大雨が通り過ぎた後、灼熱の空気が一気に洗い流されたようだ。洗濯物を干しに出た夜のベランダは少し肌寒いくらいだった。重苦しい圧力を感じさせていた夏の熱気の中で弱弱しく泣いていた蝉の声の代わりに、コロコロと転がるような秋の虫たちの歌が響いている。
足もとで猫が気持ちよさそうに身体をこすりつけてくる。彼女の首の小さな鈴もコロコロと歌っている。
ふと、夜中に細々と泣いていた蝉達のことを思い出した。
昼間、あまりにも暑すぎて哭くことが出来なかった彼ら。夜の闇の中で泣いていた彼ら。彼らはどうしたのだろう。夏の日差しの中で命の賛歌を歌いあげることができたのだろうか。そしてちゃんと伴侶を見つけて、短い地上での使命を果たしたのだろうか。
カネタタキの小さな囁きが、コオロギの透き通った歌が、なにやら弔いの歌にも聞こえる。そんな秋の夜……。
足もとで猫が気持ちよさそうに身体をこすりつけてくる。彼女の首の小さな鈴もコロコロと歌っている。
ふと、夜中に細々と泣いていた蝉達のことを思い出した。
昼間、あまりにも暑すぎて哭くことが出来なかった彼ら。夜の闇の中で泣いていた彼ら。彼らはどうしたのだろう。夏の日差しの中で命の賛歌を歌いあげることができたのだろうか。そしてちゃんと伴侶を見つけて、短い地上での使命を果たしたのだろうか。
カネタタキの小さな囁きが、コオロギの透き通った歌が、なにやら弔いの歌にも聞こえる。そんな秋の夜……。
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