髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

天使の吐息 #44

2010-01-25 20:30:51 | 天使の吐息(詩)
高校受験を控えた男子がいました。

ですが思うように集中力が湧きません。

「もう休憩時間の15分も過ぎたか・・・やるか・・・」

机に向かってもすぐに嫌になって背を向けてしまいます。

「ああ~!ダメだ!やってらんねぇ」

気分転換に体を動かそうと部屋を見回す。

部屋はかなり綺麗になっていました。

以前も体を動かせばやる気になるだろうという理由で既に部屋中のあちこちを掃除していたのです。

ですから掃除する場所も殆どありません。

「どこか掃除する場所は・・・どこか掃除する場所は・・・」

部屋中を見回します。

「あった!本棚の整理をするか!」

教科書や漫画などある程度区分けされているものの、順番にしまってなかったり、乱雑に突っ込まれているだったので本棚を見る事にしました。

「これは・・・ここ。これは・・・そこ」

ヒュウ

パタッ・・・

1冊の本が落ちました。

「幼稚園の卒園アルバムだな。懐かしい」

昔の自分の写真を見て、友達など思い出していく中、1枚のページで指が止まりました。

「将来の夢か・・・」

そこには当時の子供達の夢が書かれていました。

その中で自分の所に下手糞な字で、「さっかー」と書かれていました。

「選手が抜けているぞ・・・サッカーになってどうするんだよ」

サッカーボールを必死に追いかけていた自分を思い出しました。

「もうサッカー選手にはなれないけど・・・夢か・・・俺は何をやりたいんだろう?でも、今は・・・志望校合格だよな」

何故か自然と体が机に向かうのでした。

天使の吐息 #43

2010-01-18 20:55:02 | 天使の吐息(詩)
20代の女性がいました。

早朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまいました。

「トイレに行きたい。でも、布団から出たくない」

トイレに行きかったのですが寒い思いをするぐらいならちょっと我慢して温かい布団の中でぬくぬくとしていたい気持ちでした。

「目覚ましが鳴るまで後、30分ちょっと・・・それぐらいだったら我慢できるかなぁ?」

ヒュウ・・・

「やっぱり起きよう!」

そう思ったものの、外は寒いので少し気合を入れないと外に出られません。

ガバッ!

「ううっ!さむぅ!トイレが布団の中まで来てくれればいいのに!」

近くにおいてあるセーターを着込み、用を足して少し考えます。

「久しぶりに早く起きたから余裕を持って朝を過ごそうかな?」

ぼんやりとそう考えてカーテンに手をかけました。

シャッ

カーテンを引くと眩しいぐらいの朝日が部屋の中に注ぎ込みました。

「綺麗・・・」

窓の外いっぱいの朝日。屋根が白くなって、太陽によって輝いています。済んだ冬の空気の為、よりくっきりと見えました。

久しぶりに早く起きてよかったと思いました。

「寒い!やっぱり布団の中に入ろうっと!」

そして、結局、いつもの朝のようにバタバタとした1日が始まるのでした。

天使の吐息 #42

2010-01-11 21:05:12 | 天使の吐息(詩)
50代の男性がいました。

朝、スーツ姿の20歳になった息子さんが成人式に向かうのを見送りました。

「アイツももう二十歳か・・・長かったようで短かったような気がするな。でも、まだまだ子供だよな~」

奥さんに話しかけます。

「そう?昔のお父さんにそっくりだったけど?」

「おいおい。俺はあの頃はもっとしっかりしていただろう」

それから夜になり、息子の20年間を思い出し、アルバムでも眺めながら夕食をとろうとした所でした。

ヒュウ

「ただいま~」

「何だ?今日は学校の友達と同窓会だったんじゃなかったのか?」

「そのつもりだったんだけど、仕事で忙しいからって不参加の奴がいたり、成人式の終わった後、酒を飲みまくって酔っ払ってどうしようもない奴とかいて面倒くさいから今日はやんないってさ。中学の奴らの携帯の電話番号とか聞いたし近いうちできるだろうから別にいいんだよ」

「そうか・・・じゃぁ、酒でも飲もうや。お前ももう成人だしな」

「いいよ」

親子そろって酒を飲むというのは正月に一口ぐらいの日本酒を飲むぐらいで、一杯という事は今まで一度もありませんでした。

缶ビールからコップにビールを注ぎます。

「お前の成人式の祝いに乾杯」

「乾杯」

チン

ゴクッと飲むと、心の中にこみ上げてきます。シュワシュワと炭酸が昔の思い出が弾けては消えていく。そんな感覚

息子さんはビールを飲んだ瞬間、眉間に皺を寄せました。

「ハハハ。お前にはまだビールは早いか。大人の苦味だもんな」

「バ、馬鹿にすんなよ。これぐらい大した事ない」

成人を迎えた息子を微笑ましい気持ちで見ながらビールを飲むのでした。

天使の吐息 #41

2010-01-04 10:34:10 | 天使の吐息(詩)
20代の男性がいました。

彼は仕事での人間関係が嫌になって辞めて現在無職で自宅で引きこもりの生活を続けています。

外に出なくなってもう2ヶ月も経ってしまいました。

「来年は働こうと思っていたらもうその来年か・・・」

部屋に閉じこもりがちで家族とも顔を合わすのが辛いと思っているぐらいでした。

「ねぇ・・・初詣にでも行ったらどう?一年の始まりでしょ?」

母親が半ば、呆れ気味に言いました。

「何でこんな寒い日に外になんかでなくちゃいけないんだよ」

口ではそんな風に言いつつも、内心は外に出たい。昔の自分を取り戻したいという気持ちでいっぱいでした。

「初詣だからに決まっているでしょ!」

『確かに言えてる。でも、外に出たってさぁ・・・』

ヒュウ

『ここで立ち止まったら今年一年このままな気がする』

という訳で行く事に決めました。

初詣に当たってまず、顔を洗い、鏡を見ると無精髭が凄いので、それを剃ってコートを着込み、外に出ました。

「うう!さぶぅ!冬ってこんなに寒かったか?」

外の寒さがあまりにも強かったのに驚きました。まるで肌を刺して来るかのようです。振り返ると家が見えます。

『帰りてぇ・・・また自分の部屋でネットをやったりゲームをやっている方がどんなに楽か・・・』

それでも一度決めた事なので近くの神社に向かいます。

日も暮れていて薄暗い中歩きます。たまに人とすれ違いました。

『そんなに俺を見るなよ。見てないか?見てないにしてもすれ違った後、笑っているに違いない」

別に彼を見ているわけでもないのに悪い方悪い方に考えてしまいます。

何とか神社にやってくると思ったよりも人が多い。

「うわ~最悪。これで同級生なんかいたら死ぬしかねぇ・・・」

地元の神社ですから、昔の同級生と鉢合わせになる可能性はあります。

そうすれば必ず来るであろう質問

「お前、今、何してんの?」

それが嫌で嫌で仕方ありませんでした。嘘を言ってその場を凌いだとしてもバレたんじゃないかという風に悪い方向で考えてしまうので出来れば会いたくない所でした。

チラチラと、神社を見るとどうやら同級生の姿は無いようです。

列の最後尾に並び、自分の番まで待ちます。

『知り合いは、来ないだろうな・・・来ないだろうな?』

周囲を気にしている姿はどう見ても挙動不審です。

何分か待っているとやっと自分の番に回ってきました。

「お賽銭をと・・・」

財布を開けて、5円玉を放り投げて、鈴を鳴らします。

ガラガラ・・・

パンパン!

『今年は何かと一歩踏み出せますように!』

手を叩いて願いました。

『寒い!帰ろう』

それで何か、彼は自分の中でかなり進歩したんじゃないかと思えました。

天使の吐息 #40

2009-12-31 19:53:51 | 天使の吐息(詩)
70代の老夫婦がいました。子供達は自立して、家にはいません。

二人で紅白歌合戦を見ながら、年越し蕎麦を食べています。

「もう今年も終わるな~。本当、アッという間だったな~」

「そうですね~。お父さん」

「コレと言ってパッとしたこともなかったな」

「それでいいんですよ」

「何が良いんだ?何かまた一花咲かせるような事をせんとこのまま何もしないまま死ぬのを待つだけじゃないか。そんな後ろ向きな事を言うなよ。母ちゃん」

ヒュウ

「一花咲かせるのもいいですけど、今年もこうやってお父さんと元気に一年過ごす事が出来たんですから・・・」

「そう考えてみればそうだな・・・」

「来年もこうやってお蕎麦を食べられるといいですね~」

「何、言っているんだ。ん?そういえば去年の大晦日もこんな事を言っていたな」

「そうでしたっけ?」

「だから、来年もまた同じ会話をしているさ」

「ふふ・・・そうですね」

夜は静かに更けていくのでした。

天使の吐息 #39

2009-12-28 19:41:58 | 天使の吐息(詩)
20代の男性がいました。年末年始の休みで実家に帰省しました。

「毎日、毎日、仕事に明け暮れて家に帰ってきてゆっくり寝正月でもしようと思ったのに全く・・・」

両親に言われて大掃除を手伝わされる事になりました。

彼の担当は、窓拭きと自分の部屋の掃除です。

「もう俺の部屋物置なんだよな~」

窓拭きを済ませ自分の部屋に入るとドサッとダンボールや普段使わないようなものがなどが置かれています。

端に寄せて掃除機をかけます。

ヒュウ

そのうちのダンボールに掃除機がぶつかって紙が一枚飛び出してきました。

「ん?通知表だ!懐かしいな」

ちょっとした休憩にと開いてみました。

「成績はいいな。落ち着きがないって書かれているな~ハハハ」

ザッと見終えてから他のダンボールも気になって開けてみました。

「昔のノートだ!字が下手だな~。下らんラクガキもしてあるし」

「あれ?こんな絵、俺書いたっけ?でも、名前は書いてあるしなぁ・・・記憶にねぇ・・・」

過去の思い出に花が咲きます。

「アンタ、何、油売っているの?こっちはガスの油汚れの掃除で大変なんだからサッサと済ませて手伝ってよ」

お母さんが怒っています。

「ま、まぁ。ちょっと待てよお袋。これ懐かしくないか?」

取り出したのは昔のアルバムでした。

「お袋は若くて綺麗だったよな~」

「昔、アンタは素直な良い子だったよね~」

「お前ら、そんな事をしていたら年越せないぞ」

父親が注意しました。

「親父も見てみろよ」

父親にアルバムを差し出しました。ですが、父親は受け取りません。

「だから、それは掃除の後でいいだろうが!」

「へ~い」

掃除が終わってからいくつかのダンボールを開け、一家団欒の時間を過ごすのでした。

天使の吐息 クリスマス特別編

2009-12-24 20:09:35 | 天使の吐息(詩)
今日はクリスマス。天使たちの1年のうちで一番の大きな大イベントの日

みんなこの日の為に準備してきました。

そして、みんなこの日に一斉に働きます。

下界のみんなを沢山幸せにするために、一つでも多くの命に幸せになってもらうために・・・

それに伴って、代わる代わる天使たちも休憩を取ります。

みんな短い休息のうちにヒュウと一息つきます。

残った幸せの素が沢山溢れ、世界を流れます。

とても小さいけれど多くの心に吹いてくれます。

ある心には楽しい気持ちにさせたり

またある心には元気にさせてくれたり

またまたある心には癒しを与えてくれたり

そんな幸せの欠けら。

あなたにも吹けばいいね。優しい風。

きっと吹いてくれる。柔らかい風。

天使の吐息 #38 その2

2009-12-24 20:08:53 | 天使の吐息(詩)
6歳の男の子がいました。ママから借りた携帯電話を持って、部屋をトコトコ歩いています。

「サンタはいるんだ!だから、写真を撮ってみんなに見せてやるんだ!」

ですが、今日は遊んだり、喧嘩をしたり、パーティをやってはしゃいだりしたので疲れていました。

瞼がゆっくりと下がってきますが、必死に頑張ろうとしますがフラフラしていました。

「夜更かしする悪い子にはサンタさん来てくれないよ」

「うう~。でもぉ~」

「ほらほら・・・早く寝ないと本当に来てくれないよ」

「うう~・・・じゃぁ、サンタさん来たら、写真を撮ってね」

「分かった。私がおきているうちに来たらね」

ママと約束して男の子は眠りました。

ヒュウ・・・

キキッ!ドサッ!

・・・

まだ早朝の6時前で、辺りは真っ暗です。

「うう~ん。もう朝?」

起きてみると枕元にプレゼントが置いてありました。

「ああ!やったぁ!プレゼントだ!ママ!ママ!サンタさんが来てくれたよ!写真を撮った?」

「え・・・ええ?来てくれたのぉ?私が起きているうちには来てくれなかったみたいね・・・」

「ええ!!」

ガラッ!

カーテンを勢い良く開けて外を見ますがサンタさんはいません。

「あ!雪だ!!」

「ゆ、雪!そんな訳ないでしょ!」

外を見てましたが雪など降っていませんでした。

「雪なんて降っていな・・・ちょっと、暗いから走ると危ないよ」

トットットト!

男の子は外に出ました。

「ホラ!雪だよ!きっとサンタさんが来てそりについた雪を落としていったんだ!」

すると確かに男の子は抱えるぐらいの雪を持っているのでした。

『あれ?どうして?そこにだけ雪が・・・』

「騒がしいと思ってみたら・・・お!雪じゃないか!どうしたんだ。それ!」

パパも起きて来ました。

「サンタさんが落として行ったんだよきっと!写真撮るよ。ママ!」

「う、うん。いいよ」

男の子が携帯電話を取りに行きました。

「どうしてこんな所に雪があるのか分かる?やっぱりサンタさんが来てくれたからかしらね?」

『きっと雪国の輸送に行ったトラックがここで雪を落としていったんだろうな。いやいやいや!サンタが来てくれたんだよ。うんうん』

朝になってからその雪を使って雪だるまを作りました。凍っていて丸い雪だるまにはなりませんでしたが・・・

天使の吐息 #38 その1

2009-12-24 20:08:00 | 天使の吐息(詩)
30代の主婦がいました。今、家族4人で夕飯です。

旦那さんと6歳の男の子と4歳の女の子。

今日は、クリスマスイブ。いつもよりも夕食は少しだけ豪勢です。

部屋を飾りつけケーキの登場と同時にクラッカーを鳴らしました。

家族でのクリスマスパーティも終わり、お兄ちゃんも妹もサンタが来るのを待つと言いながらも疲れたので眠ってしまいました。

一段落しました。

「あなた、幼稚園でお兄ちゃんが友達と喧嘩したんだって」

「え?喧嘩?どうして?」

「もしかして気が付かなかったの?目がちょっと赤くて腫れていたでしょ?」

「うん。確かにそんな気がするな」

鈍感な旦那さんに少しガッカリしつつ、事情を話し始めました。

「友達がサンタクロースなんていないなんて言ったらしいの。
だからお兄ちゃんはいるんだって言ってそのまま喧嘩になって
その時、先生が今日は良い子にしないとサンタさん来てくれないと言ってくれて喧嘩は収まったらしいんだけど」

「ふ~ん」

「早く知ってしまう子はいるよね~。サンタはいないって・・・私の時は小学一年生ぐらいだったかなぁ?あなたはいつぐらい?」

「ハ?お前、何、言ってるの?」

「何、言っているってサンタがいない事をいつ知ったのかって・・・」

「サンタはいるだろ。何を訳のわからない事を言っているんだ?」

「いるって・・・プレゼント買って来たんでしょ?いない事分かっている証拠じゃない」

「はぁ・・・」

旦那さんはため息を吐いて頭を軽く振りました。

ヒュウ

「子供が信じていることを親が簡単に否定してどうするんだよ。親の認識を感じ取るもんだろ?子供ってのは・・・だからいるんだよ。サンタは」

「あ・・・」

「それにサンタはいないって言う子も心のどこかではサンタはいて欲しいって内心思っているもんさ」

「そうかな?」

「そうさ。サンタは全世界の子供にプレゼントを配っていたらすぐに破産だよ。だから俺はそんなサンタに代わってプレゼントを買ってあげただけ。サンタがいなければ子供にプレゼンをあげる習慣も生まれなかっただろ?赤い格好をした髭生じいさんのサンタはいなくてもサンタはいる。それでいいだろ?」

「それもそうだね」

女性は忘れていた幼心を思い出しました。

「じゃぁ、私にもサンタさん来てくれるかな?」

「どうだろう?良い子にしていれば来るんじゃないかな?俺も良い子にしていたから来てくれると思うんだけどな」

「どうでしょうね~。私はそんなに良い子だった気はしないけど」

「嘘~!いい子だったって~」

普段よりも会話が弾む夜でした。

天使の吐息 #37

2009-12-14 19:56:25 | 天使の吐息(詩)
40代の男性がいました。

「ヤバイ。もう0時過ぎた。うちのシンデレラの魔法が解ける~~ハハハ~」

今日は、奥さんに忘年会で遅く帰ってくるという話をしましたが日付が変わるまでには帰るという約束だったのにもう0時が過ぎてしまいました。

「うう~さぶぅ!これから歩いて帰るのはツライ~。ダメ元で迎えを頼んでみるか?」

家まで普通に歩いて15分ほどですが酔っているので30分はかかるでしょう。こんな寒い日に30分も歩いたら凍死してしまうと大げさな事を考えて携帯を取り出して電話をしました。

画面に表示されている電話番号を選択するだけでも目を凝らし何度も確認しなければならない程酔っていました。

しばらくコール音が続くようやく

「あなたね。今、何時だと思っているの?」

こちらが言うよりよりも早く奥さんが声を出しました。

「すまん!本当にすまん!ハハハハ!!」

やっぱり怒っています。もう笑うしかありませんでした。

「私、もう寝るからね。鍵は持っているんでしょ?また約束を破るなんてどういう神経をしているのかしらね?」

『怒っているよ~。どう迎えに来てくれって切り出そう・・・』

ヒュウ

『そうだ。こう言おう』

良い事を思いつきました。

「こんな時にすまないがお前に言わなければならないことがあったんだ。とても大切な事だ。いや、でも今、言うべきかなぁ?あんまり言いたくないな~」

「何、もったいぶっているの?言いなさいよ」

「お前を今でも愛しているぞ~!!」

かなり大声で叫びました。駅ですので疎らながら人も歩いています。1人ぐらい振り返ってこちらを見ていました。

「な、何、馬鹿な事、言っているの?」

「という訳で、車でお迎えに来てください。いつまでも若くて優しい天使さん。女神様~」

ちょっと驚いているようでしたので脈ありかと思いました。

「歩いて15分で帰ってこられるんだから歩きなさい。私だってお風呂に入ったんだからこんな時、外に出たら湯冷めして風邪を引いちゃうわ。あ、そうそう。間違ってもタクシーは使っちゃダメよ」

「そんな~。殺生な~」

プツッ!

それで切られてしまいました。

「仕方ない。寒いがそのまま帰るか~。星が綺麗なもんだな~」

夜風は冷たかったですが酔いの勢いでありますが愛していると言ってしまって妙に高揚感があるのでした。

つまらなければ押すんじゃない。

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