自分磨き

　職場の勉強会で久々の講義の担当が回ってきた。お題は「介護講習」。一応作業療法士という肩書きを持っているので、介護の指導なんかを時々依頼される。しかしながら皮肉なもので、療法士というのはですね、「指導」はするけど、実際のところあんまり現場では「介護」の実践はしないんだよね。
　病院時代はリハビリ室にやってくる患者さんのトイレ介助は療法士がしていた。患者さんが催すたびにヘルパーさんやらナースを呼んでいたのでは、肝心の訓練どころではなくなるからだ。
　ところが病院を出て地域リハの仕事に関わるようになってから、実際の介助をする機会は激減した。考えてみたら当たり前だが。なぜなら、在宅介護であればほとんどを家族がするし、訪問リハの最中に催さないように家族は気を使ってだいたい先に済ましている。通所リハやら通所介護施設にはヘルパーさんがいるので介助は彼女達の仕事だ。お陰で滅多な事では入浴やらトイレ介助に借り出される事はない。普段よく接するのはせいぜい食事の場面のチェックくらいだろうか。でもこれは施設の話で、訪問リハではそれすら目にするチャンスはない。
　そんな私が「介護」講習の講師なんだから、ちゃんちゃらおかしいと言われたらそれまでだ。なんだか随分申し訳ない気分になる。
　それでも仕事は仕事なので、せめて「時間の無駄」と思われないような内容にしようとテキストと首っ引きで資料作りに励んだ。
　で、その本番が今日だった訳だ。さてさて出来はどうだっただろう。うちのヘルパーさん達に「けっ、つまらん講義をしやがって！」などと思われていないだろうか。

　自慢じゃないが、最近仕事がらみでの勉強量は最盛期の三十分の一くらいに激減している。もっと自己研鑽に時間もお金もかけなきゃいけないのだけれど、やっぱり独身時代と違ってそこまで仕事に時間もお金も体力も注げないというのが現実だ。最低限の情報のアップデートは会社を通して出来ているとは思うが、それでもなかなか新しい知識や技術を得る状況にはない。
　これじゃいかんよな～。そんな危機感はあるのだが、なかなか身体も気持ちもついていかない。ついつい仕事以外の事で「自分磨き」してしまうのだ。
　嗚呼、もうちょっと頑張って仕事せにゃいかんのだけど……。

　そんな事言いながらブログの更新する時間はあるのよ（笑）。