日本は、他の国に比べて、クマが多く生き残っている
ほうだ、と聞いたことがありますが。
―― 確かに、アジアクロクマ(ツキノワグマはその亜種)は
東アジアからパキスタンまで広く分布していたんですが、ほとんどの国で
もう絶滅寸前です。でも日本には、おそらく数万頭いるでしょうね。
韓国では今、北朝鮮とロシアからクマを連れてきて、智異山っていう
国立公園で野生に放しているんです。そのクマを見る機会があったんですが、
ぜんぜん、日本のものと違うんですよ。体重も倍以上あると思うし、
北海道のヒグマみたいなの。台湾のツキノワグマも大きなタテガミがありますし、
同じアジアクロクマといっても、まったく異質の生き物ですよ。
日本のツキノワグマは大陸のクマの亜種にすぎないじゃないか、
みたいなことを言う人もいるんですが、もう、ぜんぜん違う動物です。
地域独自の変化というか、それぞれの環境に適応した系統を
もっているわけですから、それぞれの地域で、そこのクマを
保全しなきゃいかんな、と思いましたね。
日本にはまだ、クマの暮らせる自然が、ある程度は残って
いるのでしょうか。
―― 環境省が1978年と2004年にやった調査w比べると、ツキノワグマの
分布範囲って増えているんですよ。山里の人口が減って限界集落が
増えたりして、野生動物の領域が広がっているかもしれません。
それに気候的に雪深い地域とか、急峻な山とか、人が入りにくい場所が
あるので、そこが核になってクマが生き残ってきた可能性はありますね。
ただ、その動物を通して見るかで、違ってくる面もあると思いますよ。
クマにとっては比較的いい場所があるのかもしれないけど、例えば韓国では、
クマの絶滅寸前ですがカワウソはまだかなりいるんです。
でも、日本ではカワウソは絶滅した可能性が高い。ということは、
日本の河川生態系はかなり危機的だと見ることもできます。
ツキノワグマも、昔はもっと魚を食べていたかもしれなくて、
そうなると、彼らの生活を支えていた一つのシステムが崩壊している、
といえるかもしれないですし。
ドングリの実がたくさんなるかならないかで、クマの暮らしが
大きく左右されるとも聞きますが。
―― 実はクマって結構、適応性が高くて、食べ物も地域ごとに
違うらしいですよ。ただ、そういう情報は、まだそれほどつみあがって
いないんです。ドングリが大事といわれるのは、ドングリがいっぱいある
地域の情報が多く集まっているからだと思います。
少し古いデータなんですが、神奈川県の丹沢で、ドングリ以外の食物を
たくさん利用していたクマの記録もありますしね。秋に大量に実るドングリ
がクマにとって大事なのは確かなんですが、じゃ春や夏はどうなのかとなると、
さらにバラエティがあると思います。もし、クマが地域ごとに違う生き方を
しているという情報がもっと集まったら、保護の仕方、管理の仕方も
地域ごとに変わってくると思いますね。日本にはまだクマがいるといっても、
狩猟と有害捕獲で毎年2000頭~2500頭くらい捕まってますし、
まあ、それだけ捕獲圧がかかてもとりあえず耐えられる個体数と、その数を
維持するだけの生活環境が、かろうじて残っているといえますが、
楽観できません。行政が先手を打って、クマの被害が出ている地域の人たちに
ちゃんと状況を説明して、意見を聞いて対策をとるということが必要でしょうし、
事故が起きたときは原因をきちんと分析して、どうしたら防げるかを
積み上げていくことも大事でしょうね。日本クマネットワークでは、
九州や四国のような、絶滅しかけている個体群をどう救っていくか、
生息環境をどう復元していくかという話もしていきたいと思っています。
クマがアンブレラ種だという意味では、そうした活動が、地域全体の
生態系の復元にもつながっていくはずですからね。(WWFマガジン)
クマが日本では多く生き残っているほうだと分かって、ちょっと嬉しい(^^)
とはいえ遭遇するのは嫌ですよね。
とてもかなわないものね。
動物はずっと昔から進化と淘汰を繰り返してきたわけで、いずれは絶滅の危機も
起こるのでしょうね。でも、人間が原因なのはダメ。
いつか人間も絶滅する運命なのでしょうけど、自然の淘汰ではなく
人間のエゴのために、他の動物を滅ぼしたように滅んでいくのではないかと・・・
って、このところ考えています。
できたら、エゴのための絶滅は避けたいと、本気で思います。
私の出来ることは何なのか?
ほうだ、と聞いたことがありますが。
―― 確かに、アジアクロクマ(ツキノワグマはその亜種)は
東アジアからパキスタンまで広く分布していたんですが、ほとんどの国で
もう絶滅寸前です。でも日本には、おそらく数万頭いるでしょうね。
韓国では今、北朝鮮とロシアからクマを連れてきて、智異山っていう
国立公園で野生に放しているんです。そのクマを見る機会があったんですが、
ぜんぜん、日本のものと違うんですよ。体重も倍以上あると思うし、
北海道のヒグマみたいなの。台湾のツキノワグマも大きなタテガミがありますし、
同じアジアクロクマといっても、まったく異質の生き物ですよ。
日本のツキノワグマは大陸のクマの亜種にすぎないじゃないか、
みたいなことを言う人もいるんですが、もう、ぜんぜん違う動物です。
地域独自の変化というか、それぞれの環境に適応した系統を
もっているわけですから、それぞれの地域で、そこのクマを
保全しなきゃいかんな、と思いましたね。
日本にはまだ、クマの暮らせる自然が、ある程度は残って
いるのでしょうか。
―― 環境省が1978年と2004年にやった調査w比べると、ツキノワグマの
分布範囲って増えているんですよ。山里の人口が減って限界集落が
増えたりして、野生動物の領域が広がっているかもしれません。
それに気候的に雪深い地域とか、急峻な山とか、人が入りにくい場所が
あるので、そこが核になってクマが生き残ってきた可能性はありますね。
ただ、その動物を通して見るかで、違ってくる面もあると思いますよ。
クマにとっては比較的いい場所があるのかもしれないけど、例えば韓国では、
クマの絶滅寸前ですがカワウソはまだかなりいるんです。
でも、日本ではカワウソは絶滅した可能性が高い。ということは、
日本の河川生態系はかなり危機的だと見ることもできます。
ツキノワグマも、昔はもっと魚を食べていたかもしれなくて、
そうなると、彼らの生活を支えていた一つのシステムが崩壊している、
といえるかもしれないですし。
ドングリの実がたくさんなるかならないかで、クマの暮らしが
大きく左右されるとも聞きますが。
―― 実はクマって結構、適応性が高くて、食べ物も地域ごとに
違うらしいですよ。ただ、そういう情報は、まだそれほどつみあがって
いないんです。ドングリが大事といわれるのは、ドングリがいっぱいある
地域の情報が多く集まっているからだと思います。
少し古いデータなんですが、神奈川県の丹沢で、ドングリ以外の食物を
たくさん利用していたクマの記録もありますしね。秋に大量に実るドングリ
がクマにとって大事なのは確かなんですが、じゃ春や夏はどうなのかとなると、
さらにバラエティがあると思います。もし、クマが地域ごとに違う生き方を
しているという情報がもっと集まったら、保護の仕方、管理の仕方も
地域ごとに変わってくると思いますね。日本にはまだクマがいるといっても、
狩猟と有害捕獲で毎年2000頭~2500頭くらい捕まってますし、
まあ、それだけ捕獲圧がかかてもとりあえず耐えられる個体数と、その数を
維持するだけの生活環境が、かろうじて残っているといえますが、
楽観できません。行政が先手を打って、クマの被害が出ている地域の人たちに
ちゃんと状況を説明して、意見を聞いて対策をとるということが必要でしょうし、
事故が起きたときは原因をきちんと分析して、どうしたら防げるかを
積み上げていくことも大事でしょうね。日本クマネットワークでは、
九州や四国のような、絶滅しかけている個体群をどう救っていくか、
生息環境をどう復元していくかという話もしていきたいと思っています。
クマがアンブレラ種だという意味では、そうした活動が、地域全体の
生態系の復元にもつながっていくはずですからね。(WWFマガジン)
クマが日本では多く生き残っているほうだと分かって、ちょっと嬉しい(^^)
とはいえ遭遇するのは嫌ですよね。
とてもかなわないものね。
動物はずっと昔から進化と淘汰を繰り返してきたわけで、いずれは絶滅の危機も
起こるのでしょうね。でも、人間が原因なのはダメ。
いつか人間も絶滅する運命なのでしょうけど、自然の淘汰ではなく
人間のエゴのために、他の動物を滅ぼしたように滅んでいくのではないかと・・・
って、このところ考えています。
できたら、エゴのための絶滅は避けたいと、本気で思います。
私の出来ることは何なのか?