている。
まだ鴨川まで5kmぐらいある…だから勝浦までとなると20kmである。
平らな道なら1時間でいけるだろうがアップダウンが激しい道である。2時間弱はかかるだろうと思った。
そんな道を進んでいると、トンネルがある。このトンネルは午前中のものとは違い、車道の脇にチャリが通れるような道がちょっと出っ張っている。しかし、壁とギリギリなので下手すりゃ壁にハンドルを擦る。壁から離れたい所だが、出っ張りはそんなに離れるだけの余裕は無い。しかも仮に離れてもトラックなどが走ってきたら危険である。その上、交通量が異様に多いというのもネックだった。それでいて長いトンネルなのだ。

危険。長い。そして煙い…

この3要素はとてもきつかった。
出来ればトンネルがない道をとおりたかったけどそうすると遠回りになるのでそこに行くしかなかった。
それか口にタオルを当てたい所だったが、片手運転などしていたら壁にハンドルを擦るだろうと思えたから出来なかった。
口にタオルを巻き付け、走る。まるでギャグっぽい漫画の銀行強盗。
何とかトンネルを抜けてやっと鴨川に到着である。
今日の宿泊場所探しの為に駅に行く事にした。駅は迷わず発見し、交番も見つける。しかし警官がいない。

髭人「そんなに忙しいのか?警官って…」

って警官の多忙さに頭を悩ませた。(駐在所なのかもしれない)
だが、だからと言っても警官が戻ってこない事には、宿が決まらない。

髭人「警官が戻ってくるまで待つか」

と、決めて周囲を見ると
観光案内所という小さな建物を見つけた。

髭人「あそこなら調べられるかもしれないな…」

と、そこに入ってあかりインに

髭人「この辺で素泊まりできる所ってありますかね?出来るだけ安くて…」
係員「そうだね…素泊まりできる所…最低でも6000円はかかるよ」

6000円高い…
昼前にタイヤ&チューブ代で5000円もかかっているのだ。
出来れば避けたいがその人の話によると他には6000円未満はないと言う。(無知なヤツだとナメられていたのかもしれない)
少しばかり思案した後

髭人「じゃぁそれのうちの1つにします」

と決定した。あんまり街中だと、野宿場を探すとなると大変だから…
名前などを書いて、教えて貰って、その決めた宿に向かった。5分もかからないでその宿に着くが、フロントに誰もいない。

髭人「すいませ~ん」

と2~3回呼ぶとやっと宿の主人らしき人が出てくる。
こう言っちゃ悪いが一目見て、生理的に嫌いな人だと思った。
何か小物の癖して欲深そうなそんな印象を受けたからだ。(当時、ヒデェ物言いだが事実)
手続きをしながら会話をする。お馴染みの質問を受けた。

主人「どこから来たのか?」

それに対しては何時も通りの回答をして、一つだけ変わった質問を受けた。

主人「自転車の魅力ってなんですかね?」
髭人「車だと、運転をするだけで動力はガソリンを使っているじゃないですか、それに比べて自転車は自分の力と自転車で走るっている何ていうか一体感という物ですかね?」

と、受け答える。(なかなか良い受け答え。当時の俺、ナイス!)

主人「へぇ…」

オッサンは、ただ聞いただけで興味はなさそうだった。
(というか、『何、熱く語っちゃってんの?(笑)』みたいな感じをうっすら感じた)
嫌いに見える人だからって悪人って訳ではないだがな…
そして料金を支払って、キーを貰ったんだけど、何か素泊まりの俺を馬鹿にしているのか色々な出来事が続発する。

主人「部屋には、お風呂が着いているんですが、水道管が壊れていて使用できないんですよ。お風呂は浴場の方にお越しください」

と…まぁ、部屋の狭い風呂など最初から利用するつもりは無いから別にこれはいい。

主人「お部屋は2階の階段を上がって右の奥です」

だが、次の階に上がって「201~205」は右、「206~210」は左という案内板があるのだが、俺の部屋は「200」
もう既に怪しさプンプンである。(○00号室なんてものは髭人生まれてこの方ここ以外で見たことがない)
201、202…と続いていって205の次に200があった。
しかも「201~205」の表札はきちんとプラスチックで印刷されたものなのに「200」は手書きマジック。そしてドアは他と違ってボロい。

髭人「おいおい…何なんだよ…」

部屋の中に入る。部屋は特に悪い所は見られない。

髭人「俺が勝手に悪いと思い込んでいるだけか?」

お茶があったので一杯飲んで落ち着いた。1日目の宿泊先と比べていい点と言えばこれぐらいである。

髭人「このお茶だけで1500円UP?」

と、苦笑しつつテレビを付ける。すると映像はかなり乱れている。更に俺は猜疑心を深めた。

髭人「何なんだ。ここは…」

と、まずは汗を流そうと浴場に向かった。服を脱いで鏡に向かうと腕がかなり日焼けしていた。

髭人「曇りでも焼けるんだなぁ~」

頷いて、風呂に入った。シャンプーが無かった。
俺は体を洗いながら思った。

髭人「明日早く出ないとな…」

そう考えてフロントに向かった。

髭人「すいません…明日早朝に出たいんですが…」
主人「何時です?」
髭人「5時ぐらいですね…」少しばかり考えた後、
主人「そうですか…では自動ドアを手動にしておきますので出る時に閉めていってもらえますか?」
髭人「お願いします」

そう言ってもう一つ思いついたことがあったので聞いた。

髭人「ここら辺に安くて旨い料理屋ってありますかね?」
主人「そうですね…」と、2件教えて貰った。
一つはちょっと行くのが複雑でやめようと思った。後一軒は駅の裏だそうなのですぐに行けるなと思った。
部屋に戻って、財布を携え、キーをフロントに預け宿を出た。
するとまた俺の疑心を煽るような事が有った。

髭人「俺の部屋だけ窓が小さい」

他の部屋は全て同じ大きさで俺の部屋より大きいのだ。何かコケにされているとしか思えない状況だった。

髭人「これは故意なのか?それとも俺の考えすぎなのか?」(いや、もう確定的だろ)

と、歩いて、駅の裏に出てその言われた店を探すがない…
ちょっと探して何とか見つけ出した物の、店内は暗く入り口に

「誠に勝手ながら10日まで(その日は8月8日)休ませて頂きます」

そう書かれた張り紙があった。

髭人「これは偶然なのか?」

もう、その腹黒そうなおじさんを信じたくなくなった。
それから他の店を見つけて入った。そこはお好み焼き店
しかし、そこのお好み焼き店はとても放任的であった。水を持ってきて

おばさん「決まったら、ブザーを押して」

と、店員のおばさんは去っていった。部屋の壁にはブザーがあった。
用意してもらった水入りのポットから何度か水を注いで飲んで、食べる物も決まったのでブザーを押した。

おばさん「はい?何を食べるんです?」
髭人「たこのお好み焼きを…」
おばさん「ハイ…」

鉄板の温度を上げるようにして、また去っていく。少しして材料と皿を持ってきてまた去る。

髭人「他のお好み焼き屋もこんなんなのかなぁ?」

と、呆然としながら作り方を悩む。(無知な髭人です)

髭人「材料を混ぜて焼くんだろ?」

と、お好み焼きは作ったりした事はあるがこういう所で作るのは始めてなので作り方を迷った。
そういう時に壁に作り方が書かれた張り紙があったのでそれを参考にして作った。
すると焦げた…張り紙がいけないんじゃなくて俺がちょっと間違ったのだ。
張り紙に「裏表15分かけて焼く」と書いているのに

髭人「片面15分?それは焼きすぎなんじゃないか?」

そう思い違いをして片面9分も焼いた時に気付いた。裏は6分にしたのだがかなり焦げていた。

髭人「ぐむぅ…これで800円だろ?食うしかない…」

と、焦げの酷い所は削って食べた。ちゃんと焼けている所は旨かった。
食べてから、ブザーを鳴らして店員を呼び出してお金を払って、外に出た。

髭人「あまり満腹した気がしない…」

焦がした部分を食べなかった点、緊張しながらお好み焼きを焼いたのであまり食べた気がしなかったのだろう。
おとなしくおばさん呼んで焼かせればよかったかもしれない。
と、コンビニで1個のおにぎりを買って、うちに電話して、宿に戻った。
例のおじさんに

髭人「休みでしたよ」
主人「そうでしたか!すみませんねぇ~」

と、かなりの疑いを抱いている俺には態とらしいと思えた。というか言い方が軽い。
部屋に戻って、映りが悪いテレビなんか見たくないので足を揉んで歯磨きをして、サッサと寝てしまった。




現在の髭人からのまとめ

この宿は今まですべての自転車旅行の中で最低の宿だった。

完全に主人に舐められていたな。
この扱いで正規料金だったんだろうか?急きょ、泊まることになったからって
あんな急ごしらえの部屋に押し込められ、部屋のテレビも風呂も使えん不備が目立つ部屋である。
とても6000円の部屋ではない。(他の部屋の価格はいくらだったんだろうか?同じ値段ならまけさせる)
今、こんな仕打ちを受けたらネットで晒す!!なんて陰湿な事はしないが本人に

「アンタ、客である俺をなめてんだろ?」
「どういうことだよ。説明しろ」

ぐらいの事は言うだろう。
初対面で見受けられた守銭奴な感じは見事に的中という所だろうか?
まぁ、世の中、いい人ばかりじゃないわな。

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 2日目昼間~

2014-08-19 21:00:43 | 自転車旅行日記
夜は熟睡出来たと言う訳でもなかった。
不安からか何かはわからないが1時間おきに目が覚めてしまった。
一応、起床予定時間を腕時計の目覚ましをセットしていた物の、必要なかった。
(タイヤの件を気にしていたのかもしれない。今だバーストしたままのタイヤに新チューブを入れているだけだから)

4時頃に起き出して5時に出られるように準備をした。
準備と言っても、ただ出した衣類や荷物をバッグに詰めるぐらいな物である。
早朝の天気予報を見て、今日は曇りだと言う。昨日も曇りだったので運が良いと思った。体力の消耗も控えられる。

部屋を確認する。忘れ物がないか何度か…5時に部屋を出た。キーをどうするかとちょっと迷った。
前日に宿の主人に

髭人「5時に出ます。でも起きられないかもしれないので起きなかったら6時に起こして貰えますか?」

と頼んだのだ。だから6時には確実に起きていると思って(勝手だろう。当時の俺)
5時に起きているかはちょっと怪しい気がした。フロントには誰もいなかった。(当然)

キーだけを置いて、出て行くのは避けるべきかなと思うが、そうなると宿の人起こす羽目になる…
それは折角寝ているのだろうから避けたいかなと考えていると

奥さん「起きられたんだ?」

と、丁度よく起きていたのでキーを渡す事が出来た。

奥さん「眠れた?」
髭人「1時間置きに目が覚めました」
奥さん「まぁ…大丈夫?」

と聞かれるが、筋肉痛や疲れなどは感じられなかった。

髭人「大丈夫です」

ありがとうございました。と挨拶をして俺は出発した。(急に宿泊したのだからもっと丁寧にお礼を言うべきだったと思う)
近くのコンビニで弁当を買い食べて、そろそろ地図を買い換えようと思った。
その時もっている地図はこれから行く先の縮尺が大きいのでわかりにくい。
だが、そこにある地図は高い物か、今持っている地図より縮尺が大きいかどちらかである。
しょうがないので買うのをやめて、朝食を取って、出発した。

昨日の木更津に向かう8~9kmルートによって山道ルートBから海沿いルートになってしまった。
余計な遠回りという所だが、宿探しのためだから仕方ないと言えるだろう。すぐにかなり大きな山に入った。
海沿いと言っても海が見えるような近い所を走るわけではない。ただ海が近いと言うだけで海は見えない。
坂道を歩いて越えて下り坂をダダ!と下る。
暫く走っているとそこは国道にも拘わらず自転車が走る道幅は減少し、車道の脇を通らなければならなかった。
極めて危険な状態である。ダンプや大型トラックが脇を通る時はヒヤヒヤものである。
とは言っても他に道などないのだから車に気をつけてもらうしかないと思いつつ走った。
その後、トンネル登場…
自転車が走る退避道など用意されてなかった…しかもそのトンネル。ライトがなかったのだ。
中は真っ暗!!それでいて、1車線ずつしかなくトンネルも小さい。
一応、自転車にはライトをつけていたけども、トンネルでの事故ってのは多いって聞いていたことがあったから少し不安だった。
だから車が来ないのを見計らって立ち漕ぎで

髭人「うおおおおお!」

と、ダッシュで駆け抜けた。必要以上の体力を使うのは避けたかったのだが、しょうがなかった。
事故ったら疲労などと言ってられないのだから…
(まぁ、今から考えればビビり過ぎって気がしたからな)

トンネルの殆どは小さい物ばかりなのですぐに出られた。代わりにトンネルの数は異常だった。数えてなどいられなかった。
時たま、車が通る主トンネルの脇に退避道はあったのが、中には退避道などと言えるような道ではないのもあった。
石が転がり、木の枝が散乱し非常に走りにくい。

で、その退避道のトンネルだから当然真っ暗でライトもない。
相棒のライトが無ければ危険極まりなかっただろう。勿論それでも路面が散らかっていて危ないだろうと思ったので歩いた。
その上、そのトンネル。横穴があって、しかも木々の柵があるのだ。入れないように。それで俺は思った。

「戦時中の防空壕じゃないか?」
「何かやべぇ…」

と思いながらそのトンネルを抜けた。殆ど人も利用しないトンネルだから管理もほとんどされていないのだろう。
幾つ物トンネルを抜けて4~5km置きにあるコンビニで休憩を取る。安い地図を見つけてその地図を購入して今どこか確認する。
目的地まではまだまだ遠い。
だが気落ちして止まっていても進まないので休憩は5分程度でまた走り出す。
と、また小さい山越えで坂を上っていると土質が変わった事に気付く。砂という感じなのだ。

髭人「近くに海があるな」

と思って、ちょっと高い所から海が見えるかなと道からそれて歩いてみたが見えなかった。

おじさん「どうしたんだい?」

と俺におじさんが出てきた。近くの工場の人だろう。

髭人「海が見えるのかと思いましてね…」
おじさん「ここからは見えないよ…」
髭人「そうなんですか~」

と、少し話していると

髭人「自転車で行くんだって?気を付けなよ。そこで、二人乗りして引っ掛けられた高校生が死んだから…」
おじさん「そうですか…」

と、普通に受け答えるがとても動揺していた。つまりは注意をしろという事なんだろうけど、俺としては

髭人『おいおい…死ぬなんて縁起でもない事を…』

という所だった。(まぁ、歩道もない道を二人乗りなどという自殺行為をするアホが悪いのだがな)
その後、後ろから走ってくる車に振り返りながら走りつづけた。(意識しすぎ)
と、ちょっとした休憩場所で事故があった。大した事ではないんだけど…
そこにあった灰皿を引っくり返したのである。灰皿つっても外にあるものなのでデカイ…

髭人「やべぇ…」

しかも水が入っていて長時間そのままだったのか臭い…
一難去ってまた一難ばかりである。しかしこのまま放置して逃げる訳には行かないので近くにあった空き缶に挟んで灰皿に戻そうと奮闘しそうになった時、近くの店から

店員「自分やりますからいいっすよ…」
髭人「そう言う訳にも行かないですよ」
店員「いいっすよ…汚れちゃいますから…」

と、俺はどうするのか迷う…無視して走り出すべきなのか、このまま見ているべきなのか…
手伝うべきなのかとも思ったけどその店員さんは箒や塵取りを持って効率よく散らかったタバコを処理している。
と、結局俺は

髭人「この分なら俺はいるだけ邪魔だな…」

とすいませんと思いつつ走り出した。(何か買ってやれ)
その罰が当たったのかすぐに相棒が不調…そう…パンクである。

髭人「駄目だこりゃ…」

と、下り道を降りると目の前は結構大きな町、不幸中の幸いと言うべきか…
山道は越えたという事である。ここならタイヤをどうにか出来る手段があるかもしれないと思った。
これが山のど真ん中だったらどうしたんだろうと思う。恐らく相棒に無理をさせ続けただろう。
近くの釣具屋に聞いた。

髭人「ここら辺に自転車用品店ってありますかね?」
店員「自転車用品店~…すぐ近くに自転車屋があるけどねぇ…後は街の中に行かないとないよ」
髭人「ありがとうございます」

と返して、一応、自転車屋に聞いたほうがいいかなと思ってそこまで歩いていく。
勿論相棒を引いて…すぐに自転車屋に着いて、そこにいたおじさんに

髭人「ここら辺に自転車用品店ってありますかねぇ?」
おじさん「ずっと先に行かないとないねぇ~」

と同じ事を言われて進む事にした。
歩いていると太陽が雲から顔を出してきたので日焼け止めを体に塗った。
1kmぐらい歩いて、近くに車屋が見えてきたのでそこでまた、自転車用品店の場所を聞こうと入っていった。
自転車整備工場の作業員のおじさんがいたので

髭人「この近くに自転車用品店ってありますかね?」
作業員「どうしたんだい?」
髭人「自転車のタイヤにガタが来まして…タイヤを買いたいんですよね…」

すると、やはり自転車と車は車という字があるからか何かしらの繋がりがあるんだろうと当時は思った。
そのおじさんは良くしてくれた。タイヤやチューブの状態を見て

作業員「こりゃもう駄目だねぇ…タイヤは穴が開いているし、チューブはその穴によって傷だらけ…」

一応チューブの修復技術を持っている俺でもこれではすぐに穴が開くだろうという事でタイヤとチューブを買いに行ってくれるとの事で無知な俺はそれに甘える事にした。
やはりこう止まっていたりすると

おじさん「どこから来たんだ?」「どこに行くのか?」

という質問は定番になってくる。別に答えるのに面倒になったりせずにちゃんと答えた。(トーーーゼン!!)
そして1時間弱してタイヤとチューブを車で買ってきてくれて、修理をする。
車の修理に手慣れているその人でも自転車はした事ないようだから手伝ってようやく修理完了…そして料金の方は…

「5000円と消費税」

高いと思った…
1日目の素泊まりよりも高い…かと言って「払えない」とか「まけて下さい」言う訳にもいかないのでちゃんと払いました。
自転車用品店ならタイヤ&チューブは2500円で、買えるだろう。
因みに前輪はこの旅行の三日前に交換したのでその価格は知っていた。なら後輪も行く前に交換しておくべきだった…ケチな俺のバカ~。
そして再出発、絶好調。って5000円も払ったんだから絶好調でないと困る。

(何たる無礼なヤツ!「チャリ屋に買いに行く手間、」&「購入費、」&「修理代」を考えれば安い!
10000円ぐらい請求されても不思議ではない!!当時の俺のバカ!アホ!マヌケ!ウンコタレ!!)

その後、コンビニで昼食を取る。そこは館山という所で、千葉最南端の海という目的地までは後、目と鼻の先である。
走り出してちょい迷ったがすぐに修正し、後はその道をまっすぐ行っていれば目的地である。
と、その道を直進すると、山、後一息という所でもやっぱり降りた。その日、目的地に付けばそれで終わりという訳ではない。
まだ帰りなどがある。気は抜いてる場合ではない。
しかしその道はコンビニなど一切ない田舎道、流石に舗装はされているけど…

髭人「ここら辺に住む人、コンビニって言葉、知っているのかな?」

と失礼な言葉を思いつき、(どんだけ孤立した土地だと思ってんえん)
山を越えるとやっと標識に「ここは目的地」という看板に見えて

髭人「よっしゃぁ!後少しだ!!」

と一人テンションが上がっていた。上った坂を降りる。降りている最中、先に海が見える。やっと着くとかって満足感などなかった。
道路を渡って

髭人「この先、行けば海に着く!」

と、行っていたらバランスを崩しそうになった。危ない危ない。ここでコケたら大馬鹿である。
その時そんなに速度は出してなかったが、舗装された道路で、しかも夏の時期で腕などは露出している。コケれば無傷で済まないだろう。
いてーいてー言いながらの帰り道はツライ。その後、ちゃんと気をつけながら走る。
すぐに海が目の前に広がってきた。
到着…白浜…


感想…
今振り返れば失礼極まりない奴。
灰皿ひっくり返してちょっと謝ってからは逃げるよう立ち去る。
タイヤ&チューブを善意で交換してくれた方々に「高い」などという心境。
当時の髭人を見つけたら首根っこ捕まえてケツキックだ!

ウリャァァァ!!

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 1日目夜間~

2014-08-12 21:00:31 | 自転車旅行日記
前回までのあらすじ
房総半島一周という目標を立てて走り出した昔の若い髭人。
しかし、タイヤがバーストしていることに気づかず走り続けパンクしまくり…
そこでコンビニについて水を張ったバケツを借りてパンク修理
そこで店員さんに交番はどこにあるのか聞いたのでした…


何故警察に聞こうとしたのをミスかって思ったかというと
少し野宿しようかと思っていたからな。
ただ、警察官に

髭人「野宿したいんで、どこか安心できる場所ありますか?」

なんて聞かれて

警察官「ここが安全だよ!」

なんて答えられる訳などない。絶対など存在せんからな。それで何かあったら責任問題になるしな。
それに、それで問題が発生したら動かなければならないのは警察官自身だもんな。
わざわざ仕事を増やすような真似はしないだろう。

それに前回のように野宿で次の日体力が回復するとは考えにくかった。
九十九里の時のように、1日と30分程度で着くような距離ではない。今回の目的地は片道1日と半日もかかる。
だから、俺は宿を見つけようというという気になっていた。
コンビニの店員の人に交番の場所を聞き出し、相棒を走らせた。
そこのコンビニで何も買わなかった。バケツを借り、交番の場所を聞いたのに…

髭人「悪かったな」

と思った。(今更である)
そのせいか、交番の手前で相棒不調…

髭人「もう勘弁してくれ…」

と思ったがそんな俺の思いだけで自転車が持ち直す事などない。(気持ちで自転車がどうにかなるかっての)
それが現実である。
どうにか交番にたどり着くが中は真っ暗

髭人「おいおい…他に当たれってのかよ」

と思って、ちょっとその交番の窓を叩いたりする。反応なし。
交番を良く見ているとインターホンを発見。透かさず押してみる。ピンポンという音もしない

髭人「壊れているのか?ああ…しょうがないまた別の所を…」

と、移動しようとすると「何です?」と、私服のおじさんの声、恐らくここの警官だろう。

髭人「この辺で素泊まりできるような場所はありませんかね?」

と聞く。

警察官らしき人「素泊まり?この辺じゃないねぇ~…この道をずっと行った木更津にはあるんだけどね…」

そう教えてくれる。

髭人「どれくらいありますかね?」
警察官らしき人「8~9kmかなぁ?お宅、自転車?」

はいと答えて、どこから来たかとか色々話して、

「じゃぁ頑張って」

と言われて、別れた。
相棒の不調は言えなかった。何となくタイミングと言う奴である。
でも教えなくて良かったと思う。下手に教えて

「送ってってあげようか?」

なんて言われた日には俺はこの旅の意味がなくなるのではないかと思えたからだ。(飽くまでチャリにこだわる。意固地だね)
人に手助けを借りる事は決して悪い事ではないのだが取り敢えず自力&相棒で目的地に行こうと思ったから。(ただ自転車屋については聞くべきだったと思うよ)
その後、ベコベコになっていく後輪に

「泣きたいよ…」

と呟いた。
それからもうこれ以上は自転車を悪くするだけだと思って、明るい場所を見つけてチューブの交換を行った。
そこは閉店時間を過ぎた飲食店の裏口である。
でもそこにはライトがあって、修理には交換だった。
チューブは一応、持ってきていた。それほど大きな物でもないからね。
チューブ交換は穴を見つける必要もないのだからバケツなどの道具も不必要である。
と、交換していると、その飲食店から

??「どうしたんだい?」

と裏口から出てくるおばさんの声

髭人「タイヤに穴が開きまして…」

と、現状を言って、どこに行くのかどこから来たのかを言った。
交換しながら会話していると

おばちゃん「この近くに自転車があるんだけど電話してみるかい?」

と、聞いてきたのでお言葉に甘える事にした。
初めておばさんが電話をしていたが今の状況を把握している俺に代わって話した。

髭人「タイヤに穴が開いたんで交換したいんですが…」

と、切り出す。

だが、電話その店の主人の話曰く

自転車屋「タイヤは注文しなければならない。だから今日、どんなタイヤを見た上でタイヤを注文すると…」

だが、俺を悩ませる点があった。注文が届くのは早くて明日の10時半…
俺としては早朝5時ぐらいに出たい所なのだ。それが5時間遅れ、どうすべきか決断に少し悩んで

髭人「じゃぁ結構です」(すみませんがぐらい言え)

と、結論を出した。

髭人『10時まで待たされるくらいなら新しいチューブで出来るだけ進んだ方がいいと…タイヤに穴が開いているからってすぐにパンクする訳ではないだろう』

と思ったわけである。
それでおばさんに態々すいませんとお礼を言って出発した。その際に、温い缶コーヒーを貰った。
冷たいのにしろとかっつ~贅沢な心などない。ありがたいという思いで一杯だった。(当たり前)
そしてNEWチューブで相棒を走らせる。
やはり新しいチューブという事もあって絶好調だった。
その後木更津に着いて交番を見るが不在であったので駅前に向かう事にした。駅前に行けば交番もあるだろうし警官もいるだろうと…
標識を見たりしてやっと交番に着く。だが、やっぱりそこも不在だった。

髭人「やべぇ…マジで野宿なんじゃないか?」

と不安になった。しかもそこは商店街で野宿するような場所はない。
と、交番に

「不在の場合はここに電話を…」と張り紙が書いてあったのでそこに電話する事を決意する。

髭人「木更津市街で素泊まりできるような所はありませんかね?」
警察官「ありますけどねぇ…」

と、何か言いよどんでいる。その後

警察官「ビジネスホテルでも7000円以上かかるんですよねぇ~」

高い…そんなに金出せるかよ…1日、1万円以下にせねばならんのだぞ…と、もう泊まる気などなくなっていた。一応所持金はある。だが、何が起こるかわからないこの状態でギリギリで行くのは極力避けたかった。だから

髭人「じゃぁいいです…」

と、電話を切った。(貧乏悲しーーー)
途方にくれていた。

髭人「泊まる所ない…ああ…今から野宿場所探しかよ…」

と…
その時既に9時頃、

髭人「夕食を食べないと」

と、駅前のラーメン屋に入ってラーメンを食べるもちっともおいしくなかった。宿が決まってないし、空腹感が全くないのだ。(不安感で胸いっぱい)
で、食べてから俺は決心した。

髭人「7000円だろうと、やっぱ寝床はちゃんとしていた方がいい」

と…
再度電話すると相手が違った。

髭人「もしかしてさっき電話をくれた人?」

と言うのでハイと答えた。
すると、

髭人「幾つか宿泊場所があるからご自分で電話していただけますか?」

と言うので俺はすぐに筆記用具を取り出した。持って来て良かったと心底思った。(持っていくべきもんだよね)
10個ぐらいを写して、お礼を言って電話を切る。(当時の警察官の方、わざわざありがとうございます)
そしてそこに電話だ。
1軒目不在、2軒目不在、3軒目不在

髭人「時間が遅いからもう駄目なんか?」

とちょい諦めモードに入ってきた4軒目出た。

髭人「えっと…ちょっと旅をしている物なんですけど、そちらで素泊まりで出来ますかね?」

こんな調子で聞く。

店主「出来ますよ」
髭人「料金は?」
店主「4500円ですが…」

安い!さっき7000円と言っていたのは嘘だったのか?と思って即決した。

髭人「ではそこにします!」

即決。
それで名前を言って、場所も聞いた。しかし俺って理解力低いから

髭人「後でもう一度電話します」

と答えた。
と、そんな時にタイミング良く交番に警官が戻ってきたので聞くことにした

髭人「すいません?○○館さんってどこにありますか?」

と…
警官の方はちょっとした地図に場所を書き込んでくれて、それで丁寧に教えてくれた
ちゃんとお礼を言って、その場所に向かうと、ありました!○○館って書かれた看板が…

髭人「着いた~」

と安堵の声を上げて、中に入る。
フロントには誰もいなくて

髭人「すみませ~ん」

と声を掛けると出てきて

髭人「先ほどお電話を下さった髭人さんですか?」

そんな感じで泊まる手続きをする。手続きと言っても住所、年齢、電話番号、後、職業を書くぐらいなものだ。で、色々と話した。とは言っても聞いて来る事はだいたい同じである。「どこから来たのか」「どこに行くのか」まぁちょっと違う事と言うなら「今、何をしているのか?」とかだろう
その後部屋を案内された。4500円とは思えない良い部屋だった。
風呂に入って、ゆっくりと湯船に漬かり、出てから自宅に電話した。一応旅の無事をね。
そして眠った。その時、時間は11時半を回っていた。

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 1日目昼間~

2014-08-05 21:00:20 | 自転車旅行日記
前回の九十九里1人旅から2年後。いつの話なのかは割愛。
この日記は当時の雰囲気や心境を残すために既に数年前書いたものに対して若干加筆訂正を行っております。(一から書くのは面倒…というのは秘密)
右のカッコ内は現在の心境やツッコミ。
ガキ特有の身勝手な心境が多いので寛大に流していただけると幸いである。

では、はじまりはじまり~~~~~







起床したのは4時だった。目覚ましに叩き起こされて、一応覚醒した物の、頭がぼ~っとして起きられる状況ではない。
だから「もう1時間寝よう」って決めて、布団をかぶる。
だが高ぶりのためか眠れず20~30分くらい布団にいて、

髭人「ああ!寝れん!起きる!」

と頭が、ぼ~っとする中、立ち上り、出発の準備をする。


だいたい持ち物の準備はしていたので後はメールを見る事が出来る友達に「行ってきます!」とメールを送信して、朝食を食べた。(順序が逆だな)
家族は誰も起きてこなかった。
だからと言って「息子の旅立ちに誰も起きてこないのか!」などと愚痴を言ったりはしない。(何、期待しとんねん。家族だって5時前なら眠いわ。)
起きてくれなんて頼んでないし、起きたら起きたで「忘れ物は無い?」とかってうるさいからである。
まぁ嬉しいけどね…

玄関にオッサンが用意してくれた携帯用工具入れと、自転車の空気ポンプをバッグの中に入れる。
全く…こういう所では良いお父さんなんだけどね~普段がもちっとちゃんとしてほしいんだよねぇ~照れがあるんだろうけどさ…(やかましわ)
そして相棒(自転車。そういう表現が好きな中二病的な所だな)のタイヤに空気を入れて、自分の頭に日差し避けのタオルを巻いていざ出発である。

道はこれで3度目のなので殆ど覚えていると、地図など頼らず記憶を頼りに進む。(3年前に九十九里行き断念したので1回目、2年前で2回目)
この過信が失敗を招く事になるとはその時の俺は知る由も無い。大きな国道に出て、自分が好きな曲を軽く歌う。(過信というか慢心か…)

九十九里の時はめちゃめちゃ歌った記憶があったけど今回は2~3曲でやめた…(鼻歌ではなくチャリ乗りながら普通に大きな声で歌っています。早朝ならでは…昼間なら注目を浴びるからまずできない)
九十九里の時に比べて進行具合が遅い気がしたのだ。体力の衰えか?と一瞬思ったが、恐らく九十九里に言った時は追い風だったからペダルをそれほど漕がなくとも進めたのだろう。
向かい風という訳ではなかったのだがかなり無風は辛かった。
5時20分くらいに出発して7時40分くらいに新宿に着いた。

そこで初めての休憩を取った。自販機で500mlペットボトルを購入。(今までならコンビニで1lの紙パックお茶を購入していただろうな)
何でそうなのかと言うと事前に、相棒に500mlのペットボトル入れを購入して装着したのである。
だからそれを使わないのは買った意味がなくなるって事で…
にしても新宿駅は通勤時という事もあって人がごった返していた。

髭人『これでは人を轢くな』

と思った俺は人が多い所は相棒を降りて人の数が減るまで押しつづけていた。
新宿駅を少し過ぎれば人の数は急に減って、すぐに相棒に乗って発進した。

その後、ちょっと曲がったりする道なので何度か地図を見て、再び記憶を頼りに走りつづける。
そして9時ちょい過ぎだったか千葉に入った…と、その時思っていた。
実は俺が入ったと思った所はまだ東京都内だったのだ。後で地図を見てわかった…
千葉に入ったと思い込んでいる俺はそろそろ小腹が減ってきたと近くのコンビニでおにぎりを買って食べた。(一昨年、カロリー不足で痛い目を見たからな~)
再び走り出す。

そうそう…記憶だけを頼りにって言ったけど完全に記憶だけを頼るほど俺は確信を持っていない。道を示す標識と俺の記憶を照らし合わせて前に進んでいるという事なのである。
一応その時は「国道○○号線」ってのを頼りに進んでいた。
しかし進んでいておかしな事が起こった。
自転車走行不可の橋に来てしまったのだ。自動車専用道路の橋と言った方がわかりやすいな。
「何かおかしい。こんな筈では…」と、ちょい大き目の川だったので土手に上がって地図と現在地を照らし合わせてみた。
すると…

髭人「ぐぁ!国道が枝分かれしているじゃないか!!
髭人「しょうがない…どっからか…合流するか」

今いる道でどう合流すべきなのか考えて、川を沿っていく事に決まった。
やはり海も近く川沿いという事もあってか、風が強い…しかも向かい風…

髭人「ぐぞぉ…飛んだロスだ…体力も時間も消耗している」

と自分の過信を苛立ちつつどうにかその枝分かれした道に合流する。そこでやっと千葉に入った。
千葉に入ったら後は国道を行くだけと…
一応確認しつつ前に進む。
飲み物を買い、飲んで、飲み干したらまた買うというのを繰り返しつつ、色々な人に「無理はするな」って言われていたから金をケチって喉の渇きを我慢するつもりは無かった。(当たり前)
で、正午前に幕張に到着して、昼食、マクドナルドに入った。
食べてからただ南下する。
にしてもこの日とても嬉しかったのは曇りだったという事、晴れているとそれだけで喉は渇くし体力も使うからね…
で、そこから未知なる道に突入していく。(前回は九十九里目的だったからただ、東に向けて進路を取っていけばよかったが今回は一周。いずれは行ったことがない道に行く)

一応目的地までの3ルート考えてあった。
1つは海沿いでちょい距離がある道。
後二つは距離は短いけど山道という道。
どれにするかと俺は悩んだ。
考えていると、一つ目の分かれ道が出てきて、俺は

髭人「今、追い風か良くは知らないがスピードは乗っている」

と思って山道Aは行かない事にした。で、海沿いか山道Bの選択になるのだが、そんなのを決めようとしている時に事件が起こった。
ちょっとした段差を降りた時にズズと後ろが滑るような感覚がしたので

髭人「ま、まさか!」

と思って、相棒の後輪の空気圧を調べてみると…

髭人「減っている…」

かなり急激にである。かなり走ったのだから空気も減るという訳ではない。
タイヤの空気は乗った時間というよりも日によって減るという事が多いだろう。だから半日ぐらいの走行でこの減り方はおかしいのだ。
だから「パンクか…」と、直感し、近くのコンビニを探しそこで店員さんに

髭人「水が入ったバケツを貸して頂けませんかね?」
店員「何の為に?」

というような顔をする店員さんに(そりゃ当然)

髭人「自転車がパンクした物でそのパンク修理に必要なんです」

と言うと店員さんは奥に入って水入りのバケツを持ってきてくれた。(親切、ありがたやありがたや…でもまぁ、バケツに水に対して「無理です」って断るほどの事でもないわな)
コンビニの外でパンク修理である。
まず、相棒からタイヤを外して、チューブを取り出して、空気をチューブに入れて、そのチューブを貸してもらったバケツの中に着ける。
ブクブクと泡が出た所がチューブに穴があいている所である。
そこを修復して、直ったと言う時に

髭人「タイヤに釘でも刺さったか?」

とタイヤを見てみる事にする。
すると重大な欠陥が…タイヤの側面に穴が開いているのだ…(早い話がタイヤがバーストしていたわけだ。当時は知らない無知無知君でありました~申し訳ないけどここからの長~~~いアホらしい茶番に付き合ってくださいね)

髭人「こりゃ、針とか無くたって、走っていれば地面に穴から出たチューブに擦れてチューブが避けるなと…」

しょうがないのでタイヤの内側からその穴を埋めて、どうにかやっていけるようにする。

髭人「これでいいか?」

と思ってバケツを返しに言った。
勿論お礼は言った。後、栄養ドリンクを購入した。(申し訳程度で感謝を形にしました。基本私はドケチです)
再出発である。

髭人「この時間を取り戻したいな…」

と思いつつ走る。
すると近くにデカイ煙突から煙がモクモクと…
何かの工場がひしめいていてしかも道路はトラックが良く走っている。かなり煙くてタオルを口に当てた。

髭人「こりゃたまらん…」

と、思いつつも片手運転なので危険じゃないかと思えてくる。と、そんな時に分かれ道がある。山道Bと海沿いである。
海沿いに行くとこのまま工場の横を通らなければならないので俺は山道Bに入った。
そこでいい時間になったのでおやつという感じでコンビニに寄る。
何か食べて出発、(覚えてない。レシートもない。食べたことだけはこの日記を書いた当時、覚えていた)
やっぱ山道という事もあってか、道が狭くそして坂ばかり、無駄な体力の浪費を避けるために坂は歩く事にしている。
広い田んぼとかがあって如何にも

髭人「田舎だ~」

と思えてくる。さっき近未来的な工場が近くにあったとは思えない光景である。
その後、山道を走っていると何か相棒の後ろが重ったるくなってくる感覚にとらわれる。

髭人「まさか…また?」

と後輪を押してみると案の定空気は減っていた。

髭人「こんな田舎で勘弁してくれ…」(田舎に謝れ)

と俺は取り敢えずコンビニを探した。
ベコベコのチャリのまま…そう言う状態での走行はホイールが曲がったりするので良くないんだけど…周りが田畑なのだ…

髭人「相棒にはちょっと無理して頂かないと…」

という所なのである。ようやく、コンビニを見つけて、そこでパンク修理である。さっきのように店員さんに頼んで水が入ったバケツを貸してもらってチャリを見る。
するとパンクを補修した所から空気漏れである。

髭人「俺の補修が不十分だったか…」

と、思う物の

「やはりタイヤのせいちゃうか?」

と自分の非を認めたくない部分もある。(出発前にタイヤを調べてない時点で非は俺にある)
で、補修した部分にまた補修という形になった。で、その頃既に夕方で周りはかなり薄暗くなっていた。
そろそろ寝床を確保しておかないといけないと思って、ちょっと見回すと、近くに丁度いい場所がある。
そこは電車が通っているんだけどローカル線で改札なるものが存在しない。恐らく、電車内で切符を買うのだろうと思った。
と、そんな事は今、どうでも良くて電車を待つ待合所っていうのがあってそこで寝ようかなと思った。つまり野宿である。

髭人「九十九里の時もやった事があるんだから出来るだろう。」

と、思いつつも、

髭人「一応この辺の人に聞いたほうがいいか」

と考えて、コンビニの店員の人に

髭人「あそこの待合所、安全ですかね?」
店員「ハッ?」

という感じでこちらを見てきたので説明した。野宿するので安全かと…(コンビニ店員が迂闊に大丈夫ですとか言えないよな)

店員「たまに若い人達の溜まり場になっていますからねぇ~」(そう返すのが無難)
髭人『こりゃマズイかなぁ?』
髭人「交番なんてこの辺にありますかね?」

と聞いてしまった。ミスである。



つづく…

自転車旅行日記 ~九十九里編~ 今だから言えること

2013-08-15 22:13:57 | 自転車旅行日記
まず、読んだ人に言いたいのは吉野家の豚汁飲んで泣きそうになった事。
あの時は、極限状態だったからな。


「真夏の日差しで体力の消耗」「飯は、マクドナルドのハンバーガーやコンビニ弁当」「野宿で疲れも取れない」「寝不足」

そのような要素が絡み合った中で好きな豚汁を飲んだことにより感情の臨界を突破したのだろう。
で、これを読んだ人の中にこう思う人もいるかもしれない。

「よし!それだけ疲れて好きなものを食べれば(飲めば)涙が出るほど感動するんだろ!」

などと考えるバカが…
俺は心の底から

「やめなさい」

って言っておく。
若い体だったし、こういうのは肉体の具合などが絶妙なタイミングだったのだろう。
下手をすれば倒れかねない状況。それを勧める事なんて俺にはできん。
それに、仮に同じ状況を再現してもいいけど、まず感動することはないと思うわ。
あれは書かれてあるとおり不意打ちだったからだ。

『髭人と同じような飯、野宿して疲労もピーク。お膳立ては十分すぎる!さぁ来いや!感動!俺の涙を出させてみろ!』

という風に身構えている状況で食べても旨さが減るだろう。
そもそも

「感動を得るという目的で肉体を酷使して好きなものを食べる」

なんて不純だと思うしな。

「サウナに入って出たあとにビール飲む」

ぐらいな感じだろうけど、旨いと感じるだろうけどそれ止まりだろう。泣けるほどにはいかん。
というかサウナで泣けるまでに我慢したら本当に死ぬかもしれないレベル。



当時の髭人は純粋な少年だったと思うなぁ~。
汚い大人になりたくないと思って涙を流しているんだからさ…
今じゃ、そんな汚い大人になっているけどね(笑)
人生、色々あるわ~な。思ったとおりの道筋なんて生きられやしない。
何か残して積み重ねていくことがより高みに立てるものだと信じて続けるのみ。
このブログでクソみたいな文章を書いているのもその一つ。


それにしても、この3日間が髭人の人生の中で最も密な3日間だと実感するわ。
誰にも頼らず、自分一人で何もかも考えて実行してきたのだからな。
ガキの頃、両親に日本各地旅行に連れていってもらったものだが印象なんて薄い薄い。
何もかも両親に任せてただ一緒についていったにしか過ぎないもの。
言っては怒られるかもしれないが「カス」みたいなものだ。

だから親が子供と旅行する場合は「子供の良い経験」「子供の良い教育」などと考えず自分達が楽しむために行くものだろうと思う。
押し付けがましい事なんてするのは無駄無駄。

多感な高校生という時期に行くというのが意味があったと…

勿論、上には上がいるけどね。
昔、一時、どれだけ若い奴が日本縦断するという事を記録に挑戦していると思えるぐらいやっていたからな。
小学校6年生ぐらいだったかな?
今は、あまりそうやって競わせるのが良くない傾向なのか報道するのは自粛ムードだけどね。
いや、何故、報道番組側が日本縦断を知っていたのか気になるけどね。誰かが教えているのか何なのか…

それはさておき、人は人。髭人は髭人ですわ。
上と比べれば髭人の自転車旅行などゴミ同然であったにしても自分からすれば人生の財産とも言えるからな。
それで十分。記録など残らんでいい。自分の記憶に残ればいい。

そのように今は考えております。



さて、この2年後今度は房総半島を一周するなんて事を挑戦しているのですが…(3泊4日)
その時の出来事なども昔のHPに細かく載せていたので修正すれば掲載できますが…
やろうかなぁ…ちょっと迷っています。
取り敢えずここまで御付き合い頂き誠にありがとうございました!
と、感謝の意を述べさせていただきます。

自転車旅行日記 ~九十九里編~ 3日目(最終回)

2013-08-13 19:00:08 | 自転車旅行日記
起床。薄暗い公園。その日は晴れておらず曇っていたからだ。周りには誰もいない。

髭人「さて朝飯でも食べるか?」

と、コンビニに向かい歩き出した。
コンビニに着くとそこにあった置時計は5時を差していた。

髭人「5時か…ならm出発は5時半かな?」

適当にパンやおにぎりを購入し、公園に戻って一人寂しい朝食。力を付ける為、無言で黙々と食べる。

→→→→独り言をブツブツ言いながら食べていたら気持ち悪いわな(笑)

しかし、案外、食欲が無く朝食を買いすぎてしまったが為に食べきれなかった。

髭人「今、食わず、昼飯にこれを食えばいいか?」

パンなら、バッグに入れるから問題ない。シートなど使った物をバッグに入れ出発である。
髭人のタオルを頭に巻き、気合を入れてペダルを漕ぎ出した。

→→→→今でも続いているかな。グッと絞める事でハチマキのように気合を入れるわけだ。

髭人「昨日のホームレスのおっちゃんの事はただの俺の取り越し苦労だったか…」

おじさんを疑った事を反省しながら相棒と漕いだ。その疑いの心が神の逆鱗に触れたのか雨が降り始めた。

→→→→関係ない。関係ない。

しかしその時の俺は

髭人「ちっくしょ~!!俺が何したってんだ!!」

ほぼ切れそうになりながらペダルを漕ぎ続けた。

髭人「ど~せにわか雨だろう。出発前の(天気予報の)週間予報は晴ればっかりだったからな」

→→→→テレビに一切触れてないし、携帯も持っていなかったので、周囲の情報はまるで分からない。

軽く考えていたが雨は時間が経つにつれどんどん強くなって来た。
あまりに強くなってきたので濡れながらという訳にもいかずカッパを着た。
うちのオッサンは蒸れないカッパを俺に渡してくれたのだがやはり完全に蒸れをカットする事はできなかった。

→→→→無茶、言うな。

髭人「ぐぅ~!!なんか蒸れているような蒸れていないような曖昧な感覚だな~」

腹を立てた。

→→→→既に軽く濡れていたからな。その状態なら蒸れやすいのは当然のこと。

んでカッパを着始た途端、すぐに雨が弱くなる。

髭人「何だよ!!俺が何の為にカッパを着たと思ってんだ!!」

→→→→カッパ着たときあるあるって感じだよね(笑)

天気にぶちキレた所で何の足しにもならないのでそのまま走り続ける。
ちょいと休憩という事でコンビニでトイレに入り上半身のカッパを脱ぐ。
雨は完全に止みきってなかったからズボンのカッパだけを履き続けた。
んでトイレだけ借りておいて何も買わないのは気が引けたからお茶を買って飲んだ。

→→→→当時の俺はやさしいな。今の俺はトイレを使って平然と出ていくが…
そうだ。トイレの話が出た以上この話はしておかなければなるまい。
1日中、自転車に乗っていると、肛門が体の中に潜り込んでしまう。肛門がどこにあるか自分で指を突っ込んで確認したほどだもの。
それに、おしっこすると気にチンコが異様に痛くなる。別におしっこをしようとしなければ痛みはないのだがしようとすると痛みが出る。
尿管に痛みが走るって所かな。

髭人「おしっこしたい…」
チョロロ…
髭人「痛い!痛い!痛い!でも、おしっこはしないと…イタタタタ!!」

このように書き出してみると何かコミカルだが、実際は結構、辛かった…


再出発。

髭人「こんな道、一昨日通ったんだよな」

と、思いつつ走る。

→→→→当たり前だが行きと帰りでは目に入ってくる景色が違ってみえるからな。
別の意味で新鮮。


後は、ただひたすら家に帰る事だけを考えて走る。昨日と一昨日の出来事を思い出しながら走る。
走る以外に何もする事がなかったから…
走らなければ帰ってみんなに無事帰って来たと伝える事が出来ないからただ走り続けた。

→→→→ちょっと心に余裕がなくなってきたわな。

「次の休憩でエネルギーを取らなくては…」

初日の教訓を生かすため、意識してエネルギーを摂取ろうと考えた。
ゼリー飲料(?)を買って飲む。
その時はまだ7時ぐらいだったかもしかしたら友達は起きているかも知れないと
電話を掛けるがほとんど10時起きの友達が起きているはずもない

「やっぱり寝ているか」

→→→→ただ単に非通知電話(公衆電話)が俺だと分かっているから面倒くさがっていただけかもしれない・

とまた相棒を再発進させた。
9時ごろだったか?10時ごろだったか良く覚えてはいないがやっと千葉から東京に入った。
その頃になると雨もほとんど小雨になっていたので

「もうカッパは不要だな」

と下半身のカッパも脱いだ。休憩とジュースを買って一人飲んでいる。
「そろそろ起きただろう」と友達に電話を掛けるが出ない。

んで一応俺の道の行き方は要所要所で現在地を考えていた。

→→→→地図を見ながら走り続けるって訳にもいかないからな。
A地点についたら次の通路はBを右に曲がって…という要領

次は日本橋だなと行き先を決めた。
東京の地図は10万分の1でかなり大雑把。ではなく縮尺が大きいのでよくわからない。
何度か通っているけどあそこは似たようなビルばっかだし気候とかで

「ここ通ったか?」

というので道がよくわからなくなった。再度雨もまた降り出してカッパをまた面倒と思いながらも着た。
んで俺は日本橋を何とか見つけたが「越えてしまった」と思っていた
本来なら日本橋をくぐってそれから次の交差点を右に曲がると考えていたんだが…

髭人「越えてしまったからここの交差点で右に曲がるんだな…」

と交差点を右に曲がるのだがそこに行くと見た事も無い道にぶち当たった。流石の俺も

髭人「こんな所来た覚えはない!」

と思いまた道の基準となる日本橋を目指す。
そして再発見し。

髭人「一つ目の交差点を右じゃなかったっけか?じゃ二つ目の交差点を右に曲がってみよう」

と次は二つ目の交差点を曲がるのだが見た事がない道にまた出る。

髭人「はぁ?何だぁ?ここは迷路か?」とわかりにくい地図を取り出すのだが全く現在地が掴めない。

→→→→完全に方向感覚が狂っていた。
当時の自分としては昔のゲームによくあった。無限回廊に入ってしまったんじゃないかという心境だ。

都心の方なので人も結構いるのだが極力人の力は借りたくないと意地になって探した。
そして日本橋を見つけ、交差点を曲がりわからなくなるというのを3~4回ぐらい繰り返した。

髭人「はぁ?ここはどこなんだよ!!あっちに日本橋が有るって事はこっちでいいんだよな」

もはや混乱状態。その状況は理解し始めていたから少し冷静になってみた。

髭人「ん?もしかしたら日本橋を越えてないかも知れない。日本橋を越えていると思い込んでいたから交差点を右に行っても何もわからなかったのかもしれない」

と逆の発想みたいな事を考え出した。

髭人「まずは日本橋をくぐってみるか?これで何もわからなかったら国道沿いを行くか?」

というわけで感覚的に違和感はあったものの、まずは日本橋をくぐった。
すると見た事のある場所に出くわす。

髭人「おお~!!ここは!!」

今まで解けなかった問題が一気に解けていくが如く道がわかっている。
霧が晴れたて視界がクリアになったという所だろうか?

髭人「そもそも日本橋を越えていたという考えが間違えだったんだな。それを越えていないという逆転の発想に転換する事によって場所を把握する事ができた...コペルニクス的転回だな」

一人頷きながら走っていた。

→→→→「コペルニクス的転回」180度視点を変えるという意味だったかな?当時の髭人の流行り(笑)

すると東京駅が見えて来た。

髭人「やっと見つけた」

喜びと共に安堵感に心が揺れた。
しかし東京駅に着いたとはいえまだ自宅には数時間かかる。
ハッキリ言って日本橋から東京駅まで行くのに30分はかかったと思う。
通常に自転車で移動したのならば5分もかからなかったろうに。そして友達に電話をするがまだ出なかった。
だからうちに電話して今東京駅という事をうちのオバサンに伝える。

オバサン「(うちは)雨降ってない」

東京駅はめちゃめちゃ降っていた。場所によって細かく異なるようだ。

髭人「まだ家まで距離があるんだな」

再認識した。

「次は新宿駅向かって快走だぁ!!」

雨が降りしきる中相棒を走らせた。
前、高校の行事で舞台を見た劇場の脇を通り国会議事堂を写真に収め走る。

→→→→この舞台。まるで知らないし、興味がなく、前日に夜ふかししていたから寝ていたな(苦笑)

現状それなりに走っていたが昨日のような股関節の痛みはない。
だけど硬いサドルにずっと座っていた為お尻が凄まじい程に痛かった
サドルにタオルを乗せてお尻にかかる負担を少しでも軽減させようとしたのだが3日間も座っていればほとんどその効果も薄れてくる
しかも雨で濡れたおかげで柔らかさも消えペタッとサドルにくっついていた。
ちょっとした丘のような坂さえも上り切る事もできず歩いた。
しかし、一歩一歩新宿に向け前進している事は確かである
そして新宿の辺りで一息つこうとコンビニでジュースを買い雨に打たれながらジュースを一気に飲む。

→→→→こうやってみてみると休んでばっかだな(笑)

新宿を越えた所で11時ぐらいだったろうか?

髭人「そろそろ友達も起きている事だろう」

電話ボックスでまた電話を掛けた。するとやっと「ガチャ」と出たような感じの音がする

髭人「もしもし」

という前にプツと切れた音がする。
始めのうちは何が起きたのか全く理解できなかったがその内に今起きた出来事がわかってくる。
テレカの度数が1減っている...そしてその内なるツ~ツ~という音
ようするに出て、声も聞く前に切ったという事である
俺は肩をガクンと落としガタン!と重力に体を身を任せ受話器を勢いよく電話に置いた。
10秒ぐらい電話ボックスにその場で呆然と立ち尽くしていた。
そして帰るという気を取り戻した俺は相棒に跨りペダルをこぎ始めた。
しかし俺の心は怒りの心で震えていた。

髭人「全くみんな自分の事しか考えていない!!人が苦労しているってのに少しは話そうという気はないのか?電話がうるさくて自分が寝られないのなら多少は「頼むから寝させてくれ」って言う事ぐらいできるのではないのか?なぜ?畜生!!俺は何の為に走っているんだ!!」

と自問自答を始めた。

→→→→まさにブーメラン。自分のことしか考えてない当時の俺。
「俺は何のために走っているんだ」って?そりゃお前自身のためだろうが。
過酷な状況で苦労していればみんな注目してくれるという思い込みがそのように思わせたのだろう。
ただ、肉体的とか精神的に辛い状況に置かれていると、自分だけが不幸とかって嘆くことあるよね。

その怒りから天気も大泣き。しかも向かい風、最悪の天候である。

髭人「みんな俺の敵となる。みんな…みんな…」

雨はなお強くなりはっきり言ってその場は修羅場と化した。
人間だけじゃなく天気さえもだった。
今考えればホームレスのおじさんの疑いの念から来ているのかも知れないがその時はずっと俺以外のも全てが嫌になった。
その怒りの念から俺のスピードはかなり加速していた。もう完全に自暴自棄に入っていた
そんな爆走している中信号が赤になって車が止まり始める。

髭人「そこは交差点では無いので自転車が止まる必要は無い。このスピードを緩めてはまた上げるのが面倒だ」

→→→→道交法違反です。自転車は軽二輪車扱い。赤信号では止まりましょう。

スピードを全く減速させずに進む。そんな中、自転車に乗った。親と子供が横断歩道を渡り始めた。

髭人「ヤバ!」

気がついたときにはもう遅い。急ブレーキを掛けるが道路は雨に濡れている為相棒は滑って全く止まろうとしない。
そして「ドン!」と多少減速した相棒に子供が接触してしまった。
その子は自転車に乗っていた為自転車の重量も重なってかそんなに吹っ飛ばなかった。

髭人「大丈夫?」

と、声を掛けたがそんな事の前に親が歩み寄っていて俺が立ち入る事は出来なかった。
しかしその子は強いのか大した接触ではなかったのか全く平然としていた。
その子が乗っていた自転車も損傷は見られない。

髭人「これならいいか?」

とまた相棒を走らせた。

→→→→「これならいいか」って良くないよ。
まぁ、その母親もこっちを責めようとしていなかったのもあるがな。
ただ、実質、自転車で轢き逃げしたという事には変わるまい。

髭人「俺は人を轢いてしまった。しかも相棒で…基本的に自転車は二輪車扱いだから信号では止まらなければならないんだよな?だとするのなら止まれば今のような事は回避する事が可能だった。しかし止まるのが面倒と拒んだ俺の判断が…結局俺も(自分勝手な奴等と)同類か」

と、自己嫌悪に陥った。

→→→→気持ち悪いぐらい自己嫌悪になりまくりだな(笑)

スピードは伸びるものの精神的には全く意気消沈状態の俺。
そのうちサドルに乗っけていたタオルも落ちてかなりの激痛が俺のケツを襲っていた。タオルのありがたみがわかった。
大きな国道から狭い道に入る、後少しという証拠である。
小腹も空いてきた俺は自販機でジュースを買ってコンビニで朝残したパンを食べ出発。
いつまでも気にしていても仕方ないからな。それで通報されて捕まるというのも覚悟の上。
雨にすっかり上がり、カッパも脱いで走る。
それでやっと何度も見た事もある道に出て

髭人「もう(家まで)目前だ」

と走った。
初日の朝歩いて登った坂を帰り一歩一歩踏みしめて登った。
登り終わり一気に駆け下り長い道を走り家路に着いたのであった。

この日、PM8:00ぐらいに眠って次の日、AM7:00ぐらいまで目覚めなかった。





自転車旅行日記 ~九十九里編~ 2日目 後編

2013-08-05 19:45:39 | 自転車旅行日記


昨年、友達がばてた場所に再びやってきた。。

俺はこの周辺で野宿しようと行きに目星を付けておいた場所があった。

→→→→昨年、断念した時点で来年一人自転車で来てここで野宿しようと考えていたわけである。
ちゃんと実行しているのが我ながら凄いと思うわ。

「野宿する所まで後少しだな。今日はここでのんびりするか?」

と、適当に昨年の思い出のような場所を見て回った。
もう自転車は無理だと友人たちが言い出して今後どうするか?検討する為に駆け込んだ交番とか
昨年、みんなでワイワイ騒ぎながら過ごした素泊まりした宿とかにね。

→→→→一人で野宿するような事にならなくて本当に良かったと思う。
持ち運び便利なカード式の麻雀なんか友人がもっていてそれで遊んでいた。友人達の挙動がおかしいので注意深く3人の行動を見ていると
俺に見えないように交換しようとしていたとかね。そんなズルもまた楽しい思い出の一つでもある。
俺一人を野宿させなかった友人たちには敬意を表したい。


『懐かしいな』と感慨深くなりつつ、それで『今年はちゃんとチャリで行ってきたぜ』誇らしく思っていた。

それで今回の初日の昼辺りに飲み物を買ったコンビニに行きカフェオレを飲みつつ今日進むべき所に着いたのでそのコンビニで友達に電話したら出なかった。

髭人『はぁ?もう昼過ぎだぞ。仕方ない。出るまでここでのんびりしているか』

→→→→どんだけその友人好きやねんって所でもあるが、友人も自分の動向をずっと待っているほど暇ではあるまい。
後、進まなかったのはやはり体を休めるためだね。足の痛みは軽減されたが無くなった訳ではないし。

休憩をふくみつつ電話を繰り返す。ようやく出て

髭人「もう去年電車できた九十九里の浜辺に行ったからこれから帰る」

みたいな事を言って

髭人「お前以外の友人に電話しても出ないぞ」

っていうような事を話したんだが5分も話してないのにテレホンカードの度数が20も減っていた。

髭人『東京と千葉とは遠いんだな~』って改めて感じていた

→→→→別に10m先の携帯電話にテレホンカードでかけたって国内ならば結果は同じだろう。距離の問題ではないのだ。
にしても当時は携帯電話の通信料は本当に高かったんだな…
今時の人はテレホンカードなんて使ったことないんだろう。


電話も終わりその目星を付けた場所に行ってみました。すると国道の隣の為、「ビュンビュン」と車が走る音がうるさいうるさい。
他の場所なら防音壁みたいのがあって多少は音も静かになるんだがそこだけ防音壁が無かったのだ。

髭人「ここは寝られん」

と場所を変更する事にした。いくつか候補を抑えていたので順番に行ってみるだけだ。
んで次の場所、するとそこは行き通る時にチラッと何気なく見たので場所を良く分からなかった。
それで痛手となったのかそこは草むらみたいな所で段差があった。
これでは相棒が入れないという事でまた没、変更という事になった。

→→→→抱える元気は無かったなぁ…うん。

次はあんまり自信が無かったが

髭人「去年、九十九里の帰り道に通った公園にしよう」

という事になりうろ覚えながら国道の逆の方に回った。
するといやぁ~めちゃめちゃ環境良くてね~トイレや水場はある。昨日の公園と似たパターンである。

髭人「こんなに環境良いと昨日の茂原公園のように主がいるんじゃないだろうか?」

んで他に良い場所も無いし少し様子を見る事にした。
そこはすっごく広い公園で子供が遊び親達が世間話みたいな事をしていて微笑ましいほのぼのとした空間だった。
俺は木陰のベンチにどっかりと座り

髭人「ふぅ…」

→→→→勘違いするなよ!軽く一息をついただけだからなッ!

と一息付く。

髭人「暗くなるまでここにいるかな」

まだ日は高く3~4時ぐらいだったろうか?ぼ~っと子供たちが遊んでいる光景を見ていた。
「キャッキャ」騒ぎながら遊んでいる子供たち。どこの公園でもあるものだ。

髭人「俺もあんなんだった頃有るのか」

などと自分の過去を思い出していたりもした。当時、今まで、そんな立ち止まって考えることもなかったからな。
子供は嫌いじゃ無い、単純で面白く笑顔がいい。一時として止まっていず、見ていてそんなに飽きなかったな。

→→→→うん。17歳のころだったから良かったけど今、そんな風に見ていたら職務質問とかされっかなぁ?wwwwww

一人だったからそんな風に見られたのかよくわからないな。
んでその中で小学1~2年生ぐらいの子供が1人友達を一人親の携帯だかで呼び出して2人でキャッチボールを始めていた、

髭人「携帯なんかで呼び出されたんじゃオチオチ休んでられないな~」


その二人がキャッチボールを始めるのだが一人子供A君って事にしておく。
子供A君ともう一人(子供君B君)を携帯で呼び出しキャッチボールを始めるのだが子供B君がかなりコントロールが悪い。
子供B君の投げる球はほぼ5分ぐらいの確率で子供A君の頭上を越えていく。

子供A君「あ~」

そのままボールを取りに行っていた。そんな光景が見ていて笑えた。
そんな子供A君がボールを取りに行っている中子供B君が壁に向かって跳ね返して取るみたいなキャッチボールを始めていた(ボールは二人1つずつ持って来て2個ある)
お前がノーコンなせいでA君が取りに行く羽目になっているというのに勝手なものである。
んでその脇には俺の相棒が佇んでいた。

髭人「おいおい(跳ね返った球が相棒に)当たるんとちゃうか?」

案の定「ガシ!」と相棒の後輪の直撃した。
子供B君はそそくさとそのボールを取りボールを取ってきた子供A君と何事もなかったかのようにまたキャッチボールを始めた。

髭人『このガキ、何も言わんのか?』

→→→→脇で見ている俺のチャリだなんてわからないからな。ただの放置チャリとでも思っていたのだろう。
見ているだけの俺が勝手だったのだ。


口で言おうとも考えたが割って入るタイミングを間違えたのと下手にそんな事言うと今のガキって軟弱だから泣き出すか可能性も否定できない。しかも公園内には大人達がいる。
大人同士コソコソと白い目で見られヒソヒソ話というのはその場にいる俺がかなりキツイ思いをする事になる。というわけで

髭人「見逃してやるか?」

という事になりました。

→→→→子供(弱い奴)にはめっぽう強い俺、なんとも情けないことであるか…

んでやはりコントロールの悪い子供B君はまた子供A君の遥か頭上を越えるボールを投げ子供A君は「またかよ」という面持ちでボールを取りに行った。
子供B君はその待ち時間を利用してまた壁にボールを投げ出した。

髭人「コイツ、学習能力はないんか?」

と俺は子供B君を凝視していた。思ったとおり、ノーコンの子供B君はオレのチャリに再びボールを直撃させた。
そして無言で相棒に当たり別の場所に行ったボールを取りに行った。
ここはもう看過できないなと子供君に声掛けた。

髭人「ねぇ君?」
子供B君「うん?」小さい声で応える。

髭人「(ボールを当てといて)何とも思わないの?」と静かな口調で子供B君言う。
子供B君「ごめんなさい」

と答えボールを取って来た子供A君とキャッチボールを再開していた。

『それでええねや』と満足げな顔をして子供B君を見送った。

→→→→1度言うタイミングを逸してしまい、どうしようかと思ってもう一度ぶつけるであろうタイミングを待っていたんだよね。
本当に自転車に当てて欲しくなければ子供B君の壁キャッチボールを見越して別のところに自転車を移動させればいいのだから。
そんなちっぽけな髭人でありました。



公園のスピーカーからチャイムが鳴る。

髭人「コンビニ出たのは4時半。んで結構経ったから6時って所か?じゃ~飯の時間だな」

近くのコンビニに行って夕食を購入し公園で食べ始めた。
とそんな食事中の中、3人の中学生ぐらいの奴らが公園に入って来てタバコを吸い始める。

→→→→夏休みなら良くある光景ってやつだ。

髭人『俺にちょっかい出してこないのならどうぞご自由に』

っていう目で眺めていていたら彼らはそれから花火をやり始めた。

髭人「花火か…俺も持ってきたんだからやらね~とな。昨日やらなかったわけだし」

花火を取り出した。だが、まだ結構明るかったから

髭人「もう少し暗くなってきたらやるか?それに一人花火っていうのは彼らに変な目で見られる」

と思った俺は少し待っていた。
すると花火するには丁度良いぐらいに日が落ち、薄暗くなってきた。

髭人「よし、やろうか?」

と思っても彼らはまだ花火を続けていた。

髭人「ええ~い!このままアイツらが終わるのを待っていたらいつ出来るかわからん!」

と、花火をやる事にした。形振り待ってはいられない。
ピューンピューンと彼らのやるロケット花火が飛ぶ中、俺は一人寂しくライターを取り出し
花火に点火。
導火線(?)に火を付けようとライターの火を近づけようとするのだが前に花火をやろうと導火線に火を付けたのだがその導火線から散る火花にちょっと火傷した事があるので恐る恐る火を付けていた
んでチリチリと導火線に着火。シュルシュル!と勢いよく花火から火花が吹き出た。
しかしその量が心なしか少ない。

髭人『ショボ!』

と思うのだがそれ以上火花は上がらずその花火は終了

髭人『気を取りなおして次いこ!次』

と次の同じ花火を取り出しまた始める。
次のは同じ奴なのに少しは派手だ。ま、結果的にショボイ事には変わりないんだけど
んで次に値段が少し高い花火に変わって着火。

チリチリ…パッ!と高く上がった。
そしてパと火花が分裂して落ちる。これまたショボイ。
友達が入れば「何だよこのショッボイの~」と笑ったり出来るが一人の為そんな事はできない。
一人ボケツッコミ。痛い奴…どころの騒ぎではないな。
んで次はパラシュート花火。
「パラシュートで降りて来る時少しは面白くはなるだろう」と思い点火
パ!と上がりパラシュートが落ちてくるはずだったのだが…風に煽られ飛ばされる。

髭人「どこだ!?どこだ!?」

と探すのだが辺りが暗くて確認が取れなかった。
「あった!」と見つけた頃には着地の瞬間だった。
「あ~あ」と少し嘆きの声。そのパラシュートを回収し、
まだ空中で弾ける花火とパラシュート花火は1つずつがあったんだけど

髭人「それは生きて帰ってからやろう」

という事でバッグにしまった。もうこれ以上虚しくなるのには耐えられなかった。

→→→→ドラマみたいな展開をうっすらと期待していたんだよね。
一人で花火をしていて一人の若い人の集団辺りが見ていてこんな感じ。

若い人「一人で花火しているんなら一緒になりませんか?」
髭人「は、はい」

花火をして…
若い人「見るからに遠くから来た感じがしますけどどこから来たんですか?」
髭人「東京の方から」
若い人「マジですか?」

そんな感じで会話が弾む。
自分から出ていこうとしなければイベントはおこらん。
都合良く何かが起こるわけはない。


そして一人寂しい花火大会も終わり、寝床探しに入った。
と公園の奥に入ってよさそうな寝床を見つけ

髭人「ここにするか?」

と、シートを広げた。しかし公園の奥は奥なのだが歩道が目の前のあるのであった。

髭人「ちょっとした茂みだから大丈夫か?」

とその時は安易に考えていたが後で茂みの外から見たら電灯などの関係で丸見えだった。
そしてゆっくりしているとそのうちチャリで2人ぐらいのガキが喋っていた。
よくは全部は聞き取れなかったが「お金も無ければ心も貧しい」とか言っていた。
俺はお前にそんな事言えるのかと思った俺の事をホームレスと思ったんだろうか?

→→→→少なくとも親からお金をもらっていつ立場でそんな言葉を吐く奴は心が豊かとは言えんよな。

んでまた横になっていると

??「おい!○○さん(聞き取れなかった)じゃね~か?」

と、見知らぬオッサンに声を掛けられた。

髭人「ハイ?」
オッサン「何だ?○○さんじゃないのか?」(名前聞き取れなかった)
髭人「何でしょうか?」
オッサン「いや~その人と似ていたもんでよ~」
髭人「そうですか」

どうやらホームレスのようだ。似ていたというのに引っかからないでもないが
2日間チャリに乗り続け風呂にも入ってないのだから(体は拭いている)汚く見えても不思議ではない。
それでどこから来た?なぜここにいる?とか言う話になって会話のやりとりが続く。

→→→→あまり話が弾まないのは初対面の人と話すっての難しいもんな。人見知りだし
そもそも警戒心が高まっていたので気さくに話すって気分ではなかった。

髭人「ここは大丈夫なんでしょうかね?」

オッサン「ここか?ああ...安全安全他の公園だと襲われるとか聞いたけどな」
確かに、茂原公園は何となくヤバイ気がしたと心の中でうなずく。

オッサン「あんた腹へってないか?これからコンビニの賞味期限切れのお弁当を貰いに行くんだけどよ、あんたもどうだ?」
髭人「いえもう食べましたので」

と断った。

→→→→こう書き出してしまうと素っ気ないものだがな。
変について行ったは良いが行った先で…では困るものな。


そしてそのおじさんはちゃりに乗って消えていく。しかし何かそれからが怖くなった。

髭人「もしかしたらホームレスの仲間を呼びに行って俺を襲おうと企んでいるんじゃないか?情を少し売っといて安心させておいてそれで」

などとおじさんの心を踏みにじるような事を考え始めたのだ。
何を考えてもあのおじさんが悪巧みを考えているようにしか考えられなくなった
俺はそれで万が一時と考えていた十徳ナイフをバッグに入れていたがすぐに取り出せるようにとウェストバッグに入れ替えた。
何故そんなものを持ってきたのかというと野宿をするからにはと護身用であった。
はっきり言ってあのおじさんを信用していなかった。

『でも、そんな気があのオッサンになかったら俺は最低じゃないだろうか?』

そんな自分を嘆き、腹を立てつつ自分という物を再認識した。

→→→→無条件に人を信用しすぎるのも良くないわな。何かあってからでは遅い。
一人での野宿旅である。疑心暗鬼ぐらいで丁度いい。

オッサンは再び現れる事無く夜は更けていくのでした。

つまらなければ押すんじゃない。

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