それぞれの十年

　久しぶりにＯＬ時代の友人に会いました。私がＯＴになる前、ＯＬをやっていたというのは冗談のような話なのですが、本当の話なのでございますですよ（笑）。今の私しか知らない人達はおおよそ想像出来ないでしょうけど。
　彼女とは十年ぶりです。ＯＬ時代から元気で朗らかな、ヒマワリみたいな女性でしたが、いやはや今も健在でございまして、変わらぬ弾けるような笑顔が印象的でした。

　ＯＬ時分の話で随分と盛り上がったのですが、私がＯＬをしていたのはわずか四年ほど。後は怒涛の二十代を過ごして来ました。しかし、なんですな。会社に残ってずっとＯＬをしてきた彼女と当時の同期の話を聞いていると、皆、それぞれ、本当に苦労しているようです。
　私がＯＬ当時はまだバブルの名残がありましたので、それなりに良い目をしてきた経験があります。その後はご存知３Ｋ極貧医療福祉業界（笑）にずっと身を置いているので、当時の羽振りの良さが余計に「古き良き思い出」となっているのでしょうけど。
　しかし会社に残った仲間達はと言うと、まさしく嵐のような世界の経済状況に翻弄されてきました。バブル崩壊、リストラの嵐、会社の合併吸収、早期退職、9.11ショックに湾岸戦争、そんでもってリーマン・ショック、世界同時株価急落……と、まあ、明るいニュースは皆無。今の私にはテレビの中のニュースとしてしか、ピンとこない話題ばかりですが、あのままＯＬを続けていたら、私もまた時代に翻弄されていたに違いないのです。

　正直、転職してよかったとつくづく思います。元々ＯＬは向いてないという自覚はありましたから、きっと二十年も宮仕えは勤まってないでしょうけど。それでも今となっては一応国家資格を持った専門職です。なんとかかんとか言いながらも子育てしながら、そしてしがない非常勤とはいいながら、毎月お給料をもらえるような状況にいますもん。
　
　でも、そんなシビアな時代をお局ＯＬとして、そしてシングルマザーとして、強く明るく逞しく、かつ軽やかに生き抜いている彼女は本当に素晴らしい……。頭が下がります。まだまだ世間は厳しい状況でしょうけど、彼女ならきっと生き抜いていける事でしょう。

　

ただし！　私のペンネームを高速響と思っていたのはいただけません（笑）。そりゃあ、検索してもひっかからへんちゅうねん。人を超音波みたいに言うな～！
　私のペンネームは高遠響（たかとおひびき）でっせ！