が～まるちょば を観た！！

　が～まるちょばのライブに行ってきました。「なんのこっちゃ？」という方のために少し説明いたしますと、パントマイムのユニットです。NHKの子供番組では時々見かける人達でして、ちょっとヤクザなスーツにモヒカン頭という、見た目はかなり怪しい（笑）二人組です。赤いモヒカン頭がケッチ！　さん、黄色いモヒカン頭がHIRO-PONさん（多分。違ってたらごめんなさいませ）。うちのチビ太郎がこの二人のファンでして、生協でチケットを見つけて「行く！　行く！　行く！　行く～～～～～～～～～～～～～！」と叫び倒しておりました。

　さて、舞台は色々と観てきた私ですが、パントマイムのライブというのは初体験でして。とってもわくわくしながら観に行ったのでありました。

　最初は小ネタショー「が～まるSHOW」。舞台の真中に小道具の詰まったトランクを一つ置いただけで、二人でひたすら小ネタを披露しまくります。見事なのは、会場全体を巻き込んで観客参加で小ネタ・オンパレードをしていくそのテンポの良さ！　当然、パントマイムのライブなので、意味のあるセリフは一言もありません。「●☆▼▲◎◇？！♪」みたいに意味のない唸り声ともしゃべり声ともとれるような声を出すだけ。身ぶり手ぶりと表情で、観客に「拍手しろ！」「はい、そこで大きな声だして！」「や～い、間違えてやんのぉ～！」みたいな感じで意思を伝えていくのです。いやあ、これは勉強になります。とんでもなくおかしいのは、遅刻してくるお客さんのいじりよう！！　ぴーーーーーっ！　とホイッスルを吹いて、イエローカードだして、「遅刻ダメだろおおお！　トイレでう○こしてたんかあああ？！」のようなことをパントマイムで執拗に追及してきます（笑）。しまいには「急いで出てきて、お尻拭いたか？」「手、洗ってないだろ！！」までやってくれるので、会場は大爆笑。遅刻したお客はへこへこと平謝り（笑）。それを遅刻した人が入ってくるたびにやるので、もう、おかしいのなんの。挙句に、前の方に座っている遅刻者は舞台にあげられてまでイジられます。あんまりおかしいので、遅刻してきたら良かったとちょっと思うちえぞーでありました。

　二番目の出し物はマイケル・ジャクソンVSブルース・リーのコント。これは、まあまあってとこですかね。盛り上がりがあんまりなかった。でも、マイケルの雰囲気がとても出ているのが、ものすごくおかしい。

　休憩後はパントマイムの二人芝居、BOXER。ストーリーはシンプルで、映画のロッキーのような筋立てになってます。ストーリーはあえて書かないでおきますね。とにかく、出演者は二人。大道具は無し。衣装以外の小道具もほとんどなし。主役のボクサー、セコンド、ボクサーの彼女、対戦相手数名という役を二人でこなします。というか、ボクサーはHIRO-PON、残りの役はケッチ！がこなしています。結構長い芝居ですが、大変見応えがありますよん♪
　パントマイムの芝居は初めてみましたが、不思議なくらいに頭の中にセリフが聴こえてくるのです。別に口を動かしている訳ではないのです。表情と、身体全体の動き、ちょっとした間、それら全てがセリフを見ている者の頭の中に浮かび上がらせるという……。チャップリンの映画を観た時のような感じにも似てます。この感覚に感動しました。
　そして、身体の動きの緻密さ、繊細さ！　ボクサーが試合で打ち合いをしている様子を、スローモーションで演じるのですが、このシーンは必見です。まるでダンスを見ているような美しさと、リアリティーは圧巻です。放ったパンチが相手に当たった重量感、相手のパンチが入った時の衝撃、リングの隅に追い詰められる様子、倒れてロープにすがりつく手の動き……。冗談ではなく、本当にそこに見えるような気がします。パントマイムが素晴らしい肉体の芸術であるという事を再認識です。チビ子にも大変勉強になったんではないでしょうかね。

　基本的にはコメディーなので、たっぷり笑えます。そして同時に、この二人の実力に圧倒される二時間でもあります。とってもとっても見応えのあるライブです。文句なしに、ちえぞーの今年一番のお勧めですな。