髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

自転車旅行日記 ~九十九里編~ 2日目 前編

2013-07-29 19:00:46 | 自転車旅行日記
蚊は寄ってこないんだけどやはり草むらで寝ているという事もあってか寝た気が全然しなかった。
それで少し明るくなってきたなと4時ごろ起きた。
んで朝日でも見ようと思ってず~っと東の空を見ていた。
コンビニの裏にあった壊れた自転車に座りぼ~っと過ごした。
すると東の雲がかなり明るくなって

「そろそろか?」と胸を高鳴った。

そして日の出。

髭人「こんなの綺麗な朝日を見るのは初めてだ」

と、感動していて写真を撮った。
髭人は今まで父に連れられ登山をして山頂から朝日を見たこともある。
その時よりも美しいと思った訳だ。勿論、そこから海など見えやしない。
広い草むらであったが地平線などはなく東には民家が立ち並びさほど変わったの光景ではない。


→→→→心境って奴だろうな。
昨日の夜、散々、寝床を探すのに苦労したし、見つけて蚊の問題も解決したあとも熟睡できなかったからな。
夜が明けて明るくなったことで安心感が生まれた。それが、なんの変哲もない朝日を綺麗に感じさせたりううだろう。


日の出を見終わってコンビニに入り朝食を買い外で朝日を見ながら食べていた。

→→→→同じもコンビニを行き来しているオレは完全に不審者だったろう。


食べ終わるとゴミをサッサと捨て荷物をバッグに入れた。
外で夜を明かしたということもあって服からズボン。何から何まで湿っぽかった。
そして相棒に乗りそして出発した。
この時間まだ5時半。車なんてほとんど通っておらず

髭人「俺だけの道だぁぁぁ!」

なんて思いつつ走り続けた。
涼しい朝を快走していると目的地まで8kmと書かれた看板が見えた。後30分程度というところだろう。
「7km」「6km」と徐々に近づくにつれ俺はかなり興奮状態に入っていった。
「Welcom to 一宮」などという大きな看板のような物を見つけた。

入った!と朝早いのにもかかわらず俺のテンションはさらに高まっていた。
去年行った事のある場所という所で線路沿いを走っていた。
すると潮の香りがした。

髭人「海、近し…」


そうやって走っていると見た事のある道

髭人「ここは!!」


そのまま線路沿い進むとありました!!
去年行った「上総一ノ宮駅」
何か電車で来たのと自転車で来たのとはまた別の感動があった。
何か他の力を借りて何かしたってのと全て自力でやったのとは違うものだ。
駅名が書かれた看板と共に自転車と自分を入れて写真を撮る。自転車で行ったという証拠写真という訳だ。
駅にいつづけても仕方ないので海に向かって走り出した。

髭人「この道は去年晴れ渡っていて暑くて歩くのがだるかったよな」

などと去年の記憶を思い出す。しかし今は自転車で快適快適~♪
そ…し…て…
海が現れた。見た事のある海。全く変わってなかった。

一人でそんな海を見て感動していた。
記念という事でカメラを取り出して撮ろうかと思っていたら声をかけてきた。
近くに20代の半ばの車に乗っている2名の男が俺のそんな姿を見て

男「撮ってあげましょうか?」

断る理由もないので

髭人「お願いします」

とカメラを渡し適当にポーズを取って撮ってもらった。

男「全国回っているんすか?」
髭人「いえ、地元から来ているだけですけど」

それ以上盛り上がることもなくその人達は車に乗っていった。

→→→→「チャリで九十九里に来るとかwwww」みたいな会話でもしていたんだろうなぁ。
オレの知らないところでやっているのなら大いにネタにしてくれても結構ですわ。

まぁ自転車でこれだけ日焼けして走っていてカメラなんか取り出せば全国回っていたと思われるだろうと一人思った。
しかし「全国回っているんすか?」という敬語だったのは気になった。
友人や同級生からオッサン扱いされるのは慣れていたからなんとも思わないがこう第三者から言われるのは精神的にクルものがある(苦笑)
俺はやっぱりおっさんか?と一人ちょっと切なくなった。ハハハ。

俺はそこから海に向かって駆け出した。
まだ6時ごろという事もあってか浜辺には誰もいない。
いるとするのなら防波堤のデッパリで釣りをやっている人ぐらいだった。
んで俺は誰もいない事をいい事に

髭人「九十九里よ~!!俺は帰ってきた~!!」

などと絶叫!!

→→→→「アナベル・ガトー」のパクリですね。
当時は髭人の中でガンダムブームだったからな。
今でも好きっちゃ好きだが、こんな露骨にやらんわ。

誰一人として俺のほうを見る人間はいない。
まず釣り客がいる防波堤は遠いし波に俺の声が掻き消されていたのだろう。
んでせっかく苦労して海まで来たのに写真とって終わりってのも寒いので水着に着替え一人水浴び程度の事をやっていた。

→→→→どっち道、寒いな…うん。

一人あんまり長くいるのも馬鹿らしいとすぐに上がって服を着て近くの防砂林で寝る事にした
寝不足だろうから昨日はここで昼まで寝ると予定を立てていた(去年来た事ありますからだいたいの地形は覚えている)んで寝ているものの全く眠くならない。
俺はそれでも横になって目を瞑っていた。
波の音なんて聞きながらだから優雅とも言えるが眠れなかった。
そんな調子でごろごろしていたがあまりの眠れなさ加減で9時になり

髭人「帰るか?」

と思い立つ。このまま時間を潰していてもしょうがないという判断だ。起き上がってふと思い出した。

髭人「お土産でも買っていくか?」

残るもので思い出にしようと考えて海の家に行って

髭人「お土産なんて売ってないっすかね?」
店員の黒いに~ちゃん「お土産は海の家にはないねぇ~国道に出ればあるかもしれないけど」

そのように言われて国道に出るとお店がいくつもある。だが、肝心のおみやげ屋がない。
あるのは金物屋とかお菓子屋とか魚屋とかがほとんどだった。
お菓子屋にはお土産はあったが食べ物がお土産だと腐るし、残らないからな。

「お土産なしか」

→→→→九十九里にキーホルダーとか期待している俺がアホなんだよな。

出発してすぐにまた昨日休んだ茂原を見つけサッサと素通り
2泊3日という予定であるから今日走る分によって次の日、楽になってくる。
初日で九十九里、手前まで来たから最終日にそれぐらい行けるかっつたら溜まった2日分の疲労から考えたら厳しいわな。

だから今日という日に稼いで置こうという所である。
しかし、その日はカンカン照り。すぐ前が陽炎でゆらめき、立っているだけで体力を奪われる陽気であった。
昨日の睡眠不足の状態、取れてない疲れ。
無理しても仕方ないということで休み走り休み走る。これを交互に繰り返した。
ととある所で休み

髭人「さて出発だ」

と相棒に跨ろうと右足を高く上げた瞬間だった。

髭人「うぬぉぅ!?」


突然、右足股関節に電流のような激痛が走った。俺もこの痛みには耐えられず足をまた地に付いた。
当時、この右足がもげるんじゃないかと思えるほどの痛みだと思えた。

髭人「ぐぞぉぉ~このまま止まっていられるか!」

と左足から跨ることにした。
まず、自転車のスタンドを右足で蹴って(足を上げなければ激痛は走らない)反対側に回って左足から高く足を上げてまたがったのだ。
何とももどかしい動きだ。それでも、何とか走り出す。
右のペダルが上がる度に小さい電流のような物が俺の足が全身に流れる。
痛みを我慢しながら

髭人「走らなければ…少しでも進んで…」

という言葉を自分に言い聞かせ苦しみながら走った。
しかしそんな頑張りは30分も経たないうちに限界を越えた。

髭人「無理!」

とパチンコ屋の駐車場に流れこんだ。
そのパチンコ屋は潰れたらしく駐車場には放置自動車が1~2台あるぐらいな物だった。
そこの影になっていて店員用出入口のような小さなコンクリートの階段部分に座った。
俺はそこで自分の足を責めた。

髭人「情けない。相棒とかはこんなにも頑張っているのに肝心の俺がこんなんでは」

しかし、足を上げると耐え難き苦痛が

髭人「ぐぅぅ…」

ほとんど元気が無く、一人黙って座り込んでいた。15分ぐらいの休憩。

髭人「あんまり長居しすぎるとホント体が動かなくなる」

と立ちが上がり少し自分の右足を労りながら相棒に乗った。

髭人「持ってくれよ。俺の右足」

と声を掛け走り出す。そのうち限界の頂点でも越えたのかほとんど痛さを感じなくなった。

髭人「足の感覚がいかれたか?だがこっちにとっては好都合だ」

とさきほどとは思えないほど軽快に走る。と言っても1日目ほど速くはない。
だが北上してる為に風が容赦無く俺の行く手を阻んだ。
風。昨日は「悪魔の調べ」で俺をボロボロにさせた風。
西の風なのだが正確に言うと南西の風である。
だから俺また向かい風となって襲う。
と、後少しで北上から西への曲がり角に差し掛かる。

髭人「俺が西へ行くからという事の最後の悪あがきか?」

→→→→ややギレンっぽい。

12時前ぐらい。お腹も減ってきた時間帯である。
前に「吉野家」が見えてきた。
腹ペコというほどではなかったが空腹感がしたので

髭人「そろそろ昼にするか?」

そう思って吉野家に入ることにした。
店内に入ると冷たい風。エアコンの涼しさは体をおかしくしそうなほどである。

髭人「何を食うか?」

メニューを見て、豚汁が好きだから豚汁定食を頼んだ。ほどなくしてやってくる豚汁定食。
割り箸を割り(当時は、割り箸だった)豚汁を取り、何の気なし口をつけた。
不意打ちだった。もはや突然殴られたぐらいの衝撃だった。体がビリリッと震え、自分の沸き上がる感情に戸惑った。

髭人『旨すぎるゥゥゥッ!』

その感覚は一瞬で全身に上がり抑えがきかなかった。何と突如として涙が溢れ出ようとしていた。

髭人『やべぇ!こんな衆人環視の中、泣けるかぁ!』

今は昼食時、カウンターには空きがないほど客がいてお昼を食べていた。そんな中、

客『何、コイツ。豚汁飲んで泣いているよ…』

と、ドン引きさせたり、笑いのネタにされるのは耐え難かった。
上をむき、口は閉じて歯を食いしばり今までの人生でないほど力をまぶたに入れて閉じる。
暫く空前絶後の旨さに対する感情に耐え、何とか涙を流さずに済んだ。

→→→→涙を見せずに済んだものの、挙動不審だったはずである。客の中でもコイツ変だと気づいた人はいるだろうし、
店員は間違いなく『何だコイツは…』って思ったに違いない(笑)

豚汁に感動し、牛丼は普通に頂き、出発。感動的な昼食を行い元気がでた。
足は痛むけどゆっくりと進む。時間は午後になる。ようやく、房総半島を横切るところまで来て
ここからは北ではなく西に向かって走ることになる。

コンビニに寄り適度に水分を取りながら進む。
んで近くにマックがあったからそこで軽食を取るべくマクドナルドに寄る。
しかし水分を結構取りすぎていたという理由とLを頼んでしまった事が重なり食べきれなかった。

髭人「こりゃ持ち帰るしかないな」

と思った。
俺は残ったポテトをどうにか外に出ない状態にしてバッグに入れた。

髭人「お持ち帰りだ」

という所である。西の道。

髭人「昨日は向かい風とかで悪魔の調べだったが今日は追い風となって天使の調べになるだろう」

と思いペダルに足をかけ走り始める。予想通り追い風で少し漕いだだけで思いのほかスピードが出る。快適快適。

髭人「おお~」

とそのスピードに酔いしれながら走った。するとお土産屋らしき店を発見。

髭人「ここなら何か売っているか?」

と中に入り見ているとキーホルダーとか適当にお土産になる物が並んでいた。

髭人「どれにしようか...」

と悩んでいたがあんまり考えていてもしょうがないかと
似ているようなものを幾つか買った。どうせ、同じ人に2個も3個も渡す訳でもないしな。
出発、追い風が味方するものの坂は歩く。体は休めないとね。

んで昨日暑さ、風、体力の激減という要因が重なって地獄と化した道を走る
暑さはあるものの風は追い風で体力はあるからめちゃめちゃ速い。

髭人「昨日なんであんなにトロトロ走っていたんだろ?」

疑問に思うばかりだった。

髭人「うわ!昨日あそこで休んでここで休んだけどあれしか進んでなかったのか?」

パワーダウンしてからの移動距離の短さに驚く。
30分そこいらで千葉市に着いた。昨日は2~3時間はかけていたというのに…


つづく…

自転車旅行日記 ~九十九里編~1日目 後編

2013-07-22 19:31:45 | 自転車旅行日記
前回のあらすじ
東京多摩地方に住む高校3年生の髭人、
前年にチャリで九十九里に行けなかった無念を晴らすべく1人自転車で挑む。
千葉県に入り午後に力が出なくなるというトラブルに見舞われたもののパンを食べて復活。
再度走り出し、日も暮れてきたという状況…




「茂原」という所に入った所で自分は先に行くのをやめた。
前回、友だちと電車で海に行った場所まで後10kmぐらいであった。自転車で30分もかからないぐらいであったものの、周囲はもう真っ暗で宿探しをする必要もある。

髭人「今日はここで野宿だ!」

と決めた。
なぜ野宿かと言うと、当時やっていたヒッチハイクで大陸横断とかをやっているコンビとかがお金を無駄遣いさせない為という理由で野宿とかしまくっていたからである。

髭人「俺もそういう体験やってみるか?」

という理由で野宿を決定させたのだ。親からお金を援助してもらったからあまり使うのは良くないかな~と思っての判断でもある。
ちなみに、前回も野宿すると共にいた友人たちに申し出たのだが、友人たちは野宿に否定的で

前回の髭人「お前らが宿で泊まるなら一人でも野宿する」

などと異様に野宿にこだわっていたのだが一人で野宿なんかして何かあっては困るということで却下された。
ただ、結果的にはそのほうが良かった。

→→→→友人たちの判断が正しい!ここで髭人のワガママを認めて本当に何かあったら後で責められるのは友人たちだし。

というわけで今回は一人である。止める人間もいない。俺がまず「茂原」に入ってした事はそれは寝床探しである。
1つ目
小さい公園を見つけて「ここにしようかな~」と公園に入っていくと先客がいた。
ベンチで横になっている人達。ホームレスの方々だろう。

髭人「ここにいたら襲われるかな?」

と、思った俺はそこをサッサと出てほかを探すことにした。

髭人「でも俺はこの人達と同類か...」

と、少し悲しくなった。

→→→→発想が失礼だわな。自らで野宿しようとする人間と理由は定かではないがホームレスをやるしかないって人もいるはずだ。その人と同じって考えるのはなぁ…


橋の下とか色々と回っていながら何か道路標識に「茂原公園」という所を見つけた。
しかもそこはトイレ、水場付き。

→→→→不動産屋でのお部屋さがしみたいだな(笑)

髭人「おお!設備がいいじゃないか」

とその道路標識にしたがって道を行く。商店街のアーケードをくぐり橋を渡る。
でその茂原公園に行こうと思ったら茂原市役所ってあって広めの場所で見えづらい場所もある。

髭人「ここもいいなぁ~」

と思ったが

髭人「流石にそういう土地だと人にばれやすいか?」

と断念した。標識と地図を見ながら「茂原公園」を探すのだが見つからない。

「う~む目立たない所にあるのか~?」

他にも大きな駐車場のような所なども候補として残しつつ
やっとの事で茂原公園を発見!

髭人「おお!書いてあった通りトイレ、水場付きじゃないか!!」

と、喜んでいてその公園の中に入り水場で水を飲もうとした矢先、水場で見つけてしまった。

髭人「歯ブラシ…ここには主がいるな…」

周囲を見回したがそれらしき人はいなかったが新参者がノコノコ行って、そういった人が帰ってきて鉢合わせになったら好ましくないと思って場所を変える事にした。
すぐ見つかるだろうと思っていた寝床探しもままならず、途方に暮れていたが

「まぁ、まずコンビニで飯でも食うか?」

気を取り直して、コンビニに寄りジュースを飲む。そして公衆電話があったので友達に電話した。
その友達からこの人を友人Aとしよう。昼間に電話した相手である。

友人A「髭人か…どうした?」
髭人「友人Bの電話番号を教えてくれない?」

友人Bとは友人Aと同じく去年、九十九里に一緒に行こうとした友達のうちの一人である。
で、なぜ友人の電話番号を知りたいのかと言うと九十九里に行く前にみんなで集まって九十九里の話をした事があった。

友人B「またお前九十九里、今度は一人で行くんだよな?」と
髭人「ああ!決めたからね」
友人B「それじゃ行く時に電話してくれよ」

で友人Aから友人Bの携帯を聞き出し早速電話をした。すると電波をつなげようとしれいるのか受話器からなんの音もしない。(トゥルルル~も聞こえない)
そしてしばらくその沈黙が続いた後に「ツ~ツ~」と…

髭人「はぁ?どうなっとんねん」ともう1度掛け直すが結果は同じ

通常携帯なら繋がらない場合機械音声で

「電波の届かない所にいるか電源を切っています」

などという声が入るはずなのにそれすらない。

髭人「どういう事だ?」

と疑問を抱きながらもそのコンビニで夕食を取る事にした。さっきジュースを飲んだせいかあんまり腹も減ってなかったからジュースとパンの1つだけ。

→→→→明らかにカロリー不足だろう。

一人寂しく食べているとそのコンビニの裏が草が広がっていた。

髭人「ん?ここは…」

とコンビニの裏に入ると草が一面に生い茂っていて回りに家もなく人には見つかりにくい。

髭人「ここはベストだ!!」

と確信してシートを広げた。そして横になった空を見ると星が一面に広がっていて

髭人「おお~地元じゃこの時間こんなに多くの星は見れないよな」

と、感動していたら耳元でぷ~んという耳障りな音。そう蚊であった。うるさい!と手で蚊を払うがそんな事で蚊が寄ってこなくなるなら蚊取り線香などいらない。

髭人「俺は1日チャリで走り続けて疲れてるんだ!体力回復のために寝なければならないんだ!」

意地になって、目を閉じてみるが…
ぷ~ん。ぷ~ん。ぷ~ん。ぷ~ん。ぷ~ん。ぷ~ん。

髭人「あ~も~!うるせぇぇぇ!!血は君らに献血って事でいくらでも提供してやるから耳元で飛ぶのは勘弁してくれ!」

タオルで耳を隠したのだが俺の耳がいいのか蚊の羽ばたきがうるさいのかほとんど変わらずぷ~んが聞こえる。

髭人「ああ!!もうこんな所で寝れるか!!」

蚊の羽音>疲労
という状態になってしまった。
それにしても奇妙なのが既に8時を回っていたが眠気が無かったのだ。
朝6時ぐらいからチャリを漕ぎまくってきたというのに不思議と眠気はない。疲れてはいたが。
やはり屋外にいるという事はやっぱ外という感覚がして外は活動する場所というような本能のようなものが俺に染み付いてしまっているのだろう。
もしこれが屋根のある宿なら心が安心して眠気が襲ってきたのではないだろうか?


眠る場所を探しにさまよい再び「茂原公園」に行くと何人かの俺と同じような年代の人達が花火をやっていた。

髭人「花火か。持ってきたな。一人でやるか?」

寝床探しに飽きて気分転換になるかと思って花火をやろうかと思い立つがライターは持ってなかったのでコンビニでライターを買い花火を持ってそこに行こうとまた歩く。
んでもう終わっているだろうと茂原公園に着くとまだ花火をやっていた。

髭人「長いな。終わるまで待つか?」

ベンチに横になって終わるのを待つ。一人でやるのはあまりにも寒いし、対抗意識を持っているとは思われたくないし

髭人「一人じゃつまらなくない?一緒にやらね~か?」

などという誘いが来るかもなどと勝手に都合のいい事を考えていたりしたが結局それからその人達の花火は終わり静かになった。
でまだそれでもベンチで横になっていたのだがふと気付いた。

髭人「ここには蚊がいない!」

いないとは断言できないが少なくともコンビニの裏の草むらよりは遥かにいなかったことは確かだ。

髭人「もう主がいようと関係ない!蚊がいないんだったら!!」

という事で荷物と相棒を取りに帰る事にした。

→→→→パクられる可能性はあまり考えていなかったのだろう。ここで荷物パクられていたら絶望だよな…うん。

そしてシートなどをバッグに入れ出発。すぐに着いてベンチに横になって「寝るか?」って考えていると2台車が駐車場に入ってくる。
茂原公園の近くには美術館があるらしく結構車が駐車場に停めてあった。

→→→→美術館って言うよりは駐車スペースとして利用される場所なのだろう。

そんでその2台の車から複数の男女の声がして一人の男がベンチに横になっている俺を見ているのに気付いた。
まぁ夜美術館に入ってくるわけじゃないだろうからたぶん、カップルが車中で愛し合ってるんじゃ無いかと思った。

→→→→その可能性は十分にある。

「何か邪魔だどっかいけよ」みたいな感じがその立ち方からわかった。

髭人「このままここに滞在してはなにされるかわかったもんじゃないな」

そそくさと俺は茂原公園から退散した。そしてまた寝床探しを再開した。
んでさっき「いいな」と思った地面が土の駐車場に行った。それでシートを広げて寝ていると車の音がするものの蚊は少なくめちゃくちゃいい場所だ
しかし道路から近い事もあってか道路から丸見えだということに気付いた。現在は真っ暗で近くにライトもないので車側から見つかる可能性は低い。

髭人「夜はいいかもしれないけど朝見られて襲われるかな~」

ともう「人に見れる=襲われる」という強迫観念みたいなものに捕らわれてしまってそこも不安で駄目という事になった。

→→→→その判断は間違いではないだろう。

髭人「あ~!!もうここにはいられね~!!こうなったら今日中に九十九里に着いてやる!」

と相棒を走らせた矢先「ウォ~!」と音がした。

髭人「何だ?パトカーか?パトカーにばれると無灯火だからまずいな」

すぐに相棒を降りた。自転車に乗りさえしなければ自転車とは扱いは受けないと思った俺は相棒を降りるとパトカーは「ウォーン」と通り過ぎって行ったのはそう。消防車であった。
何か拍子抜けというか何と言うか。そのせいでテンションも下がりそれで「コンビニの所に戻ろう」と相棒を走らせようと思ったのだが…

寝る場所をさんざん探したが見つからず、海に行こうと思ってもよくわからん所で足止めを食らう。
思い通りにならず良くないことが立て続けに起こると、いろいろなことを一気に考えてしまうものだ。

『何でこんな事になってんだよ…』
『俺が日々の行いが悪かったからか?』
『一体なにが悪かったんだ?いつどこで?』
『オレの人生が悪いのか?』
『こんな感じじゃ今後どうなるんだよ』

今日一日中走り続けた疲労感。夜、一人で見知らぬ土地の道をさまよい歩くという孤独感。これからちゃんと海について帰れるのかという不安感。
それらが少年の心をより深く悩ませるきっかけとなった。

『将来かぁ…いずれ大したことのない大人になるんだろうなぁ…』
『例えば、この相棒(自転車)に世話になったことを忘れ、パッと捨てちまうような心の腐った大人に…』
『なりたくないと思ってもなっちまうんだろうなぁ…』

心から突き動かされるようなものがあり、体が震え、目から涙が溢れた。

→→→→当時は、純粋な少年だったからな。

ひとしきりに涙を流したあと、心が少し晴れたようでつまらないことを考えるのをやめ、コンビニ裏に戻った。
また元の場所にシートを広げた。しかしやはり蚊がうるさい。そこでようやく閃いた。

髭人「蚊対策に蚊取り線香でもあるかな?」

今更という感じである。

髭人「コンビニに蚊取り線香なんてあるかな~?」

心配になりながら店内を探すとあった。蚊取り線香と虫除けスプレーがあった!!
この時、何か輝いて見えた気がした。ゲームの重要アイテムみたいな感じで。


髭人「どっちにしようかな?」

迷ったが蚊取り線香が体全体をカバーができないだろうというのとホントに蚊が取れるのか?と心配になって虫除けスプレーを購入した。
風にも影響するだろうし
そして草むらに戻って体全体に吹きかけた。
頭にかけると何か髪に悪そうなのでタオルにスプレーを吹きかけそれを頭に被った。
そして横になるとさっきとは嘘のように蚊が来ない。効果てきめん。

髭人「よし!これなら寝られる!」

と目を瞑った。

まず外にいるということで寝た気がしなかった。
ずっと目を閉じているだけって感覚がして起き上がるとさっき見た時間より1時間経っていたというだけ。

「1時か…」
「2時か…」
「3時か…」

って風にそして夜が明けていった。

自転車旅行日記 ~九十九里編~1日目 前編

2013-07-16 20:00:54 | 自転車旅行日記
先週言っていた「夏」ネタ
ということで髭人がかつて、行った自転車旅行の話を掲載しようと思います。

ええ~。相当、昔にHP上で公開していたものなので当時は今よりも文章を各能力が劣っていたので今も読みづらいでしょうが更に読みづらい。ですので加筆訂正してお送りします。

髭人のアホ発言などありますが、何分、未熟ゆえだったということでおおらかな気持ちになってご覧ください。
それに、髭人の行動をありのまま掲載してあるため「間違った知識」「誤った行動」などが多数見られます。
真似などせぬように心からお願い致します。
真似をして万が一何らかの被害を被っても髭人の責任は一切負わないということを予めご了承ください。

「→→→→」は今だから言えるツッコミです。






まず、九十九里浜に行くことにした経緯から説明しなければならないだろう。
もう何年も前のことだろうか?高校2年の夏休み。

東京、多摩地方から海に自転車を使って行く事にした。
その時は、友達と一緒だったのだが、行き当たりばったりの計画性ゼロだった。
何たって朝、集合してから

A「行き先は?」
B「海ってんなら湘南か九十九里だな」
C「湘南ってちかすぎね?」
髭人「どうすんだよ」
C「じゃ、九十九里にしようぜ!」

目的地すら決まっていない無計画さ。
だから当然ルートなんて分かっておらずコンビニで地図で調べながら進むという出たとこ勝負。
最終的に、千葉に入って少し経つとみんなバテていた。

A「もう無理だ」
B「俺も」
髭人「ええ~」
C「俺たちの目的って海に行くことだろ?だったら自転車にこだわる理由ってねぇんじゃね?」
髭人「自転車で行ってこそだろ?」
A「Cの意見に賛成」
B「だったら電車にしないか?」

多数決により、髭人の意見は却下された。その日は宿に泊まり、次の日、電車を使って海に行った。
電車の中で

髭人『ほかの連中はやる気がなさすぎる。来年は俺一人で行く』

そのように自分は決意していた。
ただ、3人をフォローするなら2人はママチャリ。自分とあと一人がマウンテンバイク。
そう考えるなら髭人の体力は残っていたと考えるのが妥当だろう。マウンテンバイクに乗っていたあとの一人は知らん。


そんな事もあり、1年が過ぎ高校3年また暑い季節がやってきた。
髭人のやる気は十分。リベンジを果たすべく気持ちのテンションも上がった。

8月8日。5時20分。セットした目覚し時計が鳴った。
去年、友だちと引き連れて九十九里に行った日に起きたのは確か6時頃だったはずだ。
その時は、それで8時ぐらいに集合していたのでかなり早いと言えた。
まず、パソコンを付け皆に『これから行ってくる』という要件のメールを送った。当然、去年一緒に行ったメンバーである。

そして昨日の残り物を冷蔵庫から出し一人食べ始めた。
そんで半分ぐらい食べ終わったかな?という時に上からガタガタと階段を下りて来る音がした。

髭人「あ~起きてきやがった」

とため息を1つ。
母親が起きてきたんだよね。非常に口喧しい。
人のやる事なすことに全て首を突っ込みたがって「あれ持った?」「これはやった?」ともう何もかもにイチイチ口を出してくる。
ハッキリ言ってうっとうしい存在である。
と下りて来て、案の定

母「あれはどうした?」

と聞いて来た。

髭人「昨日、起きる時間を教えなかったのは(昨日聞いてきたのだが黙っていた)こうやって起きるとごちゃごちゃうるさいからなんだよ!」

とめちゃくちゃ不機嫌になっていた。

母「見送ってやりたいから」

とオバサンは言っていた。
心配症だからな。うちの母親は特に。

母「気を付けて行ってきてね」
髭人「ハイハイ」

軽く流す。照れですわな。
リュックを背負い外に出て写真を1枚撮った。「行って来ます!」っていう理由でね。
今、考えれば遺影になるかもな。

さて、出発時の持ち物を書いておこう。
持ち物
替えのTシャツ、替えのズボン、財布、カメラ、水筒、シート、花火、万能ナイフ、バンダナ、タオル、パンク補修セット、ウェストバッグ、リュック

そんな物だろうか?昔一応、メモ程度に書いていたが流石に「パーフェクト」とは言えない。

→→→→携帯などがないのは当時の髭人は携帯電話を持っていなかったからだ。

そして物置から相棒を持ち出す(世話になる自転車。以後そのまま相棒と表記)
するとオッサンが出て来て相棒を見る。
タイヤの空気圧状態、ベルのなり具合とかそんなのを見ていた「ヨシ」って事で最後に簡易空気入れをもらい出発!
元気よく「行ってきます!」と走り出す。
これぐらい軽い感じが出発の理想。母親みたいにあれこれ聞かれるとこれから頑張ろうっていう意欲が薄れる。

朝早いというのにちょっとペダルをこいだだけで汗が吹き出す。
大きな坂を押して登った。体力の無駄使いをしないためであるが、大した違いにはなるまい。

登り終わり一気に下る!!歌を何か歌いながらで妙にテンションが高かった。
遠出するときの初期の段階は無駄にハイになっている。だが、1時間も経たないうちに無言となるが(笑)

走り始めてすぐに始めて通る道に入った。地図で調べた結果その道が最短である事がわかったからだ。
そのうち「ここがそうか~」と去年通った道に合流する...

そして直進。ひたすら直進。
朝早いせいか車もあまり通ってなく

髭人「ガハハハ!俺の道だ~!」

なんて騒ぎながら走る。車に乗っている人からすれば「何こいつ、キメェ!」だろうがwwwww
風もあまり無くスピードはかなり速い。
前回は新宿に付くまで1度休憩を入れたが、今回はぶっ続けで走る!走る!走る!

そうそう道路の標示板に「去年の都内の死亡者数250人」と書いてあったり交番や駐在所の前の掲示板に「昨日の都内の交通事故の死亡者0名」と...

髭人「俺はこんな中の一人になってたまるかぁ!!」

そしてスピードがめちゃ早い為か妙に高いテンションと共に走っていると都庁が見える。

髭人「新宿…早い…」

と、止まってちょっとしたでっぱりに腰を下ろし水筒の水を口に含む。
水筒といっても重くならない為に安物のプラスチック製の軽い物だ。そのせいか水は当然のようにぬるい。
でも体の中にいい水として入れ5分程度の休憩でまた走り出した。

→→→→今、考えれば荷物を軽くしたいのなら自販機かコンビニでジュース買えばいいじゃんって気もするが、当時はドケチ振りが異常レベルに到達していたからな。

髭人「新宿かぁ~今8時半だろ?ラッシュ時じゃん駅に人がいっぱいるぞ~」

と思いながら駅を走っていたそんなに人はいない。
「あれ?」と少し拍子抜けしながらも人がいない事はいい事だと一気に走り抜けた。
新宿をちょっと行くと新宿御苑って所の横を通るとホームレスの方々が所々で寝ているのを目にした。

髭人「明るい街、新宿ってイメージがあるけど裏を返せばこんな物か…」



田舎者で世間知らずの髭人さんですからね。国会議事堂の脇を通った。
次に東京駅。前回はは11時ぐらいに着いたぐらいだった。そこの時計を見ると8時50分

髭人「何?まだ9時前なのかよ!」

と驚き、前来た九十九里の友達に電話してみた。当時髭人は持っていなかったが友人は携帯電話を所持していた。
が、彼は寝ているらしく全く出てこなかった。

髭人「何だよ、俺が行く時は『1日中起きている』って言っていたのに」

と前、彼が言った言葉を恨んだ。

→→→→24時間テレビじゃねぇんだからそんなセリフは冗談に決まっているわな。


んで東京駅周辺は道が複雑でわかりにくかった。
10万分の一の地図をチラチラ見てそれと去年来たという記憶を頼りに走っていると目印となる日本橋を発見!

髭人「俺って冴えてる~」

などと自分を誉めながら日本橋をくぐった。

→→→→答え見て照らし合わせただけにしか過ぎないのに何を喜ぶのか…

前回、通った国道14号を地図や道路標識などを見てどうにか国道14号に乗る事が出来た。
複雑な所を越したって事で安心してか小腹が空いて来た。
その為近くのコンビニでパンとペットボトルのお茶を購入した。
お茶っていうのはですね甘ったるい物を飲むとすぐに喉が渇くって聞いた事があったので砂糖を使ってないお茶にしたというわけだ。

→→→→自転車に長時間乗るときは大抵、お茶系である。

バス停のベンチでパンを食べ残りを食べ、水筒の水を飲み干しお茶も飲み残った分を水筒に入れた。
休憩を取り終え再び直進を続けると大きな橋が見えた。

髭人「あれは…」

千葉と東京を分ける橋小松川橋。
そこの坂をやっぱり押して上がり走っていると遠くの時計を見て

髭人「10時50分か…去年飯食ってから渡ったからめちゃくちゃ早いな」

と自分に感心しつつ千葉に入った。そこで新しい地図の登場!!
東京まで10万分の1の縮尺の大きな地図のコピーした訳だ。千葉からは前回一緒に自転車で行った時に買った3万分の一千葉の地図をもらっていたのでそれを頼りにする。
今後の道の確認をし国道14号をそのまま突っ切る事にする。するとまたも大きな橋市川橋があり渡る。
そこの坂がめちゃめちゃ急であって上がるのが一苦労。
しかし上がり終わって川の上を走っていると海からの風が気持ちいい事気持ちいい事。長い橋を快走した。
橋を下りて疲れたな。とコンビニで休憩。しかしこの時驚いた

髭人「小松川を越えて10分は経った。なのになぜまだ10時前なのだ!」

恐らく遠目で見たから8時50分と9時50分を見間違えたようだ。

→→→→デジタルではなくアナログだったし疲れていたから…と、フォローしたって意味はない。

髭人「千葉に入ってまだ10時前?なんて速さなんだ」

と今度は感心するどころか驚いた。
コンビニでペットボトルの紅茶を買って飲んで友達にまた電話したが、出ない。

髭人「うう~俺がせっかく電話しとるっちゅ~のにぃ!」

と腹を立てながらまた走り始めた。
信号で止まっている時に地図で現在地を調べていた時だった。

おじさん「何処に行くのかね?」

と、聞いてきた。

髭人「九十九里です」
おじさん「あっちだよ」

と言って指を差した
親切なおじさんで軽くありがとうございますみたいな事を言ってまた走り始めた。
この時間になると太陽も真上になってくるのでクッソ暑い。

前回はは曇りだったからかなり楽だった。小さい雲に太陽が隠れている時と隠れてない時の差がまるで違う。「ザウス」を越えた。

→→→→当時、あった屋内スキー場である。客がヘリ経営破綻。
現在はもう解体されているだろう(よく知らん)。
CM「手ぶらでスキー」
なんて言っていたのを思い出した。


髭人「一息つくか?」

とコンビニに寄ってミネラルウォーターを買い友達に電話を入れた。するとやっと出た。

髭人「やっと起きたか」
友人「あぁ…」

かなりローテンション。たぶん寝起きだったのだろう。

友人「今、何処だ?」
髭人「ザウスを越えた所」
友人「じゃ今日1日で九十九里に行って来い」
髭人「無理だ」

→→→→今、考えれば十分可能だったと思える。

っていうようなたったそれだけの会話にもかかわらず残りのテレホンカードを使いきってしまった。
でもそのテレカ始めから残っていたのが5度数だったからな。でも1分ぐらいしか話してなかったんだが。
電話を終え残ったミネラルウォーターを水筒に入れて出発。そのうちに国道14号はかなりの大通りになった。

「広い広い」と走っていてなんか腹が減ったような感覚がしたのでマックに寄って食べた。
水を飲んだせいで腹が空腹感があった訳ではないが

髭人「食べなきゃ力が出ん」

と無理にでもすべてを食べた。そして道を見て出発。そのまま走っていると見覚えのある道だった。

髭人「ん?ここは…」

と、走り続けると去年みんながバテた場所だった。
まだ1時半なのにと思いながらそこを記念って事で写真を撮った。

→→→→なんの記念なのかは分からんけど

そして千葉の市街に入った。
ここから先は未知の領域。だからと言ってびびってられないので気合を入れなおして進む。

髭人「確かこの道から九十九里まで5時間とか去年言っていたらしいな。嘘言って~」

前回、挫折した場所の交番で警官に「九十九里まで自転車なら後どれくらい?」って聞いたのだ。
その時警官が答えたのは「5時間」
そんなバカなと余裕余裕という気で走っているとなぜか力が抜けて行った。


髭人「あれ?さっき休んだばかりなのになぜだ?」とスピードがかなり落ちる…」

というわけで栄養ドリンク剤を購入。

髭人「これさえ飲めばパワーが溢れてくる!!」

と思い一気に飲み干しまた走り出した。
しかし15分もしないうちにパワーダウン

髭人「なぜだ?なぜ?飲んだばかりだからパワーが出ないというのか?」と疑問を抱きながらも走り続けた。
しかしペースは驚くほど遅い。気力はあるのにペダルに力が入らないのだ。

髭人「パワーも抜ける上に向かい風なんて悪条件なんだ!」

またコンビニに寄り

髭人「俺は疲れているんだ。休めば大丈夫」

と、ジュースを買って30分くらい休んで出発。
しかし物の20分程度で体力が抜けていく。体に異常はない。頭が痛いとか身体がだるいとか一切ない。
ただ、力が無いらないのだ。

髭人「『顔が濡れて力が出ない』っていうアンパンマンの気持ちが良く分かる…」

そんな心境である。

髭人「ぐぞ~!」

暑さと自分の不甲斐なさが目眩のような感覚がして首を振って何とか平常心を保たせようとする。
そんな中腹が減ってきたような気がした。しかし、空腹という認識はない。
水分を取りすぎて、お腹の中がタップタップという状態なのだろう。
日も傾き時間は4時半前って所だ。時間も遅くなってきたのでコンビニでそこに入りパンとお茶を買った。
そしてかぶりつく。お茶で口いっぱいのパンを流して飲み込む。
そんな事を繰り返し何とか食べ終えた。

そして出発。すると疲れているものの体力の減り具合が全く違う。
俺はその時思った。

『お茶のようなカロリーの無いものばかり飲んでいたからエネルギーが無くなったんだな。だから水分を取っても一時的には満腹感で走れるがそのうち汗と一緒に出ていって後は何も残らないと…』

と一つ、学習をしながら走り続けた。

→→→→学習したつもりだったんだけどねぇ…

俺はこのこの少しのアップダウンと向かい風そして力が抜けて行くと言う所からこの道を「悪魔の調べ」と名付けた。

→→→→やや弱い中2病って所か?

何とかそれで房総半島の3/4ぐらい来て、後は南下していくだけとなった。
九十九里は東に着ける。しかしなぜ南に行く必要があるのか?
それはただ九十九里に行くだけでは面白くない。髭人は全快電車で行ったあの海を相棒と共に見たいという感情である。
それに、写真を撮ることにより信ぴょう性を持たせることができるからだ。友達にただ口で

髭人「あの時の海辺、チャリで行ったぜ!」
友人「嘘言うな」

と、言われるのがオチである。
まぁ、信じてくれるだろうけど証拠品がないと自分もそれ以上、言うことができないからな。
太陽もほとんど西に傾いて日差しも弱くなっていた。道路を走っていると反対車線の車が渋滞し始めていた。
九十九里に行って帰る車が渋滞していると言う所だろう。

髭人「チャリで来ればそんな事にはならないのに。ハッハ~」

と、憎まれ口を叩きつつ意気揚々と走っていた。


つづく…

つまらなければ押すんじゃない。

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