AKB48の秋元才加(25)が28日、東京・秋葉原の専用劇場での最終公演をもってグループを卒業した。7年半育ててくれた劇場との別れを惜しむように「青春ガールズ」「草原の奇跡」など思い出の歌を涙ながらに熱唱。終盤で増田有華(22)ら同じ2期生のOGも駆けつけた。
同期の大島優子(24)が用意した手作りの“卒業アルバム”を受け取ると感無量の様子で「部活も何も続かなかったけど、唯一AKBだけは続けられた。今後も48グループとつながっていけたら」と感謝。終演後の取材では、今年からOGも参加できるようになった選抜総選挙について「来年の出馬?大いにあります。本当に楽しみ」と宣言した。
AKBのバラエティー進出を開拓した一人。フジテレビ「笑っていいとも!」のレギュラーを務めるなど、ファン以外の層にAKBの名前を浸透させた。将来は「カメレオンのように変幻自在の演技ができる樹木希林さんのようになりたい」。その秋元に絶大な信頼を寄せていたのが大島。年も同じで、メンバーを和ますために楽屋で一緒にふざけたり、全裸になったりした。大島は先に巣立つ親友へ「墓場に行くまでこれからも思い出をつくっていきたい」とエールを送った。
AKB48の秋元才加(25)が28日、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行った。2006年4月1日の初舞台から“チームK”一筋、7年5ヶ月。笑いに満ちた公演だったが、同期7人に囲まれ歌った卒業ソング「強さと弱さの間で」を歌うと、こらえきれずに大粒の涙。最後のあいさつでも感謝の気持ちを伝えると、両手であふれる涙をぬぐった。
前夜の板野友美に続き、チームKの花形メンバーがまた一人、劇場から巣立った。キャプテンとして2夜連続で仲間を送り出す形となった大島は「おばあちゃんになっても、お墓に行くまで、いろんな思い出を作れたら」と、“心友”と呼ぶ秋元の門出を笑顔で祝った。
劇場にはチームKのメンバーのほか、長身コンビ“ツインタワー”の相方で、中国・上海のSNH48に活動を一本化した宮澤佐江(23)、同期のOG河西智美(21)、増田有華(22)、松原夏海(23)らも駆けつけ、劇場デビュー当初、年上・年下構わずに本気でぶつかり、ケンカしていた秋元の思い出話に花を咲かせた。
大島からは「AKB48グループ全員からメッセージを集めた」というアルバムを贈呈された。自身が増田の卒業公演でボロ泣きした表紙の写真に笑い崩れ、エメラルドグリーンのドレス姿でステージに寝そべった。ファンには見せられない写真も満載のプレゼントを「未完成だから返して」と奪い返されるも「すっごい幸せ」と白い歯をみせた。
秋元は2006年2月に「第2期AKB48追加メンバーオーディション」に合格。自身のブログ『ブキヨウマッスグ。』のタイトルどおり、不器用なまでに真っ直ぐで熱い性格で、誰からも愛され、尊敬された。2010年8月にチームKキャプテンに任命され、昨年10月末に大島へバトンタッチするまで、“体育会系”チームKの象徴的存在だった。
AKB48最後の曲として選んだのは「草原の奇跡」。東京ドームの観客4万2000人が緑のペンライトで作った「大草原」も壮観だったが、劇場の250人による草原もまた格別。表現力を増した歌声を響かせ、独り立ち後も「一歩進んで活躍することがAKB48グループへの貢献になる」と後進のために道を切り拓いていくことを誓った秋元の姿は、キャッチフレーズのとおり、強く、気高く、美しかった。