『ガラパゴスの自然保護 半世紀の活動とその未来』(後編)①
100万年以上にわたり、生きものの楽園であり続けてきた、ガラパゴス諸島。
16世紀以降、人と、人が島に持ち込んだ外来生物によって、その自然は変化を
強いられてきた。
保全活動が本格化したのは、20世紀後半。
1964年には、島に関する化学的な知見を結集した活動の拠点、
ダーウィン研究所が、WWFなど多くの国際機関の支援により開設されてきた。
そして1978年、ガラパゴス諸島は第1号の世界遺産に登録される。
しかし、襲い来る異変と環境悪化の波は、今も強く、新しくなり、
とどまることを知らない。危機に立つ自然遺産の未来とは―
やってきた「神の子」
世界自然遺産に登録されてから4年後。ガラパゴス諸島は未曾有の危機に
見舞われた。固有種のウミイグアナが大量に餓死したのである。
個体数の半数が死んだ島もあった。同じく、3400羽が生息していた
ガラパゴスペンギンも2000羽が死亡。海鳥のカツオドリやアホウドリも
繁殖を放棄し、陸上でも、小鳥類の繁殖回数や時期が大幅に狂った。
この原因は、東太平洋の海水面の温度が異常に高まる
「エルニーニョ現象」だった。
エルニーニョは、スペイン語で「神の子」を意味する。
まさに東太平洋に位置するガラパゴスは、そのメッカに他ならない。
ただ、この年のエルニーニョが違ったのは、その前代未聞の規模にあり、
しかも2年にわたって続いたということである。
赤道直下にもかかわらず、ガラパゴス周辺の海水温が低い理由は、
南極と太平洋の深部を流れてくる寒流があるためだ。
しかし、エルニーニョで海水面の温度が高まると、海流が変化し、
水温が上昇。
冷たい海水のおかげで成り立つガラパゴスの海洋生態系は、
根幹から打撃を受けてしまう。事実、海鳥やイグアナが餓死した理由は、
冷水に依存した食物の小魚や海草が激減したためであった。
同時に、エルニーニョは島に大雨をもたらし、鳥の繁殖地を洗い流すなど、
陸上の生態系にも被害を及ぼした。半年の間に、年間平均降雨量の10倍もの
雨が降った島もある。(WWFマガジン)
100万年以上にわたり、生きものの楽園であり続けてきた、ガラパゴス諸島。
16世紀以降、人と、人が島に持ち込んだ外来生物によって、その自然は変化を
強いられてきた。
保全活動が本格化したのは、20世紀後半。
1964年には、島に関する化学的な知見を結集した活動の拠点、
ダーウィン研究所が、WWFなど多くの国際機関の支援により開設されてきた。
そして1978年、ガラパゴス諸島は第1号の世界遺産に登録される。
しかし、襲い来る異変と環境悪化の波は、今も強く、新しくなり、
とどまることを知らない。危機に立つ自然遺産の未来とは―
やってきた「神の子」
世界自然遺産に登録されてから4年後。ガラパゴス諸島は未曾有の危機に
見舞われた。固有種のウミイグアナが大量に餓死したのである。
個体数の半数が死んだ島もあった。同じく、3400羽が生息していた
ガラパゴスペンギンも2000羽が死亡。海鳥のカツオドリやアホウドリも
繁殖を放棄し、陸上でも、小鳥類の繁殖回数や時期が大幅に狂った。
この原因は、東太平洋の海水面の温度が異常に高まる
「エルニーニョ現象」だった。
エルニーニョは、スペイン語で「神の子」を意味する。
まさに東太平洋に位置するガラパゴスは、そのメッカに他ならない。
ただ、この年のエルニーニョが違ったのは、その前代未聞の規模にあり、
しかも2年にわたって続いたということである。
赤道直下にもかかわらず、ガラパゴス周辺の海水温が低い理由は、
南極と太平洋の深部を流れてくる寒流があるためだ。
しかし、エルニーニョで海水面の温度が高まると、海流が変化し、
水温が上昇。
冷たい海水のおかげで成り立つガラパゴスの海洋生態系は、
根幹から打撃を受けてしまう。事実、海鳥やイグアナが餓死した理由は、
冷水に依存した食物の小魚や海草が激減したためであった。
同時に、エルニーニョは島に大雨をもたらし、鳥の繁殖地を洗い流すなど、
陸上の生態系にも被害を及ぼした。半年の間に、年間平均降雨量の10倍もの
雨が降った島もある。(WWFマガジン)
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