丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

歌 謳う 歌うたい

2011年08月22日 | ゴスペル
 藤井寺かあにばるというイベントがありまして、そちらで歌わせていただきました。去年から引き続き、二年目の登板です。十五分という持ち時間の中、三曲歌わせていただきました。今年はなんと言っても東日本大震災で被災された方への想いというものを避けては通れないと思っておりまして、歌もその辺りを意識して選曲しています。クワイアのメンバーの中には親戚が宮城にいるという者もおりますので、他人ごとではないのです……。いつまでも心を寄せて行きたいとメンバー全員が思っているのであります。

 さて、そんなこんなで歌ってきたのですが、ふと思いました。ウインズ・ゴスペル・クワイア、歌、うまくなってるぞ! いえ、正確に言うと、歌の心を本当にきちんと理解して、表現するのがとてもうまくなってるぞ!! 

 ゴスペルというと大抵の人は「手を叩いて、足をふみならして、大声でにぎやかに歌う。ストレスもふっとんで、気持ちいい~~!」というイメージが先行すると思います。確かに、私も最初はそうでした。実際に歌い始めてからもしばらくはそちらの気持ちの方が優先してたでしょう。でも、ここ二年くらいでしょうか、段々意識が変わってきました。

 ゴスペルは心の叫びです。苦しみ、悲しみ、喜び、感謝、そういう気持ちを歌いあげる歌です。そして、それは歌う側の発散で終わるのではなく、聴いている人の心の中に押し込められている感情を揺さぶり、引きずり出す力を持つ歌なのです。そのためには、一曲一曲の歌に込められた想いというものをきちんと理解し、恥ずかしがることなく自分の身体を通して表現する必要があるのです。ゴスペルは「歌う」のではなく、「謳う」ものなのですね……。

 うちのクワイアはアップテンポの曲よりも、スローバラードの方が得意です。これはメンバーが高齢なのでリズム感がないという訳ではなく(……いや、ちょっとはその通りなんだけどwww)、結構色んな人生経験を積んだ人が多いというのも影響しているのだと思います。人生経験の豊かな人は、人の心の機微も酸いも甘いも噛み分けて、ゴスペルの中の哀しみや苦しみを感覚で理解できる……。いやあ、素晴らしいなぁ。やっぱり亀の甲より歳の高ってやつですね(笑)。

 今回、舞台をはける時客席を通るのですが、通りすがりのお客様から「良かったです」「素敵でした」「感動した」とお声をかけて頂きました。「楽しい」だけのゴスペルから一つステージが上がったカナ……。そんな事を感じて、少し嬉しくなったのでありました。


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