丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

鉄棒

2005年10月02日 | 四方山話
 チビ子に連れられて、公園に行った。実家の近くの、私が子供の頃によく行った公園だ。遊具といえば鉄棒と、ブランコと、滑り台と、シーソーしかないが、面積はそこそこ広い。夏はそこで地蔵盆が開催される。
 あまりにも西日が強いので、大半は日陰になっているベンチで座ってチビ子の行動を眺めて過ごしていたが、なんとはなしに鉄棒の近くに行ってみた。

 鉄棒にもたれていると、ふいに夏休みの早朝、逆上がりを練習する小学生の自分を思い出した。茶色い棒を両手で握ってみると、なんだかむしょうに回ってみたくなった。
 「よっ!」と鉄棒の上に身を乗り出した途端、自分の体重の重さに愕然とした。腕がプルプルする。・・・これって、太ったのか、腕力が衰えたのか。(恐らく両方だよね)
 上がってみたものの、前回りをするのが急に怖くなってきた。しばらく躊躇した後、思い切って重心を前方に投げ出した。
 頭の芯が後頭部に移動して、そのまま幽体離脱したんじゃないかと思うような、思った以上の強烈な刺激に、思わず目をつぶった。
 次の瞬間、ドスンと足が地面に落ち、ずしりと重力を身体全体に感じた。ぶざまな落ち方だった。横でチビ子が目を丸くしていた。
 鉄棒・・・って、こんな強烈な運動だったっけ?と心の中でつぶやきながら、苦笑いをした。
 その後も何回か回ってみた。少しづつ重力の変化には慣れてきたが、何度やっても足が地面に落ちる。昔は一応、前回りしても鉄棒の上に留まれたんだけど・・・。
 ついでに逆上がりも挑戦したが、足がちっともついていかない。高校生くらいまでは平気で出来たのに、自分のお尻がこんなに重いとは想定外だ。

 自分の体の衰えをまざまざと見せ付けられた気はするが、鉄棒の後、妙に頭がすっきりしているのに気付いた。遠心力で頭に血が回ったのと、重力変化で前庭神経に刺激が入って覚醒レベルが上がった(マニアックな表現で、すんません)んだな、こりゃ。と、一人で妙な納得をする。
 今週はプチ鬱状態だったが、遠心力でストレスが吹き飛んでいるかもしれない。プチ鬱の治療には鉄棒が効果的?!プチ鬱の皆様、一度試してみては?(笑)

 そんな拉致もない事を考えながら、掌をそっと嗅いでみると、何だか懐かしい鉄の匂いがした・・・。
 

追記:翌日から腕・肩・脇とバリバリの筋肉痛に襲われている・・・。こういうのを「年寄りの冷や水」って言うんですな、わはは。

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