野菜畑のひょうたん族

ひょうたん・たん・たん!大きくなあれ♪
野菜作りと日々の生活をやんわく綴ります。

夏の風物詩!六月燈

2023-07-21 | 季節・花
幼い頃、浴衣を着せてもらい連れて行ってもらった
六月燈。
ごった返す人波の中、迷子にならないようにと
母に手を引かれて歩いた。


母の背中から、見上げた空間に灯籠が並んでいた。
灯された文字や描かれた絵たちが、
夜空にみゅ〜と動き出し、
それは、まるで幻想の世界のようだった。

あれから何十年と六月燈に行くこともなく時はすぎ、
コロナ禍で行けなくなってしまってから、
再開したら、もう一度行ってみようと決めていた。

今年、照国神社の六月燈が開催。
私は心躍らせ、浴衣を着て行ってみた。
人混みも心地よさを感じた。
重なる灯籠に浮き立つ子どもたちの文字や絵が、
恋しい人に会えたような感動があった。

そして、
新しい浴衣に袖を通してはしゃぐ私を
優しく手を引いてくれたあのときの母に
会えたような気がした。


記念写真

2013-12-04 | 家族

お祝いごとがあり、
25年ぶりに華やかなドレスをまとった私は、
ちょっとしたお姫様気分でした。

いつもは、つぎはぎだらけの野良仕事着の父さんが、
背広に赤いチェックのネクタイをしめたので、
一緒に写真を撮ろうということになりました。

めったにない撮影会のせいか、
にわかカメラマンに成り代わった父さん。

艶姿の私を台に乗せ、
下から上から、前から後ろから、
斜め撮りまでして、汗だくになって撮りまくり、
あげくの果てに出来上がったのは、

台の上に立った私の、
シンデレラもどきの裾の長いドレス姿が、
宙に浮いたような摩訶不思議な画像でした。

そして最後に、
父さんと並んで記念写真。

180cmの長身(しかし、胴回り110cm以上)の父さんの横で
150cmの私は25cmの台に乗り、
ほどよく顔を並べ、タイマーでパチリ。



おなかが出て、そりぎみの父さんと、
胸元にカラタチの花をつけたサファイア色のドレスに
小さな花束を持った私は、
L版の写真立ての中で、
ちょっとばかり、はにかんでいます。


オタク、何グモ?

2013-11-25 | その他
何気なく庭に飛び出すと、
いきなり頭からアミをかぶった。

左目の端にじゃりじゃりと節足的な足先を見つけた
瞬間、引っかかったアミをむしり取り、
超人的な片足跳躍で、おそらく3mは跳んだ



生まれて初めて、
囚われたハエの気持ちが分かった

そして、
本当に恐怖を感じたときは、声が出ないタイプだという
自分に気づいた。

驚きと恐怖の腹いせに、
残った糸を容赦なくほうきの柄先で切り、
無残にもちぎれた蜘蛛の糸は、
風に吹かれて空に舞った…


…はずなのに、
翌日、同じ場所に、
さらに立派に張り巡らされたアミの中に、
堂々とキザなヤツが居直っていた。

「もう、その手に乗らない」と、にらむと、
「どうぞ、お構いなく」と、にらみ返してきた。

切られてもせっせとアミ続ける職人の
芸術的な巣の出来栄えは見事だと思う。

が、

とてもじゃないけど、友達にはなれそうもない。
ところで、オタク、何グモ


黄金の香り

2013-11-09 | 季節・花
時は夏をかけめぐり、
秋が来たのに気づいたのは、
黄金の香りが
小さなこの界隈をすっぽり囲った時でした。


庭にでんと居すわり、
どうどうと咲き誇る金木犀は、
すっかり我が家の顔です。

夏までは葉を生い茂り、着々と支度しつつも、
沈黙を守った彼女は、
前触れもなくいきなり演奏を始めるのです。



香りのセレナーデは、
きらきらと輝くメロディとなり、
回りを巻きこみながら、
恋心を打ち明けます…

彼女は、ちょっとばかり
気位が高いので、
言葉のないメッセージを、
黄金の香りにたくすのです。



甘い甘い思いは誰に届けたの?

友だちの秋風と
こっそり話していたのは何だったの?



夜には、泣き騒ぐ虫たちの声に、
静けさを感じられないほどだと驚き、

南国に霜が降りるころまでの
長い長い秋は、もうとおに来ていました。


木漏れ日に揺れたひょうたん

2013-09-15 | ひょうたん


父さんが作ったゴーヤの棚に、
我が物顔で場所取りに成功したひょうたんたち。

ゴーヤの葉の間からこぼれる陽の光を
浴びながら揺れていました。

こんなにたくさん成っちゃって、
後始末が大変なんだと言いながら、
父さんはちゃあんと
ひょうたんのつるが切れないように、
ゴーヤの葉をよけてくれていました。

そういえば、
聞いてもいないので、
教えてもくれませんが、

父さんが分けてあげた種を植えた方は、
無事に育ったのでしょうか。

水が足りなかった今年の夏の猛暑。
イヤでも熱中症になりそうな中、
しっかり生きながらえて
共に育ったひょうたんたちは、

祝宴のように
木漏れ日を浴びながら踊っていました。

七夕の願い事

2013-07-07 | 季節・花
今日は七夕。
晴れたら天の川を渡り、出逢える牽牛と織女のように、
恋人たちが出逢える日であるといいですね。

お話では牽牛と織女は夫婦なのですが、
1年に1度だけしか逢えないなんて、
悲しいお話です。




この宇宙の壮大な物語が、
本当にあるのなら、

1つ叶えてほしい願い事があります。


戦争から経済復活を目指して昭和時代を必死で働き抜いた
祖父母は60年近く夫婦として連れ添い生きてきました。

その祖父が昨年亡くなり、
祖母は今年の何もかもを初めて1人で過ごす日々です。

口には出しませんが、きっと
喧嘩していた若かりし日々を、
子どもを一人立ちさせた後、一緒に温泉地を旅した自由な日々を、
そして夫(祖父)を介護していた数年間の多忙な日々を、
繰り返し思い出していることと思います。

1年に1回だけ逢えるのなら、
その夫婦の歴史の場面の中から1つだけ切り取って
2人が仲よく過ごしたときに 逢えるようにしてあげたい。






今年も私は、一人で七夕飾りを作ります。
わっかをつなげて、短冊に願いを込めて、
思いを伝えられたらいいなと思います。



父さんの願いは、もっぱら
ドッジボール大の「スイカ」が
バスケットバール大になり、
いつか丸かぶりできる 「スイカ」 に生長してほしいこと。


これも私が短冊に書いておきましょう。


ひょうたん、たん、たん、また生きてます!!

2013-06-05 | ひょうたん
梅雨の晴れ間、
畑を見まわすと、

見つけましたよ、ひょうたんたん``


そう言えば父さんが、
うちのひょうたんは強くてしぶとい、
毎年必ず芽吹くのだあ…

と知り合いに吹いていたら、
そのひょうたんをくださいと頼まれたらしく、
先日雨の中、必死でひょうたんの芽を探したのです。

あった!あった!と喜んで、
何本か持って行ったので、
もう全部なくなってしまったかと
今度は私が心配になって探したのでした。


いやあ、しっかりツルをくるくる巻く気でいますよ。


空に消えた約束

2013-05-24 | その他


晴れわたる空に、西から東へ
飛行機がツーと一筋の雲を引いていくのを見つけると、
ちょっと酢っぱい思いがよぎります。


私が高校生の頃のこと、
今日のように青く晴れた日
お弁当を食べて眠気の差した5時間目の授業の前、
ふっと、隣に目をやると、
同じように空を見上げていた男子がいました。


彼はそのころ、
学校でもハバをきかせた集団の1人で、
同じ中学校というだけの
ただのクラスメートでした。

当時から大人しく無害だった私には、
ほとんどの男子は口を利かない中、
彼だけは冗談を言ってくるくらい
よく話しかけてくれていました。

彼は教室の窓から見える
四角い空に右から左へ1本引かれた雲の筋を見つめたまま

ぼそりと


「きみの名前を空に書いてあげるよ。」

と言ったのです。



私は思いがけない言葉にびっくりして振り返り、
空を見上げたままの彼を見ました。

そんなオトメチックな言葉をかけられるなんて
私は心臓を突然ぐるぐる巻きにされたようでした。

私は小さく

「うん。」

とうなづきました。


白い軌跡は、やがて青い空ににじんで消えて行き、
チャイムの音で我に返った2人は、
5時間目の授業を普段通りに受けました。

2人だけの約束は、
その後1度も話題になることはありませんでした。




その彼は高校卒業後、
航空自衛隊に入隊し、
パイロットになったと風の便りで聞きました。


それから6年ほど経ったころでしょうか。
街で人気のパスタ店で、
高校からの親友とランチを楽しんでいた時です。

「ねえ、あれ、同級生じゃない?」
友達がフォークで指した方に顔を向けると、

そこには、
航空自衛隊の真っ白な制服を来た彼がいました。
彼がにこやかに見つめていたのは、
中学生時代、校内美女ランキングで常に1位だった
マドンナでした。

あの頃も中学生ながら、
「美しい」という言葉がピッタリの彼女は、
さらに透き通った肌と、
はっとするくらい黒く密やかな瞳で、
彼を見つめていました。

まるでそこだけ別世界、
パスタ店の1角だけ異次元空間。

私は話しかけられないまま、
パスタを巻きながら、
頭の中に、あの空を見上げた時を思い起こし、
気付いたのです。

空に書きたかったのは、
マドンナの名前、
だったのだろうと。

なぜなら、彼女を見つめる目は、
あの空を見つめていた目と同じだったから。


きっと、
彼女の名前を書いてあげたんだよね。
だからこうして、
彼女と一緒だったんだよね。


私はぐるぐる巻きにして
だんごになったパスタを口いっぱいにして、
やっと気付いた勘違いと一緒に、
一気に飲み込みました。


一人相撲の約束はとうに消えてしまったけれど、
淡い思いだけ胸にしまっています。

一番摘みのいちご

2013-05-21 | 野菜


うちで採れた一番摘みのいちごたちです。

ぶこつでコロコロ小さいけれど、
赤い赤いかわいいいちごは、
それはそれはおいしいのですよ。

これからしばらくは、
勢力をほこり、
自慢げにじゃらじゃら実を赤く染めていきます。

いちごが両手いっぱい、
こういうときって、
収穫の喜びって言うんですよね!

後から食べるちまき

2013-05-21 | 家族
5月の節句は、とうに過ぎてしまいましたが、
私は、ちまきをいただいています。

子どものころは、あまり
ちまきを食べたという記憶はなく、

どちらかと言えば、
家を出て一人暮らしを始めてから、
確かにちまきを食べたなあと思い出します。



家に帰れない5月、
母がいろいろ食料品を詰めて送ってくれた中に、
ちまきは入っていました。

ダンボールを開けたその時に、
すぐに食べられるようにと、
きなこと砂糖まで付けてくれていました。

母にとって、
私はいつまでも子どものままなのだろうな、
ずっと甘えていいよと言ってくれているようで、
砂糖をいっぱいまぶしたちまきは、
本当に甘くておいしかったものです。


♪ ちまき食べ食べ、母さんが、
  送ってくれた甘い味~

今年も5月の連休が終わった後、
小さく切ったちまきを冷蔵庫に置き、
母を思い出しながら、
少しずついただくのです。


緑の親指姫

2013-05-01 | 季節・花

花の中でちんまりお座りになった、
緑の親指姫。

そよ吹く風にさえ押されまいと
きゃしゃな足で
まだ軟いうす緑の背中をささえ、
一応大人になりましたって
宣言中ですね。

ようこそ、
うちの畑デビュー。

風邪がもたらしたもの

2013-04-24 | その他
今春はインフルエンザにもかからず、
花粉症も軽くてよかったと思っていた矢先、

季節の変わり目が
いたずらに気温をもてあそぶので、
風邪でダウンしてしまった2週間。


家族のいなくなった家、
一人ぼっち、長い長い眠りの中、

夢うつつのフワフワの頭の中に、
過去のできごとが浮かんでは消え、
寄せては返す波のようにまた浮かぶ同じ情景。


忙しい「今」が満杯の毎日では、
思い出しもしない幼いころのこと。



熱を出して学校を休むと、
仕事を休めない母が出かける前に
必ずいつも枕元に置いてくれたチョコレート。


縁側に腰掛けてお絵かきした庭の花とクレパス。


夏の暑い昼下がり、扇風機を回しながら
母の横で昼寝をしたときの固いゴザの寝心地。





やがて、

駆け巡る思い出は「今」で立ち止まり、

これからの人生は、何を大切にして、
どんなことに時間を使えばいいのだろうと
白い天井に問い続けた。



2週間ですっかり哲学者になった私は、
久しぶりに乗った体重計の数字に驚き、
青ざめた顔が映った鏡の自分を見て
しばらく笑っていないことに気づいた。


病気が治ったらまず始めるべきことは何なのか、
ずっと考えてきたのに、

来月出席する結婚披露宴に着る服のサイズに合わせて
取り合えずはダイエットすることから
頑張らなきゃいけないという

現実はキビシー

鏡の中の私は苦笑い


長嶋茂雄さんに国民栄誉賞を

2013-04-05 | その他
野球界に尽力した、
長嶋茂雄さんと松井秀樹さんの、
国民栄誉賞W受賞が話題になっていますね。


「わが巨人軍は不滅です」
という長嶋さんが残した有名な言葉がありますが、
私はそれよりもっと好きな言葉があります。

20年以上も前に創られたポスターが、
当時自宅に貼ってありました。

まだ将来が決まらず、
希望と不安と迷いでいっぱいだった若かりし頃
そのポスターを私はずっと見つめていたものです。


ある教室の黒板の前、
白いチョークで書かれた言葉を背に、
教壇に立った長嶋さんがにこやかに、
そしてまっすぐに私に伝えていました。

「夢は人生の宿題です」

あなたがもし、夢を持てたなら、
それはあなたの人生をかけて、
必ずやりとげなければならない宿題なのです。

長嶋さんがそう言っているようでした。

ポスターはいつの間にか、
なくなってしまいましたが、
私はいつまでもその言葉が頭の奥に残っています。


人はたぶん、
人生の中で大なり小なりいくつか夢を持つでしょう。
その夢を1つ1つ、
成し遂げるよう、全力で取りかかること。
途中で諦めたり、何かのせいにしてやめたりしないこと。

夢を持ったことは自分に課した宿題なのです、と。



長嶋さんの功績、言葉、存在が、
硬球を握ったこともない、小さな私にさえ、
20数年の間夢に向かっていく力を沸かせてくれました。

国民栄誉賞とは、
これまでの偉業をたたえるとともに、
人の心や行動を動かすエネルギーを
これから先もずっと、与え続けてくれることへの
感謝の表れなのだと思います。


私は、
いくつになっても、これからも
目を閉じてまぶたに浮かぶ黒板に
私だけの宿題を書いていきます。



春雨じゃ濡れてまいられよ

2013-04-03 | 季節・花
春雨がぼしょぼしょ降っています。

4月になった今、
寒くもなく暑くもなく、
冷暖房の要らないエコな時期とはいえ、
風が強いですね。

庭に置いていたプラスチックの椅子が、
玄関まで転がっていました。

どこの桜か、花びらが迷いこんで、
庭の隅で重なり固まっていました。

季節をまたぐ優しい雨のはずが、
異国の空から一気に吹き寄せる嵐の雨となって、
とまどっている私達に容赦なく降り下りてきます。

しかし、
家の窓から見上げる山々が、
青々と色づき始めているのに気付き、
どこにでも春の使者が来ているのだと嬉しくなりました。

なんてったって春雨じゃ、
みなみなさま、濡れてまいられよ。

桜満開、春爛漫、ちょっとお庭で一人酒

2013-03-23 | 季節・花
連日、東京の桜が報道されています。
隅田川沿いの桜並木は本当に、美しい。

桜は、1つの花だけでも美しいのに、
その花々たちがスクラム組んで、
春の日差しに顔を一緒に向けていると、
その力強く開いた姿が胸にズンときます。

明日は散るかと、覚悟を決めて、
最終試合で燃え尽きるまで気を張っているようです。

私も花見に行きたい!
けれど、花見に行く時間と余裕と、
花を愛でる友達がいません、残念ながら。


今、うちの庭には、
荘厳なる桜に匹敵する花があります。




岩ツツジです。


春の柔らかな日を浴びて、
薄紫がやさしく咲いています。

ひときわ目立つその美しさは、
桜の時代を飛び越えてもう、
陽気な4月への準備を始めたようです。

今夜は一人で、
ビール片手に岩ツツジで乾杯と行きますか。