OS SUPERLOCK LSD |
今回はそんなLSDをDIYで組みこんでみたという話。例によって記事作成は作業に対しかなり遅れており、すでに時間が経っていますが、LSD搭載後はアクセル操作に呼応してぐいぐいと押されるような感覚で気持ちいいですね。
さて、E36のデフについてにわか勉強した感じだと、サイズ違いで3種類(スモール, ミディアム,ラージ)あり、318isなどは一番小さなスモール(タイプK)となります。
325など6気筒系がミディアム、M3はラージサイズとなるようです。また、E30M3ミディアムサイズの純正LSDがあり、ケースごとミディアムにすることで318isへの流用も可能なようです。
一方318is用の社外LSDはOS技研,クスコ,KAAZなどがラインナップしており、選択肢はいくつかあります。今回は評判の良さそうなOS技研のスーパーロックLSDを選択。スペックSという"吊るし"のタイプは1.5WAY型となります。
ということで、
・ノーマルデフケース一式
・OSスーパーロックLSD
・OSの取り付けキット(という名のBMW純正部品詰め合わせ…。)
・工具類、ガスケット、オイルなどなど
を用意して作業に臨みました。
デフケース一式は運よく出ていたヤフオク調達、LSDとキットは平野タイヤで購入です。OSの専用取り付けキットがあると情報を見かけたので買いましたが、内容はBMWの純正部品(ベアリング、オイルシール、Oリング、シム、ボルトなど)でした。品番などを下調べして個々に純正部品を買っても全然問題ないです。
ところでこのOSのLSD、
取説が入っていません(-_-)
取説が要るような素人は扱うな!ということなんでしょうか…箱を開けた時点でいきなり不安になりましたが、買ってしまったものは仕方がないので頑張って装着したいと思います。
作業を進めるにあたっては、サービスマニュアルTISと、こちらのページ(ALPY'sガレーヂさんサイト中のページです)を大いに参考にさせていただきました。
自分自身初めて行う作業で戸惑うことが多く、このサイトがなかったら、サービスマニュアルだけでは厳しかったかもしれないです。届くかはわかりませんがお礼申し上げます。ありがとうございました。
ノーマルのオープンデフ | サイドフランジ取り外し |
サイドカバーとシム | デフ玉取り出し |
さてさて、まずはノーマルデフを分解。リヤカバーを開けるとデフと対面できます。
BMWはこの部分に車速センサがあるため、最終減速比を変更してもスピードメーター表示は変わりません。
サイドフランジは嵌っているだけなので、こじってリングスプリングの勘合を外してやれば抜けてきます。
4本のボルトで止められたサイドカバーのフランジ部にはリングギヤのバックラッシ調整シムが挟まっています。一応、もともと組付けてあったシムの厚みを測っておきます。
また、ベアリングの外輪、オイルシールを取り外していきます。サイドカバーを外せば、デフ自体(デフ玉)をケースから取り外せます。
ボルト緩め | リングギヤ取り外し |
デフ玉からは、再使用するリングギヤ、スピードセンサ用のパルスホイールを取り外します。リングギヤはねじロック+高トルク締め、さらにインロー部は焼きばめされていますのでインパクトとかプーラーとか手持ちの工具を総動員して外していきます。
また、今回ケースは完全に分解はせず、ピニオン側はそのまま使うことにしました(←いいのか?)
今回組み込むLSD | ヒートガンで加熱中… |
そしてこれが今回組み込むLSDです。
まずは純正デフから外したリングギヤの組み込み。マニュアルによればギヤを温めてから組み込む"焼きばめ"を行うことになっています。
友人から借りたアストロ製ヒートガンを使ってギヤを加熱していきます。熱容量が大きいので全体が温まるには結構時間がかかりますので、ゆっくり気長に温めていきます。
冷えている時には入る気配のないリングギヤが、全体が触って熱くなるころになると、ストンと入ります^^
冷めると動かなくなってしまうので、寸法に余裕のあるうちに急いでボルト穴の位置を合わせておきます。
取り付けボルトは新品使用+ねじロック材+トルク&角度締め(50Nm+40°)と規定されています。この40°というのが意外と大変でした…角度締めにはアングルゲージを使用。
角度締め | 内輪・ローラーはデフ側に圧入 |
リングギヤがついたらベアリングの組み込み。
サイドベアリングはテーパーローラー型で、外輪が取れて分離しているタイプです。内輪側はデフ側に、外輪はサイドカバー(兼ベアリングホルダ)に圧入します。サイドカバーには最終的にオイルシールも組むのですが、この時点ではまだ装着しません。こうした圧入作業には、以前修理した中華プレスが活躍してくれています!
外輪はサイドカバーに圧入 | バックラッシ確認 |
フリクショントルク測定 | 歯当たり確認 |
さて、ベアリングが組めたらいよいよ?シムの選定です。
シムはバックラッシ調整とベアリング与圧調整の役割を担っています。左右のシムの厚み合計で与圧を、左右の厚みバランスでバックラッシを調整できる構造です。シムをベアリングホルダのフランジ部で挟み込むという構造はちょっと見慣れない感じがします。といってもあまりデフを色々見たことあるわけではないのですが、日産車などはデフケースの中にシムが内蔵された構造だったように思います。
今回、ピニオン側はそのまま利用するという作戦ですので、サイドベアリング単体でのフリクショントルクは正しくは測定はできません。仕方がないので、バックラッシと、ピニオン側から見たトルクで判断することにしました。それぞれの値は
シム(L側)厚み:2.19
シム(R側)厚み:2.16
LRシム厚み合計:4.35
バックラッシ:0.07
組付け後のトルク(ピニオン側から):1.5Nm
といった感じになりました(これでいいのかよくわかりませんが^^;)。シム選定を行った状態で、光明丹で歯当たりも見ておきます。経験値の足りない私がやっても儀式化してる面は否めないのすが、一応自分目で確認です。まあ真ん中あたりに歯当たりのあとが出ますので悪くはないと判断して作業を続行!
カバー側ブッシュ交換 | サイドカバーボルトに液ガス塗布 |
いよいよカバーを取り付け | 純正オイルを注入 |
シムの選定が済めば、作業は終盤です。この機にデフケースカバー部のブッシュも交換しておきます。
デフ自体に車速センサ用のパルスホイール(羽根車のような板金部品)を圧入し、オイルシール・Oリングを取り付けたサイドカバーで取り付けていきます。サイドカバーは4本のボルトで取り付けますが、一か所だけ構造上貫通穴になっており、そこのボルトには液状ガスケットを塗布して組付けます。
パルスホイールの干渉がないことをチェックしたら、あとはシール面をキレイにして、液状ガスケットを塗布しつつデフケースを閉じたら完成!最後にオイルを忘れずに注入したら、ひとまず完成です。
搭載編に続きます…。
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