チビ太郎 4歳になる

　四月三日はチビ太郎の誕生日だ。今年で四歳になる。先月末からチビ子の入学準備やら年度末の仕事の処理やらで私も亭主も忙殺されていて、可哀想なくらいチビ太郎の事には構ってやれなかった。亭主に至ってはこのところ深夜に帰宅して、朝方出勤するという、いささか常軌を逸した労働状況。そのうち過労死するんじゃないかとホトホト困っているのだが…。
　そんなこんなだったので月末からこっち、まともに家で食事も出来ず、実家の母に子供のご飯を頼むという生活だった。
　さすがにあまりにも可哀想で、誕生日には仕事を早めに切り上げて、チビ太郎の好きなおかずをいっぱい作って食卓に並べた。それでも亭主は不在だったので、改めて一家揃って日曜日にケーキを食べる事になっている。

　しかし、忙しいのは仕方ないとは言え、二人目であるチビ太郎はどうもチビ子の影にかすみがちなのは否めない。かわいそうなことだ。
　どこでもそうらしいが、一人目の子というのは写真もいっぱいあるし、親の愛情を一時期一身に受けて成長する。ところが二人目は生まれた時からライバルがいる訳だから、大幅に不公平だ。
　自分と弟を比べてみても、赤ちゃんの時の写真は断然私の方が多い。弟が一人で写っている写真は数えるほどだった。そして三十ン年後の今現在も似たような状況だ。
　写真のみならず、ブログの記事一つ取ってみても、チビ子の文章の方が断然多いという申し訳ない事実。どうしても上の子の方が手がかかるので、そっちに気が行ってしまうのだろう…。あぁ、ごめんよ、チビ太郎。

　でも、チビ太郎は可愛いぞ！暴れん坊だが甘えん坊だ！朝起きると犬コロみたいに膝の上に飛び乗って頭をこすりつけにくる。歩こうとすると足元に絡み付いてじゃれ付きに来る。子犬が人間になったみたいなヤンチャっぷり。笑うと目が見事な『への字』になって、口が綺麗な逆三角形になる。まるでマンガで描いたみたいなわかりやすい笑顔。怒っていても思わず吹き出しそうになる。
　好きな女性のタイプはだいたい四十過ぎの熟女（笑）か、ストレートの黒髪の女性だろ。
　ほらほら、ちゃんと母ちゃんは知っているぞ。いつもぞんざいな扱いをしているようでも、君のやる事なす事、ちゃぁんと見ているぞ。いつも怒ってばっかりだけど、君のヤンチャっぷりは自由で生命力に溢れていて逞しい。実は母ちゃんは密かに自慢しているんだぞ。

　母ちゃんの可愛いチビ太郎よ、四歳のお誕生日おめでとう！これからもますます犬コロみたいに駆け回って頂戴な。