チビ子、鯛を食らう

　今月はちえぞー一族の誕生日が立て続けにある。トップが私で、その次はチビ子、そして実家の母。母や私は既に誕生日だからと言って、そうそう嬉しいものでもない（今年はちょっと嬉しかったけど）。しかしながら、チビ子は誕生日を心待ちにしていた。そりゃそうだわね。ケーキ食べて、欲しいもの買ってもらって、ご馳走食べて、そりゃもう、あなた、この世の春ですよ。
　で、母ちゃんはチビ子に聞いたのでした。
「誕生日、なんか食べたいモノある？」
　するとチビ子はきっぱりと言ったのでした。
「タイ！」
　……タイ？　タイと言いますと鯛？
「鯛ってめでたい時に食べるんやろ？！　チビ子の誕生日、めでたいやろ？！　せやから鯛食べる！」
　……はあ。確かにめでたい時に食べますわな。しゃあけど、ほんまに鯛でよろしいんでっか？

　一抹の疑問を抱きつつ、『一心太助』という魚料理のお店に行って参りました。広い店内にはちょっとした大きさのイケスがあって、鯛やヒラメの舞い踊りならぬ、アジやら鯛やらハマチやら海の魚がたくさん泳いでいます。別料金を払えば釣りも出来るというお店。
　そこで、頼みに頼んだり鯛づくし。
・鯛のニギリ
・鯛のあら炊き
・鯛の刺身
・鯛の茶漬け
・鯛のうしお汁
その他は、蛸のから揚げにエビフライ(チビ太郎用）、イケスでつりあげたイサギの刺身。
　チビ子は満面の笑みを浮かべて、鯛料理をバクバク食べておりました。　見かけによらず大食漢の娘は恐ろしい量の鯛を食べ尽くし、すっかり満足したようでした。ちなみに一番美味しかったのは鯛の茶漬けだそうで。いやぁ、七歳のお嬢ちゃんの好みとは思えませんな。
　ま、喜んで食べたいモノをたらふく食べたということで、めでたしめでたし。