2024年1月1日元旦(月)
16時10分、元旦早々、帰省した家族団欒の最中
石川県能登半島を震源とする最大震度7の能登半島地震発生
テレビ等では、津波や土砂崩れや倒壊した家屋や火災の様子が報道されています
被害の実態はまだ把握出来ません。
3日(水)富山市在住の会社の顧客から連絡が有りました
話を聞くと、以前住んでいた石川県輪島市に顧客が所有する戸建て住宅の空き家が有り
被災し避難所生活を余儀なくされた近隣住民から
外観上無事そうなその空き家を貸して欲しいと顧客に連絡があったそうです
顧客はどうしたら良いか判らず私どもの会社に相談されたのです
4日(木)社内協議の結果
避難所からひと家族でも仮設住宅に移って頂く事のお手伝いが出来るのであればとの思いで
空き家を貸せるか安全性確認調査と、貸せる場合鍵の引渡し、重要事項説明の為
急遽、石川県輪島市に自分が行くことになりました
5日(金)20時、北海道小樽市の自宅を出発
23時30分、苫小牧東港発福井県敦賀港行き(つるが)新日本海フェリーに
飲料水などの支援物資や発電機・携行缶等を満載したキャンピングカー仕様のハイエースで単身乗船
このフェリーには、陸上自衛隊の災害派遣隊が同乗していました
6日(土)20時30分、福井県敦賀港到着(つるが)
持参した携行缶にハイエースの予備燃料の軽油と発電機用のガソリンを給油
燃料入りの携行缶はフェリーに持ち込むことが禁止されています
福井県越前市の深夜2時まで営業中のメガドン・キホーテ武生インター店(たけふ)で
灯油ストーブ・灯油用携行ポリタンクなどの救援物資を追加購入
7日(日)00時30分、福井県越前市のホテルルートイン武生インター到着、宿泊
3時16分、ホテルを出発
睡眠時間は、わずか1時間
石川県金沢市内のガソリンスタンドでハイエースを満タン、携行ポリタンクに灯油を給油
5時、金沢駅前のホテルで東京から前入りした前職場元同僚をピックアップ
ふたりで輪島市に向かいました
道中は報道の通り悲惨な状況
土砂崩れや亀裂で迂回路だらけの道路を走行
なんとか8時過ぎに輪島市役所に到着
庁舎の廻りの地盤は大きく陥没
輪島高校避難所に居る、現地不動産会社の社長を見つけ、預けてあった鍵を受取り
物件に向かいましたが、物件手前で土砂崩れの為、道路は通行止め
迂回路も無くやむを得ず徒歩で崖を下りて、海岸を歩き崖を登り
入居希望者が避難している鵠巣(こうのす)公民館避難所にたどり着き入居希望者に無事会うことが出来ました
入居希望の家族三人と一緒に徒歩で物件に向かい、物件家屋を調査
無傷では無いものの、仮設住宅として使えそうなのでお貸しする事としました
但し、停電断水で、唯一プロパンボンベが使えそうだったので
倒れたボンベを復旧してメーターをリセットして試運転
台所のガス台のみ使用可能な状態にしました
この頃、雨が雪に変わりました
鍵を引渡し、安全を保証出来る状態ではないので揺れたら直ぐに家から出て避難すること
プロパンもガス漏れ試験ができてないのでガス専門業者に見てもらってから使用することなど
重要事項を説明して退出。
2本のうち1本の鍵は先ほどの現地不動産会社の社長に預け
持参した救援物資は全てこちらに届けて
11時過ぎに輪島市から撤収
15時金沢駅で元同僚を降ろし
途中の北陸道は猛吹雪
19時、福井県敦賀市に到着
やっと、安堵で腹ペコ~
市内の居酒屋で朝食兼昼食兼夕食をとることが出来ました
平穏な日常の有り難みが身に染みます
運転代行のお世話になってフェリーターミナルへ
23時55分発、苫小牧東港行き新日本海フェリーに乗船
低気圧の影響で日本海は大荒れ。ほとんど眠れず
8日(月)津軽海峡に入るとやっと海も穏やかになりウトウト出来ました
20時30分、苫小牧東港到着
高速道で22時、小樽市の自宅に無事帰宅
当初輪島市の物件にたどり着ける確率は30%程度と覚悟していました
土砂崩れでハイエースでは行くことができなかったものの
何とか徒歩でたどり着くことが出来ました
入居者には救援物資を届けることが出来なく
唯一デイバックに入れた1本のミネラルウォーターしか渡すことが出来ませんでしたが
とても感謝してくれました
現地不動産会社には救援物資を届けることが出来ました
改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに
そのご遺族・被災され避難所での生活を余儀なくされている多くの方々には心よりお見舞いを申し上げます
寒冷期の自然災害の怖さを再認識させられた能登半島地震
非常用トイレ・カートリッジガスボンベ・携行缶・乾電池等の災害用非常物資の備蓄の大切さを改めて痛感
また、頼りになるハイエースのサブバッテリー・FFヒーターと携帯型発電機の存在が大きく貢献し
不安なく行動出来たと実感しました
建築士として今回感じたことを記録します
木造家屋の瓦屋根家屋の倒壊が際立って目に付きました
屋根瓦はその重量が重く、家屋の重心が高くなり耐震性が著しく低下したと考察されます
瓦屋根は耐火性に優れるものの耐震性には弱く
特に降雪地では雪の重みも相まって地震時には倒壊の危険が大きいと言わざるを得ません
今回の物件の屋根はスレート葺で軽量でした
仮に屋根に大量の雪が積もった状態で今回の地震があったとしたら
倒壊した家屋の下敷きになる被害者数は・・・・
今回の被害者数とは比較にならないものと思われます
瓦葺屋根の見直しをするべきと考えます
降雪地の瓦屋根家屋のスレート葺又は、長尺亜鉛鋼板葺への改修工事への
公的資金による補助金制度の創設を強く望みます
被災地の方々には一日も早く日常の生活が戻られますことをお祈り申し上げます