原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄
出演:大和田美帆 奥村佳恵 夏木マリ 新納慎也 その他
なんの説明がいりましょうか(笑)。美内すずえ原作の超大河演劇少女コミック「ガラスの仮面」の音楽劇でございます。今回の作品はいわばパート2でございまして。
パート1(見てないけど)では、劇団つきかげに入団したマヤが紆余曲折、七転八倒、猪突猛進で突き進み(笑)、演劇コンクールの全国大会に出場。妨害工作に翻弄されながらも、たった一人で舞台を務め上げ、人気投票一位に輝く! でも劇団自体は審査対象から外され、失格となってしまう……。というくだりだったそうです。
で、パート2(今回)は、極貧零細劇団に陥った劇団つきかげに籍を置きながら、マヤは外部の舞台へちょこちょこ出てはその才能の片鱗を演劇関係者の前で表す日々。ところが肝心のつきかげ・一角獣の公演「石の微笑」で大失態をやらかし、月影千草から破門を言い渡されてしまいます。破門を取り消す条件は「奇跡の人のオーデションに合格し、ヘレン役を掴み取ること」。ライバルは当然、天才演劇少女・姫川亜弓。さて、二人の対決の行方は~?!
というストーリーでございました。
原作を読んだ方なら間違いなくわかる(笑)。
そもそも、去年のクリスマスにサンタさんがチビ子のために「ガラスの仮面」全巻を持ってきたのがきっかけでございます(笑)。女優を目指すチビ子はすっかり「ガラスの仮面」にはまってしまいました。ほんでもって、NHK大阪児童劇団にまで入団しちゃうわけですが……。
まあ、そういう事情で、今の我が家にとって「ガラスの仮面」はバイブルだったりするのです(爆)。
じゃ、ま、簡単に感想・レビュウと参りませうか。
演出はかの蜷川幸雄! シェークスピアやらギリシャ悲劇やら、なかなか難解な題材をドロドロの激重の演出で観る者を圧倒する神経質な魔法使いのようなあの、蜷川さんですよ。芸術劇場ではおなじみさんですし、以前「天保十二年のシェイクスピア」も観に行きました。その蜷川氏の演出する家族向け音楽劇……。それも「ガラスの仮面」。
一言で言うと、まずは「見やすかった」です。舞台のスピード感もいいし、役者のレベルは高い(特に脇とかアンサンブルの中堅どころの役者さんたち)し、原作に忠実でありながらも、あらすじを追うだけとかダイジェスト版になっている印象もなく、オリジナリティーもところどころに混ぜながら。非常にまとまりのある舞台でした。……世界の蜷川さんだもんな。当たり前っちゃ当たり前か(笑)。
ただ、「ガラスの仮面」を知らない人が観て面白いかどうかは……。当然原作を知っているという事を前提で観ないとダメだろうなぁ、とは感じました。逆を言えば、この舞台は間違いなくマンガ「ガラスの仮面」ファンのための芝居なんだろうなぁ……と。で、あくまで連続ドラマの二回目を観た印象が強くて、観終わった後の「ああ、良かった!」という充実感というか達成感というか、そういうのはあまりなかったです。
ま、それも仕方ないですわな。実際これから波乱の展開になることをファンは知っているのですから。
そういう訳で、おそらく蜷川さんは生きている限り、この芝居の続編を作り続けなければならないハメになることでしょう(笑)。頑張ってください、蜷川さん!!
さて、ここからはせこいツッコミの展覧会ですので、笑ってスルーしてください。
役者がね、突っ込みどころ満載です(笑)。まずはビジュアル的にそっくりで笑ってしまったのが夏木マリ扮する月影千草と、演出家の小野寺。そんでもって速水さんの秘書の水木さん。思わず噴き出してしまうくらい似てました。
こんなにそっくりなのに、月影千草はセリフをしゃべると夏木マリに見えてしまうからこれまたおかしい。折れそうな細い体に、ぴったりフィットの黒ドレス。しゃべり方が時々極端に老婆みたいになったりして(笑)。NHKの深夜にやってるバラエティーのコントを彷彿とさせるものがあって(笑)。夏木さんはちょっと仇っぽすぎるのかもしれません。いや、私は夏木千草が大好きですよ(笑)。もうひとつ、突っ込むならば、心臓の発作を起こしてよろよろ歩く時に、腰をおさえて歩くのはいかがなものかと。あれはどう見てもヘルニアで腰痛ですぞ。……まあ、いいや。
コミックのイメージとかけ離れていたのが、速水真澄と青木麗。速水真澄(新納慎也)はものすご~く細身で茶髪で、てかてかした三つ揃えのスーツを着ているものだから、まるでホストクラブの人気ホストみたいでした。大手芸能プロダクションの社長には見えないなぁ(笑)。もうちょっと線の太い役者さんの方がイメージには合いますかね。別所哲也とかね。
青木麗というのは劇団つきかげでマヤのお姉さん的な存在の役者さんなんですが、宝塚も真っ青の男装の麗人というキャラなんですね。それが今回は月川悠貴さんという男性の役者さんのようなんですが、しゃべり方といい、立ち居振る舞いといい、どう見ても大衆演劇の女形! いやあ、これは新鮮でした(笑)。違和感ばりばりですが、ここまで違うと全く違うキャラということでOKかな……と。
姫川亜弓を演じていた奥村佳恵さんはビジュアルが大変美しく、ダンスも相当のテクニックを持っていて、モダンダンスの上手い亜弓には適役です。が、ものすごくハングリーで、少々下品なくらいがっついた亜弓さんでした。あれは蜷川さんの演出ですかね。個人的にはもう少し情熱とハングリーさを内に燃やすような演技を観たかったような気がします。
ヘレン役に関しては昨年オリジナルの「奇跡の人」を観ているので、三人分のヘレンを観たような気分です。オリジナルの高畑ヘレン、マヤである大和田ヘレン、亜弓の奥村ヘレン。いやあ、なんだか妙な感じです(笑)。
七時開演で終わって外に出たのが十時を回っていました。約三時間という長丁場でしたが、チビ子はかぶりつきで観ていました。チビ太郎も途中で寝るかと思いましたが、最後までちゃんと観ていました(途中でトイレに行くのに大騒動がありましたが)。
という事は、面白かったということです。子供が三時間集中出来るというのが素晴らしい。
え? あたしですか? えへへ、ちょっと物足らなかったというのが本音ですかね。
出演:大和田美帆 奥村佳恵 夏木マリ 新納慎也 その他
なんの説明がいりましょうか(笑)。美内すずえ原作の超大河演劇少女コミック「ガラスの仮面」の音楽劇でございます。今回の作品はいわばパート2でございまして。
パート1(見てないけど)では、劇団つきかげに入団したマヤが紆余曲折、七転八倒、猪突猛進で突き進み(笑)、演劇コンクールの全国大会に出場。妨害工作に翻弄されながらも、たった一人で舞台を務め上げ、人気投票一位に輝く! でも劇団自体は審査対象から外され、失格となってしまう……。というくだりだったそうです。
で、パート2(今回)は、極貧零細劇団に陥った劇団つきかげに籍を置きながら、マヤは外部の舞台へちょこちょこ出てはその才能の片鱗を演劇関係者の前で表す日々。ところが肝心のつきかげ・一角獣の公演「石の微笑」で大失態をやらかし、月影千草から破門を言い渡されてしまいます。破門を取り消す条件は「奇跡の人のオーデションに合格し、ヘレン役を掴み取ること」。ライバルは当然、天才演劇少女・姫川亜弓。さて、二人の対決の行方は~?!
というストーリーでございました。
原作を読んだ方なら間違いなくわかる(笑)。
そもそも、去年のクリスマスにサンタさんがチビ子のために「ガラスの仮面」全巻を持ってきたのがきっかけでございます(笑)。女優を目指すチビ子はすっかり「ガラスの仮面」にはまってしまいました。ほんでもって、NHK大阪児童劇団にまで入団しちゃうわけですが……。
まあ、そういう事情で、今の我が家にとって「ガラスの仮面」はバイブルだったりするのです(爆)。
じゃ、ま、簡単に感想・レビュウと参りませうか。
演出はかの蜷川幸雄! シェークスピアやらギリシャ悲劇やら、なかなか難解な題材をドロドロの激重の演出で観る者を圧倒する神経質な魔法使いのようなあの、蜷川さんですよ。芸術劇場ではおなじみさんですし、以前「天保十二年のシェイクスピア」も観に行きました。その蜷川氏の演出する家族向け音楽劇……。それも「ガラスの仮面」。
一言で言うと、まずは「見やすかった」です。舞台のスピード感もいいし、役者のレベルは高い(特に脇とかアンサンブルの中堅どころの役者さんたち)し、原作に忠実でありながらも、あらすじを追うだけとかダイジェスト版になっている印象もなく、オリジナリティーもところどころに混ぜながら。非常にまとまりのある舞台でした。……世界の蜷川さんだもんな。当たり前っちゃ当たり前か(笑)。
ただ、「ガラスの仮面」を知らない人が観て面白いかどうかは……。当然原作を知っているという事を前提で観ないとダメだろうなぁ、とは感じました。逆を言えば、この舞台は間違いなくマンガ「ガラスの仮面」ファンのための芝居なんだろうなぁ……と。で、あくまで連続ドラマの二回目を観た印象が強くて、観終わった後の「ああ、良かった!」という充実感というか達成感というか、そういうのはあまりなかったです。
ま、それも仕方ないですわな。実際これから波乱の展開になることをファンは知っているのですから。
そういう訳で、おそらく蜷川さんは生きている限り、この芝居の続編を作り続けなければならないハメになることでしょう(笑)。頑張ってください、蜷川さん!!
さて、ここからはせこいツッコミの展覧会ですので、笑ってスルーしてください。
役者がね、突っ込みどころ満載です(笑)。まずはビジュアル的にそっくりで笑ってしまったのが夏木マリ扮する月影千草と、演出家の小野寺。そんでもって速水さんの秘書の水木さん。思わず噴き出してしまうくらい似てました。
こんなにそっくりなのに、月影千草はセリフをしゃべると夏木マリに見えてしまうからこれまたおかしい。折れそうな細い体に、ぴったりフィットの黒ドレス。しゃべり方が時々極端に老婆みたいになったりして(笑)。NHKの深夜にやってるバラエティーのコントを彷彿とさせるものがあって(笑)。夏木さんはちょっと仇っぽすぎるのかもしれません。いや、私は夏木千草が大好きですよ(笑)。もうひとつ、突っ込むならば、心臓の発作を起こしてよろよろ歩く時に、腰をおさえて歩くのはいかがなものかと。あれはどう見てもヘルニアで腰痛ですぞ。……まあ、いいや。
コミックのイメージとかけ離れていたのが、速水真澄と青木麗。速水真澄(新納慎也)はものすご~く細身で茶髪で、てかてかした三つ揃えのスーツを着ているものだから、まるでホストクラブの人気ホストみたいでした。大手芸能プロダクションの社長には見えないなぁ(笑)。もうちょっと線の太い役者さんの方がイメージには合いますかね。別所哲也とかね。
青木麗というのは劇団つきかげでマヤのお姉さん的な存在の役者さんなんですが、宝塚も真っ青の男装の麗人というキャラなんですね。それが今回は月川悠貴さんという男性の役者さんのようなんですが、しゃべり方といい、立ち居振る舞いといい、どう見ても大衆演劇の女形! いやあ、これは新鮮でした(笑)。違和感ばりばりですが、ここまで違うと全く違うキャラということでOKかな……と。
姫川亜弓を演じていた奥村佳恵さんはビジュアルが大変美しく、ダンスも相当のテクニックを持っていて、モダンダンスの上手い亜弓には適役です。が、ものすごくハングリーで、少々下品なくらいがっついた亜弓さんでした。あれは蜷川さんの演出ですかね。個人的にはもう少し情熱とハングリーさを内に燃やすような演技を観たかったような気がします。
ヘレン役に関しては昨年オリジナルの「奇跡の人」を観ているので、三人分のヘレンを観たような気分です。オリジナルの高畑ヘレン、マヤである大和田ヘレン、亜弓の奥村ヘレン。いやあ、なんだか妙な感じです(笑)。
七時開演で終わって外に出たのが十時を回っていました。約三時間という長丁場でしたが、チビ子はかぶりつきで観ていました。チビ太郎も途中で寝るかと思いましたが、最後までちゃんと観ていました(途中でトイレに行くのに大騒動がありましたが)。
という事は、面白かったということです。子供が三時間集中出来るというのが素晴らしい。
え? あたしですか? えへへ、ちょっと物足らなかったというのが本音ですかね。
以前「ガラスの仮面」の能を観たことがあります。紅天女はごっついおじさんが演じていたのですが、まさに梅の精に見えて、能の奥深さを感じたものです。
漫画はまだ連載途中ですが、早く終わって欲しいよな~永遠に続いて欲しいような~でもやっぱり完結して欲しいと複雑な気分ですわ(笑)これからも見守ってきます。
ほんまに、いつになったら完結するんでしょうか。このまま亜弓さんは………。いやいや、それでは面白くない。
そして、マヤは速水さんと………う~ん、ハッピーエンドはいやだなぁ(笑)。永遠に結ばれないでほしいなぁ(爆)。
♪芸のためなら、男も泣かす~
それがどうした 文句があるか~♪
ないです。文句ないです(笑)。