OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

映画「さくら」

2020年11月13日 | 文化・芸術

矢崎監督は、やはり文学的であり、詩的である。

今どきウケるだけの映画を作る気はまったく感じられない。

今日初日の映画「さくら」を新宿ピカデリーに観に行く。

コロナで半年延期となったが、さくらは春の花ではなく、犬の名前だ。

西加奈子の小説「さくら」を読んだのは今年になってからだったか。

家族再生の物語。脚本は矢崎組の朝西真砂さん。お話ししたことはないがFBでつながってはいる。原作から、どんな脚本を書き、どう映像になったのか、いつか訊ねてみたい。

それにしても、吉沢亮や寺島しのぶなど売れっ子俳優で固めた家族のなかで、北村匠海もよかったが、三人兄弟の妹役の小松奈菜にはびっくりさせられた。ビビット。TVのCMくらいしか知らなかったが。

お父さん役の長瀬さんには同情し、おかまの加藤雅也さんがアクセントとしては気に入った。

さくら役のわんちゃん、名演を忘れてはいけなかった。

今回、ピアノの音色が劇中,随所に静かに流れる。私の愛する国ハンガリーのピアニスト、アダム・ジョージという方をわざわざ使うのも、矢崎さんの詩的さだろう。朝西さんなのか?

家、食卓、公園、学校、病院という日常。わずかにおかまバー程度しか極端にいうとでてこない映画だ。

裏か表か、ではなくその途中に興味を持てる方がファン層なのかな、と思う。

 

さて、この映画が話題になった頃、友人の娘さんが就職するにあたり認印を頼まれた。

「さくら」という名前だ。出来上がった印をみて、とても喜んでくれた。

2つ作って余った方を矢崎さんにメールでみせた。

「あまりもの」と正直に書いた。「ほしい」の返事はなかった。じゃんじゃん。

 

 

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