daiozen (大王膳)

強くあらねばなりませぬ… 護るためにはどうしても!

よだかの星

2014年09月14日 | 宮沢賢治-鑑賞
よだかの星★~*
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/473.html


私が「よだかの星」についての皆さんの感想を読んで感じたのは、

よだかを否定的に受け留めた人が多いのではないかという事です。

その否定的な部分は、私も感じない訳ではなかったのですけれど、

よだかが愚かな集団を抜けるしかなかったのなら、それは仕方ない。

そんな事より、前向きに倒れて息絶えるなら、立派な生き方です。

よだかが諦めず・チャンスを求めつづけた所に私は共感を覚えます。



よだかは賢治ワールドに住む鳥ですが、鳥の仲間内では格下です。

誰もマトモに口を利かず、子供の鳥までが馬鹿にする始末です。

よだかの前では、美しくもない鳥までが美人ぶっています。

愚かで・腑抜けの仲間たちは、強い者の前ではビクついている。

よだかに対しては、弱虫の臆病者の鳥までが強がって見せます。

もっとも、そんな鳥に大した者はいないのは分っていますけれど…。

そんな姑息な鳥たちですが、よだかには大切な仲間なんですね。

いじめられ、悪口を言われても、よだかは仲間を大切にしている。



よだか相手に威張るなんて、ほんとに強い者はしないものです。

どういうワケか、鷹が来て、よだかにイチャモンをつけるのです。

賢治ワールドの鷹は三下のパシリなんでしょうか…

そのパシリの鷹が改名をせまります…よだかは困ってしまいます。

それが歌舞伎役者みたいな素敵な名前『市蔵』ですよ。

私だったら『市蔵』でも『市川雷蔵』でも引受けるのですけど…。

よだかにはそんなパフォーマンスが出来るわけがありません。

けど、三下の鷹の言うことを聞かなければ殺されてしまいます。



それで、可哀そうなよだかは悩んで鳥の世界から抜けるのです。

愚かな鳥の仲間を抜けるのですから、喜んだら良いのです。

マトモに会話もできないような愚か者集団じゃないですか。

強い者の顔色うかがい・ご機嫌うかがいするのは一向に構わない。

腰抜けのくせに、弱い者には強がってみせる恥さらしな鳥たち。

よだかは腰抜け集団と決別する方向に飛び続けるのです。

飛んで飛んで飛んで、その後はどうなったのかなあ…

可哀そうなよだかだもの、頑張ったんだもの…、

だから、よだかには御褒美をあげてほしい。

せめて、空で輝く星にしてあげてほしい。

賢治の想いと、私の想いと、おんなじです。


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