チビ子のピアノの発表会があった。曲が決まったのは三月頃だったろうか。バッハのメヌエット、ミュゼット、亭主と連弾でアラベスクというラインナップ。その日からチビ子よりも亭主が張り切ってしまって、毎晩のようにチビ子のレッスンにつきっきり。
しかしだね、共稼ぎの家は皆そうだと思うけれど、全ての事柄が時間的に遅くなってしまうのよ~! ご飯だって七時過ぎだし、そこから風呂に入って明日の用意して、等など、一連の用事が全部片付くと九時半は回っている。そこからピアノのレッスンが始まるのだから、たまったもんじゃない。
チビ子は疲れていて集中力もないし、やる気もない。もう、グニャグニャ。でも張り切り亭主はチビ子の機嫌などお構い無しに、ガミガミくどくど延々とやってくれる。仕舞いにはチビ子は泣き出す始末。あんまり毎晩修羅場が続くので、見てるこっちもイライラしてくる。口を挟んでも私の言う事など聞く耳持たない亭主に、いい加減頭に来て、ピアノのレッスンが始まるとチビ太郎を連れて二階で寝ることにした。布団の中ではチビ太郎が、
「またネエネエ泣かされてるわ。お父さんもあんなにキツく言わんでもええのになぁ。面白いことないやんか」
と、姉に同情していたという……。
まあ、そんなこんなで鬼のような準備期間を経て、ようやく迎えた本番。チビ子のソロはばっちりだった。ステージ上で満面の笑みを湛えながら、いつもの百倍も堂々と弾いたチビ子はえらい! と、親バカな私なのであった。
連弾のアラベスクはというと、チビ子のささいなミスタッチにつられて亭主がボロボロになり、後半亭主のパートは消えうせたのであった(笑)。
はい、チビ子の方が度胸があったっちゅう事ですな。
そうだよ、音楽は「音を楽しむ」と書くのだ。そんなガミガミ言われて泣きながらするモンじゃないんだって。自由に楽しく弾けたらいいんだって。別にピアニストになるってんじゃないんだからさ~。
舞台の上でにっこり笑えたら、それで充分だよ。うん。
なんにせよ、ようやく終わったピアノの発表会。しばらくはちえぞー一家に平和な夜が訪れることだろう……か?
しかしだね、共稼ぎの家は皆そうだと思うけれど、全ての事柄が時間的に遅くなってしまうのよ~! ご飯だって七時過ぎだし、そこから風呂に入って明日の用意して、等など、一連の用事が全部片付くと九時半は回っている。そこからピアノのレッスンが始まるのだから、たまったもんじゃない。
チビ子は疲れていて集中力もないし、やる気もない。もう、グニャグニャ。でも張り切り亭主はチビ子の機嫌などお構い無しに、ガミガミくどくど延々とやってくれる。仕舞いにはチビ子は泣き出す始末。あんまり毎晩修羅場が続くので、見てるこっちもイライラしてくる。口を挟んでも私の言う事など聞く耳持たない亭主に、いい加減頭に来て、ピアノのレッスンが始まるとチビ太郎を連れて二階で寝ることにした。布団の中ではチビ太郎が、
「またネエネエ泣かされてるわ。お父さんもあんなにキツく言わんでもええのになぁ。面白いことないやんか」
と、姉に同情していたという……。
まあ、そんなこんなで鬼のような準備期間を経て、ようやく迎えた本番。チビ子のソロはばっちりだった。ステージ上で満面の笑みを湛えながら、いつもの百倍も堂々と弾いたチビ子はえらい! と、親バカな私なのであった。
連弾のアラベスクはというと、チビ子のささいなミスタッチにつられて亭主がボロボロになり、後半亭主のパートは消えうせたのであった(笑)。
はい、チビ子の方が度胸があったっちゅう事ですな。
そうだよ、音楽は「音を楽しむ」と書くのだ。そんなガミガミ言われて泣きながらするモンじゃないんだって。自由に楽しく弾けたらいいんだって。別にピアニストになるってんじゃないんだからさ~。
舞台の上でにっこり笑えたら、それで充分だよ。うん。
なんにせよ、ようやく終わったピアノの発表会。しばらくはちえぞー一家に平和な夜が訪れることだろう……か?
一生思い出になるでしょうね。
父が私に野球を教えてくれた時、必要以上に
熱くなってて、エエ加減にしてくれんかな~
って、その時は思うてましたけど(笑)
いま思うと、後々の根性とか運動神経は
父のおかげで培われたようです。
大人になれば、チビ子ちゃんもそうやって、
思い出すようになるでしょう・・・(たぶん)