遺伝子

　チビ子は現在四年生。今年になってどうも宿題の量が増えているようだ。以前から「四年生になったら一気に授業が難しくなるよ」とブログのお客様であるりなちゃんから聞いてはいたが、まさしくそのようである。
　チビ子は国語は得意だが、どうも算数が苦手らしい。学校でのテストはなんとかこなしているが、宿題がちっとも進まない。特に図形がさっぱりで、教科書を前にしてゾンビのような顔になっている。
　基本的に私は子供には勉強を教えない主義なのだが、十二時近くになってもウダウダとやっているのを見ると口を挟まない訳にもいかない。ああでもない、こうでもない、押しても駄目なら引いてみな、ああだ、こうだと、手を変え品を変え、説明に四苦八苦である。

　そもそも自慢じゃないが、私も算数は苦手だったし、数学になった途端、「私の数学人生は終わった……」と遠い目をしながらしみじみと感じ入ったものだ。
　だが、四年生ではまだここまで手こずってなかったように思う。

　チビ子は元来自分で考えるのが苦手な傾向があるので、ぱっと見て「ややこしそう」と感じた時点で考えることから逃げるようだ。で、「わ～か～ら～な～～～い」と言いながらプリントの裏に落書きをして時間をつぶしている。
　ごらあ！！　算数が苦手なのは私の遺伝子のせいとしても、そんなに物事考えないのは私の遺伝子のせいではないぞ！　父ちゃんの遺伝子でも勉強に関してはそんな事はないわい！
　ええ加減にせえよ～！　もっと脳ミソを使え！　脳ミソは鍛えなかったらただの白ミソぢゃあああ！！

　心の中で激怒しながら、チビ子に算数の問題を教える私であった。