残留の可能性を信じてカシマスタジアムを訪れました。もはや他力本願に近い局面に入っているが、まずは自分たちが結果を残さないと可能性を残せない。
試合の内容は順位通り、鹿島が主導権を握られる展開が続いた。トリニータとしては耐えながらチャンスをうかがうことくらいしかできなかった。
突如の抜擢となり、これがJ1初スタメンとなった野嶽のパフォーマンスは悪くないどころか、鹿島相手におしゃれなプレーをするほど試合に入れていた。前半にファウルされたのは現地で見てもPKだろと思っていたが、見逃し配信で見てもPKが妥当だろなと思った。
J1デビュー戦でエウベルにぶち抜かれ、ホームゲームでのデビューでは脳震盪で交代となったりと、なかなか持ち味を見られる機会がほとんどなかったがこの大一番で野嶽の良さを確認することができた。鹿島相手に通用していたという経験が、かけがえのない自信につながることを期待したい。
久々のスタメンで、エンリケの代わりにセンターバックに入ったペレイラも安定したパフォーマンスを見せてくれた。このくらいやれるなら戦力として全然計算できるだけに、フィットしたのが終盤だということが非常に悔やまれる。これに関してはペレイラの問題というよりかは、合流が送れたコロナ禍によるものだと思いたい。
その他の選手に関しても持てるだけの力を出してくれたと思うし、1点奪われれば限りなく厳しくなる状況の中で高木を筆頭に必死に守り抜いてくれた。
得点しないと勝てないことは選手たちもわかっていることに違いないが、もはや伝統芸といえる鹿島のカウンターにも警戒しないといけないので人数をかけづらかったのはスタンドから見ても感じ取れていた。普段であればもっと整理できていたかもしれないが、降格がかかっているという状況が選手たちの判断を難しくさせていた。
そしてスコアが動くことなく0-0で終了。この試合が終わった段階では清水の試合は終わっていなかったはずだが、リードしている状況から変わることは無いだろうということで、挨拶に向かう選手たちの足取りは重かった。
2009年、2013年、2015年とこれまで3度の降格を経験していて、そのうち2013年と2015年は現地で降格の瞬間を迎えた。その時はすんなりと現実を受け入れることができたが、今回は込み上げるものがあった。歳のせいと言われればそれまでだが、それよりも毎試合全力で戦っていたことは感じていたし、チームとしてのまとまりは感じていた。降格を決めてしまったのは「弱さ」以外の何物でもないが、その「弱さ」を認めつつ、J1の舞台で最後まで食らいついた姿を見ていると、どうしても感情的にならざるを得ない。現地では涙をこらえていたが、帰りのバスの中、そして風呂場で2度泣きました。
下田の号泣を見て、同じく涙するサポーターも多かった。これまでの試合も下田は常に持てる力を出し切っており、攻守にわたって存在感を見せてきた。これだけ全力でやってきたのだから、流す涙も重みが違う。トリニータのためにここまで感情的にやってくれたことが何よりも嬉しかった。
こういった選手たちを残せることが、オフシーズンの課題であると思う。選手の意見を尊重することも大事だが、クラブとして必要な戦力はカテゴリー下げてでも残ってほしいと誠意を見せてもらいたい。今回は連れの友人と観戦してたけど、トリニータはコロコロ選手が入れ替わるので覚えるのが大変だと言っていた。伊佐が入った時に、ようやく知ってる選手が見れたと言ってたので、ファンを離さないという意味でも極力選手には残ってもらう前提で交渉を進めてもらいたい。だいたい強いと言われるチームって、主力を残せるクラブばかりではないだろうか。
俺個人の願望を言えば、チーム一筋の選手をもっと大事にしてもらいたい。川崎でいう中村憲剛のような。今のトリニータでいえば伊佐がそれに近いけど、限界を感じれば自ら引退を考えてくれるだろうし、できればトリニータ一筋でやらせてもらえるようにしてあげたい。そういった選手を多く出せないと、チームの格は上がってこない。高松ですら1回移籍を挟んでるし、そういった選手はトリニータから未だ輩出できてないんじゃないかな。
2019年のジャイアントキリングを皮切りに、夢の舞台であるJ1で3年間戦うことができた。鹿島戦でJ1の夢を見ることができ、鹿島戦でJ1の夢を散ることとなった。この3年間でアウェイの試合は負けなかったことだけでも十分誇れることである。
チームの規模的に、J1の舞台は夢そのものであり、その中で代表選手として送り出すことができたり、優秀監督賞を受賞できたり、フェアプレー賞を受賞できたり、天皇杯4強入りを果たすなど数多くの希望を与えてくれた。トリニータと同じような規模のチームはJ2でくすぶっていたり、J3降格の恐怖にびくついている最中であるが、そんなチームを差し置いて多くの幸せな経験をさせてくれたことに感謝したい。
これも片野坂監督あってのことだと思っている。降格させたのも監督の要因は大きいと思っているが、それよりも感謝の気持ちのほうが圧倒的に大きい。感謝のコメントについては監督の去就が決まった時にでも別記事でまとめたいと思う。
悔しい気持ちは変わらないが、下を向いては何も始まらない。まだリーグ戦は残っているし、天皇杯も優勝する可能性が残されている。柏も行く予定だし、等々力も行く予定で、新国立に行く準備も万端。泣いても笑ってもあと最大で4試合。どうせやるなら笑って締めくくりたい。
じゃこの辺で
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