砂の果ての楽園 2 2009年05月29日 | 作り話 金曜の夜。残業を終え、宏美が会社を出たのは九時を回っていた。今までならどこかで田牧と落ち合って、食事を取ることが多かったがそんな事は当分ありえない。田牧は定時に帰宅していた。かといって、今からマンションに帰って夕ご飯を作ろうかという気にもなれなかった。 ぷらぷらと宏美は駅に向かって歩き始めた。どこかで一人寂しく食事を済ませよう。なるだけ寂しさを感じないような場所がいい。話し相手が欲しかった。 . . . 本文を読む