丘を越えて~高遠響と申します~

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ばかやろ~!

2012年10月07日 | レビュウ
 NHKで吉田茂のドラマをやっていました。大好きな大好きな渡辺謙が主演だったので当然、観ました。

 いや、なんせ、戦後のごたごたについては学生時代にはほとんど勉強していませんでしたので、昨年の白州次郎のドラマも面白く拝見しましたし、今回のドラマも興味深く拝見いたしました。敗戦、占領という状況の中、いかにして瓦礫の山と化した日本がどん底から這い上がってきたか。その過程にはどのくらいの辛酸を舐め、苦渋の選択を迫られて来たか。「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」続けた独立までの道のり。
 いやはや、それはそれは大変な時代だった。それは事実です。

 が。

 今回に関してはちょっと別の思いも湧きあがってきました。それは「今、何故、このドラマ?」という疑問。

 尖閣問題、沖縄基地問題、憲法九条、再軍備、集団的自衛権の行使など、今まさに現代日本の目の前にこれでもかと言わんばかりに並べたてられている諸々の問題の始まりは、実はまさにこのGHQ占領から独立をなし得るまでの期間なのですよね。
 どんな背景があったのか、どういう経過があったのか、確かに教科書ではわかりません。現社の先生も日本史の先生も解説してくれませんでした。それは確かに事実です。

 GHQに押し付けられた日本国憲法。吉田茂が男泣きに泣いた「天皇は象徴である」という文言。当時の日本人の価値観を根底から覆す憲法であった。それも事実、でしょう。

 でも、なんかね……。やたら滅多らに「日本を救う」「負けて勝つ」そんな言葉が耳に付くのですよ。そりゃそうかもしれません。当時の事を考えたら、きっとそうなんでしょう。でも、なんかものすご~く意図的な物を感じるのです。基地も領土も仕方ないのよ、だって、日本は敗戦してボロボロだったんだもの~。日本を救うために仕方のない事だったのよ~。ほら、ね? こんなに苦労して吉田茂が頑張ったのよ~。わかってくれるでしょ? 的な意図。
 
 
 で、ドラマを観ているとあちらこちらに自民党の有力議員の幼少時代や、新人時代が出てくるのです。ちゃんと名前入りで。10歳の麻生太郎氏、少年期の細川護熙氏、新人時代の佐藤栄作、田中角栄、池田勇人……。なんだろうか、これでもかこれでもかと、「自民党が現代日本の礎を築いたんや!」と言わんばかりのPRぶり……。
 そしてテレビのニュースでは永田町の与党の座をめぐる不毛な争いばかりが流れている……。

 正直、これって自民党のPRドラマだった訳? 「俺らこそが日本の与党や!」と言うアピール?? この時期に、このタイミングに、NHKで流しちゃう??? 






……う~ん、せっかく渡辺謙のドラマだったのに。ちょっと白けちゃった。


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