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今日の一枚

 小さな幸せを
見つける名人になりたい

『身の丈』で豊かに暮らす⑤ 辰巳 渚

2008-10-19 18:31:22 | 愛媛新聞より
 『身の丈』で豊かに暮らす⑤ 辰巳 渚

 お店に行くと、「セール!40%オフ」の赤札が出ている。
「欲しい!」と思うとき、あなたの心では何が起きているのでしょうか。
何を手に入れたいのでしょうか。実はわたしも「特売」「セール」の
文字には弱い人間です。「最終処分」と書かれたワゴンには、
すーっと近寄りたくなって、「何か使える物がないかしら」と
探してしまいます。

 つまり、使いたい物を見つけて欲しくなったわけではないのです。
わたしたちは物そのものではなく、「安さ」が手にいれたくて
「欲しい」と思ってしまう存在のようです。
時には無理やりでも買いたい物を探そうとしている自分に気付くことが
あります。ハッと気が付いて、そこまでして「安さ」が欲しいか、
自分をしかって探すのをやめるのです。

 話が飛ぶようですが、私の専門はマーケティングです。
企業が物を売るお手伝いをする仕事ですが、マーケティングでは、
人間の心理を巧みに利用して物を売ろうしてきました。その立場で見ると、
今は物質的に豊かで生活に足りない物はなく、物の本来の価値だけでは
お金を払ってもらえない時代と言えます。

 「安さ」を売るのは、いわば古典的な手法ですが、ほかにそのような
手法があると思いますか?例えば、「新しさ」。「新発売!」と
銘打った商品で、本当に新しい物はどれくらいあるのでしょうか。
家電売り場で店員さんに説明してもらっても、そうもピンときません。
でも買い替え気分が盛り上がっているので、「新しいから機能も
アップしているはず」と自分に言い聞かせて買ってしまいます。

 ほかにも「デザイン」「流行」「珍しさ」などいろいろあります。
これらを専門的には「付加価値」と呼びます。このような、うたい文句に
惑わされていませんか。

 付加価値だと分かった上で大いに楽しんで買うのは賢い買い方だと
思いますが、うっかり買って「やっぱり要らなかった」としまい込む
羽目になるのは残念です。「欲しい」と思ったときに、自分が本当に
何を求めているのか、ちょっと立ち止まってみませんか。
               (マーケティングプランナー)

 物を買うときに価格というのは、重要な要素。
ついつい安さに目がいきがちになる私です。
このところの中国産食品の不具合が出ていますね。
安さを求めるあまりに、どこかの誰かを犠牲にしているのかも。
中国から、あんな遠くから運ばれた食品が、
地元の野菜を買うより安い。
それって、なんだか変・・ですよね。
農家の作業は、日本だって、中国だって変わらないはずなのに、
より多くの運搬費を使う輸入ものが日本の製品より安い。
この不合理をよくよく考えなくてはいけないと思うのです。

私自身の買い物は、そういったことも考え、家計も考え、
必要な物を必要な量だけ買う。無駄をなくす努力が必要でしょうね。